だいたい読書日記

元本の問屋(取次)に勤務も1/末に退社。ただ今、絶賛求職活動中。好きなものは読書、インプロ(即興劇、舞台経験あり)。その他、立ち食いそば、B級グルメ、落語、ベイスターズ、FC東京、謎解きなどに興味があります。基本自分の備忘録なので、好きな事を好きなように書いています。

だいたい読書日記26(時々映画やお芝居の話も)

窓ガラスが壊れそうになったりとか、新たにスケジュールで再調整しないといけない部分がいくつか出てきたりはしていますが、台風が過ぎ去ってくれて何よりです。
川が決壊して避難されたり、怪我された方もいらっしゃいますが、まずは、自分や家族や友人が無事であるという、幸運を素直に喜びたいです。

その上で被害に遭われた方に対して、自分のできる事を考える。ベストではないのかも知れませんが、少なくても後ろめたさや申し訳ないという気持ちを抱えながら生きていくよりは、健全だと思います。


では、前回の続きから。

なか一日空けてお邪魔したのが、池袋の天狼院書店さんの「ファナテイック読書会」。テーマに合わせて、好きな本について、ファナテイック(熱狂的)に語っていく読書会です。
最近ときどきお世話になっているのですが、自分の時間は比較的自由に語らせてくれるのと、スタッフやベテランの常連さんに聞き上手な方が多いので、割と気楽な気分でいけるのがいいです。在庫があれば、お店の棚に1冊おいてもらえるのも、結構嬉しい。

今回のお題は「心が暖かくなる本」。あまり、得意なジャンルではないのですが、振り絞ります。
すぐにテーマに合致する本が思いつかない時に、どうひねり出すのか?というのも読書会の楽しみの一つです。自分の好きな本を紹介するのも楽しいですが、主催者の方の出したお題にどういう本を選ぶのか?出来れば、みんなに共感してもらえたり、驚いたりしてもらえたら嬉しいですね。

で、僕が選んだのが、ゲッツ板谷さんの「板谷バカ三代」。板谷さんの自宅に生息するバカ三人を筆頭にさまざまな方たちが巻き起こす、規格外の出来ごとの数々を描いたエッセイ。板谷さんのお父さん「ケンちゃん」の写真を見るだけで笑えます。

そして、この本がすっきり笑えるのは、一つは板谷さんの強い家族愛が根底にあるのが伝わってくるから。
そして、もう一つは、彼らが引き起こすバカに悪意が全くといっていいほどない事。みんなに喜んでもらおう、とかいいとこを見せようとした挙げ句に、彼らはやらかしてしまいます。それでも、端で見ている分にはいいですが、当事者はたまらんだろうなあ。


さらに、なか一日おいて、神保町の「よりみち読書会」。始めての場所で最初は緊張しましたが、少人数でなごやかな雰囲気で、自己紹介の時には、少しほぐれてきました。

今回のテーマは、「新しい見方をするきっかけになった本」。一つの題材でも、選ぶ本は全然違いますし、切り口も次々と代わっていく。自分と本との関り方を見直すいい機会になりましたし、とても楽しい時間を過ごせました。第二火曜という、自分にとっては、割と仕事が楽な事が多い時間の開催なので、またお邪魔させていただこうかと思います。

カシアス (Switch library)

カシアス (Switch library)

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僕が紹介したのは、沢木耕太郎、内藤利朗さんの「カシアス」。
スポーツノンフィクションの傑作「一瞬の夏」の時期に撮られた写真集であり、この作品の主人公のカシアス内藤さんが、喉頭ガンになった事でで、死を意識し、最後にボクシングジムを立ち上げるために、最初の一歩を描いた、ノンフィクション作品でもあります。

僕にとっては「勝ち負け」とは、という事をとても考えさせられた作品ですし、沢木さん達のような人との関り方をしたい、と思うきっかけになつた本でもあります。
本来なら、沢木さんや内藤さんに入ってくる印税が、ジム設立の資金にあてられた、という事も、「一瞬の夏」で沢木さんやカシアスさんが追いかけた夢の続きに、僕たち読書も関わらせてもらえる事ができて、とても嬉しいできごとでした。





読書会で取り上げられた本。一つのお題から、これだけ多様な本がイメージされるのが、面白いです。