だいたい読書日記

元本の問屋(取次)に勤務も1/末に退社。ただ今、絶賛求職活動中。好きなものは読書、インプロ(即興劇、舞台経験あり)。その他、立ち食いそば、B級グルメ、落語、ベイスターズ、FC東京、謎解きなどに興味があります。基本自分の備忘録なので、好きな事を好きなように書いています。

日記。見込み違い。それでもカレーパンが食べられる時間はある。

朝から憂鬱です。多いとは思っていましたが、本来明後日作業になるはずのものまで、今日の作業分に回ってくるとは!いつもの3倍以上の作業量です。
けど、憂鬱になっているだけでは、仕事が終わらないのも事実。いつもよりも30分早く出社して出来るところから仕事を切り崩して行きます。大変だとは思っていますが、まだやりようはあるかなあと思います。そうじゃあなければ、とてもやりきれません(笑)

月末なので充分に考えられるケースだったのですが、自分の都合のいい材料だけで考えて考えて読み違えてしまいました。多分、午前中はほとんど余裕がないと思われるので、新発売で気軽に食べれるセブンイレブンの店で揚げてるカレーパンを買う。袋入りのカレーパンよりはかなり美味しいです。願わくば、ドーナツのようにフェードアウトしないしない事を祈りたいです。

m(_ _)m

憂鬱な事は憂鬱ですが、何もしなければいつまでも終わらない=家に帰れない。朝からフルスロットルで出来るところから順番に手を着けていきます。
彼らには全く罪はないのですが、9時~17時で早出も残業もない再雇用者に、完全な逆恨み。少し殺意さえ芽生えてしまい、気持ち対応にトゲが出てしまいます。
60過ぎでもアルバイト並の時給で働かされるのは、結構しんどいとは思います。日本の制度って、定年する前までは、ちょっと片寄った資本主義なのに、止めた瞬間、典型的な社会主義国家のようになってしまいます。
ソ連が歩んだ道を考えると、労働意欲を無くした大量の労働者を生み出すだけ。日本経済の将来が心配になります。やる気と能力のある定年退職者も結構な比率でいますし、その逆の若い人達もそれなりの割合でいます。
それを杓子定規で括る社会を、将来自分も相手にしないといけない。少し暗澹たる気持ちになります。

まあ、とりあえずは悲観的な未来よりも、目先の仕事をどうにかしなければならないんですけどねえ(苦笑)

最終的には、一時間押しで済んだのは、当初の見込みよりは、かなり結果。このささやかな幸運が、今夜申し込んだプレミアム商品券の結果にも反映される事を祈るばかりです。

日記。高田馬場・天ぷら「えびのや高田馬場店」。都内ブックオフ制覇の旅4「ブックオフ高田馬場北口店」。

朝から雨。雨そのものも憂鬱ですが、この梅雨が終わった後に訪れるであろう、地獄のような暑さを想像すると、更に憂鬱な気持ちになります。今の職場が冬はいいのですが、夏は必要以上に暑いというのもありますし……。

去年の末に変わった新しい作業場はもともとは、作業スペースとして使っていなかった場所を急ごしらえで営業の事務所にし、更に急ごしらえで今の我々の作業スペースにしたもの。

なので元々は人が作業する事を想定して造っていないので、びっくりする位、冷房の空気が入ってきません。総務の方たちもかなり頑張ってくれてはいるのですが、もとに問題がありすぎて、漸く来月の頭に配管の入れ替え作業を始められるよう。
下手をしたら今年の夏は、職場では扇風機だけで過ごさないといけなくなるかもしれません。ただ、ただ、祈るしかありません(泣)

仕事は、連日部数の大きな銘柄が搬入してくるので、今日、明日がふんばり所です。今日はそれさえ処理できれば、あとは大したことがないという読みでしたが、運良く朝一番で商品が入荷したので、ほぼ予想通りの展開に。午前中だけヘルプをもらい処理し、お陰でほぼ時間きっちりに終えることができました。よっしゃあ!

今日の夕飯は、久々に高田馬場界隈で。いくつか候補があったのですが、明太子食べ放題の誘惑に勝てず、結局は駅前のえびのやさんに。目当ては天ぷらよりも明太子なので、定食のごはん大盛でいきます。本音を言うと、お金を払うからご飯を食べ放題にしていただきたい!

明太子は予想通りの美味しさ。直営店で訳あり品なので、この値段ですが、普通はプラス500円位乗っかってもおかしくないクオリティです。天ぷらも揚げたてで、油っこくなく、なかなか悪くはないです。特に魚の天ぷらは中がホクホクで大変に美味しいです。

ただ唯一釈然としなかったのは、高いお金を払ってまで定食にするメリットが感じられなかった事。確かに天ぷらの品数は多いのですが、ご飯は丼ものの方が多いですし、ご飯の天つゆが明太子と明らかに合いそう。定食には入っていない卵天が入っているメニューがあり、その明太子卵かけご飯を見ていると、定食よりも美味そうにしか見えないのです。

今度来たときは、絶対に天丼の大盛頼も(笑)



えびのや定食 1100円+ご飯大盛 100円



博多ふくいちの食べ放題の明太子♪


食べ終わったあと芳林堂とブックオフを見て回る。経営権がアニメイトさんのグループに替わってから始めて行ったのですが、タレント本や専門書の充実ぶりは相変わらずで、少しホッとしました。

ブックオフさんも久しぶりです。ここは、他のチェーン店と違って、本の価値をきちんと見れる人が仕入れに入っている印象を受けます。早稲田に近いということもあり、品揃えもなかなか面白いですし、そういう面白い商品にはしっかりとしたそれなりの値札がついています。



稲川淳一さんのサイン本らしい書籍が、手頃な価格で売っていたので購入。

更に他のチェーン店とひと味違うのは、通常価格と100~200円コーナーの他に、330円コーナーがある事。そのなかから、いとうせいこうさんとみうらじゅんさんの「雑談藝」を買うことに。以前から欲しかった一冊なのですが、この価格ではなかなか売っていないのでありがたいです。

日記。NODA MAP「フェイクスピア」。ブックオフ都内制覇の旅3「ブックオフ国領店」。

昨日の夜、ワークショップをやったパブリックシアターの稽古場にスマホを忘れてしまう。幸い、帰宅途中に気がついた事と、劇場の方が忘れたスマホをきちんと管理して下さったので事なきを得ましたが、今日のNODA MAPの公演、電子チケットだったんです。一歩間違えたら入口で門前払いされていたかもしれません。我ながら危ないなあ。最近イージーなミスやポカがとても多い。年のせいにはしたくないけど、年のせいなのかもしれないとも思っています。

久々に商業演劇の舞台を観るので大変に楽しみにしていました。しかし、開演前に客席で大きな声でずっとしゃべり続けている人の多さには、さすがに閉口しました。気持ちが高ぶっているのは分かります。ただ、そこは会話を控えめに自分も周囲も安全な状態で観劇してもらいたいし、その程度は理性的であって欲しいものです。こういう人達がいると、緊急事態宣言中の観劇に規制が掛かっても声を大にして抗議できなくなる→長い目で見たら自分達の楽しみの時間が減ってしまう。その位の計算はしてもらいたいものです。

ただいざ始まってみれば、期待以上に面白い舞台で終わってみれば大満足。最後はスタンディングオベーションになったのも納得です。そして終わって帰るときには、観劇の余韻で開演前が嘘のように静かになったのがちょっと嬉しい。こういう時期だからこそ、いろいろあっても芝居で黙らせる、という感じがいつになくかっこ良かったですし、演劇の凄さや底力を見せてくれたと思います。野田秀樹さんやキャストの皆さんには本当にありがたい気持ちでいっぱいです。自分自身もいろいろと振り返ったり、考えたりしながら劇場をあとにしました。

肝心の内容の方ですが、前半ははっきりとしたストーリーではなく、断片的なシーンの次々に現れていき、野田さん得意の言葉遊びを使いながら、次のシーンへとジャンプしていき、それが少しずつ関係しあい、繋がっていきます。何十年もイタコになれないイタコ見習いと、その同級生。子供を探す若い父親。その父親の持っている箱を奪おうとする怪しい二人組の男達。そして、ピーターパンに似非シェイクスピアに、所々に挟まれるシェイクスピアの戯曲の断片。降霊したイタコって、他人になりきるという点では、確かに役者ととてもよく似ています。

一見するとただのオヤジギャグに見える言葉遊びが(笑)、気がつくとこうした新鮮な角度のモノの見方を提供してくれる所は、さすが野田秀樹さんだな、と思います。そして、アンサンブルを上手く活用してほぼ暗転することなく、場面がつながったり転換したりするので、テンポ良くシーンが動いていくのが、観ていてとても心地いいですし、目を離すことなく舞台を観ることができます。

どの役者さんもそれぞれの持ち味が出ていて良かったのですが、個人的には白石加代子さんと橋爪功さんのお二人が、本当に素晴らしい。お二人とも大ベテランですが、若い役者さんと一緒に所狭しと動き回っている運動量といい、役の演じ分けの反射神経の早さといい、年齢を全く感じさせない素晴しさ。役者さんの凄さというものを、これ以上ない位に感じさせてくれます。


後半は、様々な断片が少しずつ収束していきます。高橋一生さん演じる父親と、ナゼか橋詰功さんが演じている息子(!)。そして父親の持っている箱の謎を芯にして、他の断片を巻き込みながらストーリーが進んでいきます。箱の謎が明らかになった後のシーンの言葉の数々がとても力強くて、自分も前に進んでいこうという力や勇気を舞台からもらいました。

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せっかく久々に池袋西口に行ったので、終わった後は久々に「ミトヤ」さんに。相変わらずのボリュームと、仕事の丁寧さに、ホッと一息つかせてもらいました。

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なすと肉のしょうが焼き定食 860円。


帰りは、ブックオフの国領店に途中下車し、シリーズものを中心に物色。特に鬼平は5巻の次に6巻を飛ばして、7巻を半分位まで読んでしまったので、これで正しいルートに戻れるのでひと安心です。

チェーン店の中ではそれほど大きなお店ではありませんが、何気に本以外の商品が充実していていたり、時々掘出しものが見つかったりします。ラーメンズの他に落語のDVDも安かったので、何本か選んで買って帰りました。

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ブックオフ国領店。

日記。講談貞橘会@らくごカフェ。神保町・うどん「博多うどん酒場 官兵衛」。世田谷パブリックシアター演劇ワークショップ。

昼から、らくごカフェで一龍斎貞橘師匠の講談の会にお邪魔する。3月に日本演芸家連合浪曲と司会のレクチャー&デモンストレーションに参加させていただいて以来、落語だけでなく、講談や浪曲といった他の芸能にも興味が出てきた今日この頃です。

襲名公演で前座さんが出払っていることもあり、貞橘師匠とゲストの琴調師匠のお二人だけ。その影響もあり、貞橘師匠が乗った楽屋への階段が崩れるという、ヒャッとするアクシデントもありましたが、いい雰囲気で楽しませてもらいました。

前座さんがいない分は、師匠自らが前座時代の本を持参し三方原戦記を読むというサービスも。こういう形で演じていただけると、講談が講釈師が本を読むという演芸なんだなという事を、とても分かりやすく知ることができ、勉強になります。

そして、「本を読む」という見地で見た場合、面白かったのが、ラフカディオハーンの「怪談」から鈴の音を取り上げた事。ただの朗読ではなく、自然な形で講談の話になっているのが面白いとです。もしかしたら、講談の演目としてアレンジした元本のようなものがあるのかもしれません。

ゲストの琴調師匠も、緩急自在の語り口は流石のひと言。いつの間にか引き込まれていました。きさくなお人柄なのに芸人としてのオーラが半端ない。タダ者ではないと思いお調べしたら、自分がただ勉強不足なだけで、かなり凄い方だという事がよく分かりました。こういう方を目の当たりにしたり、自分では思いつきさえしない素晴らしいパフォーマンスを見ると、人間に生まれて本当に良かったなあ、と思えます。

(演目)
・一龍斎貞橘 三方原軍記 内藤三左衛門
・一龍斎貞橘 宮本武蔵傳 鍋蓋試合
宝井琴調 英一蝶と宝井其角
・一龍斎貞橘 鈴の音(ラフカディオハーン「怪談」より)

~仲入り~

・一龍斎貞橘 「赤穂義士銘々傳 中山安兵衛 高田馬場血銘」


まだ勉強中なので、こういう風に演目をアップしていただけると、大変に助かります。新宿末広亭さんとかも、やってもらえるととてもありがたいのですが……。


次の予定まで少し時間があるので、以前から行きたかった、三省堂本店さんの教科書売り場に。目的は読み物として、現代文の教科書を買う事です。

パラパラと捲っていると村上春樹さん、養老孟司さん、平田ヲリザさん、俵万智さんと、そうそうたるメンツが。亡くなった方だと、漱石、芥川、康成、中也……等々、とこれまた凄い。昔は、この人達の作品が一同に会すありがたみが微塵もわからなかったなあ。それが少しは分かるようになったのは、未熟ながらも成長は出来てるという事なんだろうなあ。

そんな、目移りする中から選んだのが、大修舘さんの高校の現代文2のテキストです。2日前まですっかり忘れていましたけど、教科書ってお店の規模とは関係なく取扱書店になっていないと販売できないし、三省堂さんのように店頭在庫があるお店はものすごく限られているのを忘れていました。なので神保町に行ったときに買っておかないと、次はいつ買えるか分かりませんからね。大久保にある教科書の販売所も、基本は5時で閉まってしまいますし。

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教科書を買ってひと安心した所で、夕方の4時前。漸く少し遅めの食事にすることにしますが、ランチ営業のみで3時で閉まってしまった所や、南海さんのように夕方5時から再開の店が多いです。時間に余裕がない割にいい店が、三茶行ってから食うかと思っていたら、手頃なうどん屋さんを見つけたので入ってみる事に。「博多うどん酒場 官兵衛」さん。博多うどんの定番のごぼう天やさつまあげのうどんとも迷ったのですが、オススメのもつにらうどんを注文。

お値段がやや張るなという第一印象だったのですが、それも納得できる美味しさ。うどんも汁も丁寧な仕事をしていて、上品ですがダシがしっかりしていて、かなり美味しいです。更に特筆すべきは、にらともつ。にらは火がギリギリ通っていてシャキシャキとした食感がしっかりと残っていて、柔らか目なうどんととても良く合います。もつも新鮮でプリップリ。にらともつはうどんの具なしでも、これだけで一品料理として充分に通用します。これを肴に飲んだら美味しいだろうなあ。

味はとてもいいのですが、一つだけ残念なのは、店構えと商圏の客層と、メニューがどうみてもアンマッチな事。ターゲットはもうワンランク客単価が低い客層なんだろうと思います。平日はサラリーマンの方もいますが、土日はお金を持っていたら本を買ってしまうような人達の多い、日本でも大変に貴重な街ですから。


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もつにらうどん 1100円+かしわおにぎり 180円



そして夕方からは、久しぶりに世田谷パブリックシアターでの演劇ワークショップ。オリンピックを強行する限りは、この時期のイベントは潰れる心配が少ないので、予定が立てやすくてとても助かります。もちろん自分でリスク管理をきちんとする、というのが大前提ですが。

今回は、最初に身体を動かしたり、頭をほぐしたりしながら、雨の日のエピソードから動きを作っていきます。そして、それをグループのみなさんの動きと組み合わせてダンスのようにしていきます。ちょうど主宰の安田雅弘さんの本を読んでいた事もあり、以前山の手事情社さんのワークショップで、それに近い事をやったのを思い出しました。ダンスの動きって、日常の動きを引き延ばしたり、変化させたりしたものが結構多かったりするんですよね。

グループの中の他の人の話を聞き、自分と違う価値観によって作られたものを、自分のそれと組み合わせてみる。そうすると、自分では思ってもいなかったものが出来上がります。そういう創作の過程を体感する事は、今のコロナ下ではもの凄く大切な事だとは思うのですが……。う~ん、でも理解してもらうのは、なかなか難しいです。


この本です。まだ読み始めたばかりですが、身体を客観的に見る、という事についてかなり深く掘り下げて書かれています。

日記。今週のカップヌードルアレンジ。今出来ることはできるだけ今やった方がいいのは分かってはいるのですが。

昨日の夜、漸くワクチンの予防接種の案内が来たのに、まだ中を開けていません。鞄の中に入っているので、今日中には空けないと。基礎疾患があるので、まずは掛かり付けの主治医の先生と相談です。プレミアム商品券の案内も目を通していないし、さっさと片付けないといけない事はできるうちにやっとかないと。ここ数年来、この性格のせいでさんざん失敗してきたので、出来るとこから改善していきたいです。ただの自己満足で書いてはいるのですが、この日記ももうちょっとアップする頻度を増やしたいです。


で、いきなり話は変わって、今週のカップヌードル

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チリトマ味×うまい棒コンポタ

うまい棒のチーズとカレー味の組み合わせが美味しいというウェブの記事を読んで、試してみましたが、確かに全体の味がまろやかになって美味しかったです。なので、それに丸のりしてコンポタ味とチリトマの組み合わせで試してみます。いいものは著作権侵害にならない範囲でパクらせていただく。才能を持たざるものが生き延びるためには大切な事です。

これもカレー×チーズほどではありませんが、ポタージュ味の甘味がチリトマの酸味と辛味と絡んで、全体の味がまろやかになってはいます。なかなかいいのではないでしょうか。


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カレー味×ポテトサラダ(6/21)

カレーにじゃがいも、カレーにマヨネーズはやはり鉄板の相性です。予想通りの安定の美味しさです。ただ効果や味はカレーライスにポテサラをトッピングするのと、全く同じですので意外性には欠けます。


仕事の方は、終日働くにはやや物足りず、半休を取るには多すぎる、という何とも微妙な作業量。いい機会だったのて、少しだけ溜まっていた急ぎでない事務仕事をある程度まで片づけて、ちょっとすっきりとした気分になります。やれる事はできる時にやっとかないとが、実践出来たので、今日は良しとしよう。林修先生の話をもっと早くちゃんと耳を傾けていたらなあ。何冊か著書も拝見しているのですが、ちっとも実になっていない(笑)


たとえばこの本とか。林先生の名誉のために言っておきますが、結構ためになる事が書かれています。今回は、完全に受けとる側の問題です。


帰りの電車で東直子さんの「水銀灯が消えるまで」を読み終える。もともと歌人の東さんが始めて小説を書いた作品。廃園寸前の遊園地を中心に緩い連作小説になっています。そんな行き場のないただ潰れるのを待つばかりの遊園地の周りに集うのは、なぜか行き場をなくした人ばかり。そのせいもあり読んでいると、何か地面からほんの少しだけ離れて浮いている、そんな不思議な感覚を抱いてしまいます。小説家としても素晴らしい物語を紡ぐ東さんですが、始めての作品という事もあり、まだストーリーや人物の感情よりも、描写や言葉選びの妙が小説の推進力になっているように見受けられます。

東さんの作品を読んでいて感じる、知らないうちに見たことのないとんでもない場所に連れていかれるペテン師(自分の中ではすごい誉め言葉です)な感じは、この作品ではまだあまり登場しません。ただ、登場する人物や描写を見ているだけで充分に楽しめる作品ではあります。

日記②。都内ブックオフ制覇の旅2「新宿靖国通り店」。6月中席・落語芸術協会真打昇進披露興業@新宿末広亭。

小田急線で新宿まで行き、歩いて新宿末広亭まで。途中で雨がまた降り始めてきて、始めて、B&Bさんに傘を忘れてしまった事に気がつく。我ながら、本当にアホだ~。それでも本降りにはなっていないのが救いです。末広亭に着いたのが、14時40分ごろ。整理券は51番。もうちょっと前かとおもっていたのですが、楽日とはいえ甘くないなあ~。それでも、伯山師匠が出演されていた月曜に比べたらかなりマシです。これなら何とかなりそうです。

夜席の開場時間まで少し時間があったので、ブックオフの新宿靖国通り店に。場所柄もあってか、堅めの本と子供向けの本が多目に置いているようです。中公やちくまや岩波、講談社文芸文庫が100円コーナーにもそれなりにあるのが、何気に嬉しいです。(この辺は普通の古本屋に行っても、それなりの値段がする事が多い)

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その中の棚から、岩波文庫の「墨東綺譚」と講談社文芸文庫の「心に残る人々」を購入。荷風の「墨東綺譚」は前々から読みたいと思っていたので、これを機会に買ってみます。ただ、今日も読みたい本が散々増えてしまったので、手をつけれるのはいつのことやらですが(笑)



ブックオフに行って、末広亭に戻ったら、結構人も集まってきて、開場時間も近づいてきたので、待っていることに。成金のメンバーの活躍や渋谷らくごの影響もあってか、寄席って思ったよりも若い人や女性の方も多いんだなあ、と新鮮な感覚に。日曜という事はあるのかもしれませんが、ジジババリーマンが8割方占める紀伊国屋寄席とは偉い違いです。そして、こちらの方が遥かにスタッフの方の言うことをキチンと聞いている(笑)

そう、偉そうな事を言っていますが、実は新宿末広亭に入るのは始めて。池袋演芸場は何度か行った事があるのですが、そことは建物の風格からしてえらい違いです(笑)

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緊急事態宣言でケチがついた仕切り直しという事と、お祭り興業の楽日という事もあり、客席も高座もすごい盛りあがり。どうしようか悩んだのですが、行って大正解です。

今日一番の出来ごとは、山手線の停電に巻き込まれて、昇吉さんが電車に閉じ込められた上に、昇太師匠も遅れるというアクシデント。果たしてお二人とも口上に間に合うのか?楽屋での緊迫感が高座に伝染し、客席にも伝わってきます。お二人や急きょ出番が変更になった鶴光師匠は大変だったとは思いますが、客席から見たら、これはこれで美味しいシチュエーションで、逆に大盛り上りです。

幸いにも、お二人とも間に合ったのですが、遅れた事よりも、二つ目落語家=貧乏のハズが、昇吉師匠のお住まいが広尾という事に何気に衝撃を受ける自分。さすが東大卒!

お目当ての羽光師匠は、今日はトリで「はてなの茶碗」。上方の古典落後です。難しい大ネタをしっかり演じていて、なかなかの聞き応えでした。とにかく楽しい高座でしたし、めでたい席に立ち会わせてもらうと、こちらまで明るさやエネルギーのお裾分けをいただいたような気分になります。

(演目)
・桂南太郎 「小噺」(開口一番)
春風亭昇也 「壺算」
できたくん 発泡スチロール芸
昔昔亭A太郎罪と罰
笑福亭里光 「二人癖」
北見伸 奇術
三遊亭小笑 「牛ほめ」
三遊亭笑遊 「片棒」
エルシャラカーニ 漫才
笑福亭鶴光紀州
春風亭昇太 「ストレスの海」

~仲入り~

・口上(小笑、昇々、昇吉、羽光、笑遊、鶴光、昇太、桂あやめ
・春風亭昇々 「誰にでも青春~番外編」
春風亭昇吉 「隣の客」
・ボンボンブラザース 曲芸
笑福亭羽光はてなの茶碗」¨

※主催者の発表はなかったので、演目はメモを参考にしてこちらで分かる範囲で調べたものです。なので、間違えてたらすみません。

日記①。「居場所はどこにある?」@東京芸術大学美術館陳列館。文学の教室「侍女の物語 その3」@本屋B&B。下北沢・カレー「ADDA」。

ちょっと慌ただしくなるのは覚悟で、少し早く出かけて、根津から東京藝術大の美術館で、「居場所はどこにある?」という展覧会を見に行く。

日常見ているものの角度が変わると、ゴミだと思っていたものが宝物になったり、知らず知らずのうちに自分が社会の加害者の側に立っている場合がある事に気づかされたりします。展示全体としてみると、少し言葉が過剰かなという気がしましたが、考えようによっては、自分の言葉が相手にきちんと届いているのかが、今まで以上にわかりづらくなっている、今の世相を反映しているのかなという気もしました。

個人的には、松田修さんの、スナック「太平洋」のママが自らの生涯を語った映像作品と、室井悠輔さんの「王国をつくりなさい」という夢のお告げを受けて作った箱庭のような作品がとても面白かったです。かなり展示数を絞ってくれたので、思ったよりも一点ずつしっかり見れたのも嬉しかったです。

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このインパクトのあるポスターとタイトルに惹かれて、見に行く事に。

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もう少しいたかったのですが、適度な所で切り上げて、来た道を根津に戻ります。行きに気になつて仕方のなかった、大黒屋さんという手焼きのおせんべい屋さんで、せんべいを買ってから、千代田線に乗り込みます。

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素朴ですけど、お米の味がしっかりと感じられます。お店の奥で、おせんべいを焼いているのも見れます。



移動して、昼からは下北沢の本屋B&Bさんで、文学の教室。アトウッドの「侍女の物語」の3回目、最終回です。今回は、35年後に出た続編「誓願」との比較、ネタバレにならない範囲での作品の紹介がメイン。小説家として35年間続けてきて、ストーリーテリングが上手くなり、文体が洗練される。それが、侍女の物語と比較した時の、読みごたえの少なさ、物足りなさを感じる読者を増やす原因になっているというのは、わかるなあと思いつつも、何ともいえない皮肉だなあとも思います。

誓願」は「侍女の物語」と比べて、格段に読みやすくて、トーンも明るくなっているそう。頑張って読んでみようかなあ。「獄中シェイクスピア劇団」も、「誓願」同様に鴻巣友季子さんが翻訳されているようのので、そそられるものがあるんですよね。読みたい本が増えるのは嬉しいてすけど、悩ましいです。本も少し整理せんとなあ。なお、来月からの文学の教室は三ヶ月かけて、佐藤正午さんの「鳩の撃退法」を読むそう。また、歯応えがありすぎるぐらい、ありそうです(笑)



終わった後は、慌ただしく昼食に。B&Bさん同じボーナストラック内に入っている、カレー屋ADDAさんに。チキンをベースにしたスパイスカレーに、日替わりのカレーが二種類の中から一つついてきます。自分は、しめじの出汁カレーを選択。

単独で食べても充分に美味しいのですが、ここのカレーは混ぜてなんぼ。食べたいのをぐっとこらえて、まぜまぜしていきます。こうするとカドがあって個性がバラバラだった食材が、カレーでまとまってまろやかにかつ味が豊かに膨らんでいくのが、何とも不思議です。ああ、食べたい!けど、混ぜたい!何ともいえず悩ましいカレーです。

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ADDAプレート 1200円+ごはん大盛 100円

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混ぜれば混ぜれるほど美味しくなります。



………で、食べ終わってお腹が一杯になったのが、午後の2時過ぎ。この日はまだ続きます。なのでこの辺で、日記を二つに分けます。