自分では結構余裕を持って出掛けた、と思っていたのですが、国際展示場に着いた頃には本当にギリギリ。
前回の二時間待ちで懲りて、今回はお金にモノを言わせての早期入場。いつもより一時間早く入れるんでした。それなのにいつも通りの感覚でいたら、そりゃあそうなりますわ。
それでも早期入場とは言っても、開場から30分位は掛かるかなあと覚悟していたのですが、開場の11時から5分後位にはすでに入場できてしまい、あまりの呆気なさにびっくりしてしまいました。
カタログ同封の入場券で入ると、当日清算の人間とほぼ同じ扱いになるという問題を筆頭に、前回問題だらけだった部分が、見事なまでに改善されています。
主催者サイドはともかく、ここの運営スタッフの方は本当に優秀な方が多いなあと、素直に感心してしまいます。
早期入場の一時間を利用して、みなさんお目当てのブースの新作ゲームを目指すのが普通のよう。
しかし特に目的もなく、ただ並びたくなかった自分は、何か面白いものがないかブラブラして過ごします。
そうしていると、 前回お世話になった「カタン」のブースで面白いものを発見。
山形県の高校生達が自作した「山形版カタン」だそうです。今回は、メーカーさんのご厚意でゲームマーケットで展示するだけでなく、試遊もできる事になったそう。
大変に面白そうだったので、遊ばせてもらう事に。何の違和感もなくおっさんが女子高生と遊べるなんて、ボードゲームって凄い!
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山形版カタン。女子高生チームが作った市内の「七日町」バージョン。因みに男子チームは「蔵王」バージョンだそう。
山形版のカードや駒が通常のカタンの何に当たるのか?それを理解するまでに少し時間は掛かりました。けど、そこを通り過ぎると、やはりベースはカタン。やっぱり面白いです。
開拓地の替りに登場する、町内の「お店」カードは、QRコードがついていて店舗情報が見れます。
行った事のないはずの山形が、身近に感じられる仕掛けが随所に施されているのがいいですね。
その後、タンブルウィードで謎解きのゲームを買い、ブックオフで中古のゲームを物色していたら、その時点で、結構満足してしまうことに。
あとは、あちこちをブラブラ歩きながら、面白そうなゲームを物色して、二時間位したら会場を後にする事に。
前回だったら、ただひたすら待っていた時間が、試遊もできて買い物も出来たのですから、言うことなしです。次の予定があったので、今回は嵩張らないものを中心に購入しました。
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今回の戦果
次の予定は夜なので、一旦家に帰ろうかとも思いました。ただ、一度腰が落ち着くと、もうそれっきりになりそうだったのが怖くて、断念する事に。
とりあえずは、都バスで東京駅まで出て、降りた場所からすぐにある、インターメディアテクに行き、その後、遅めの昼食を採る事にします。
インターメディアテクは東大の研究資料と郵政関連の資料がメインで展示されている博物館。
以前お邪魔した時には、大量の資料、特に東大の標本が、説明ゼロでひたすら陳列されていたのですが、少しずつそれが整理ができている模様。博物館としてかなり分かりやすくなったなあ、という印象です。
無造作に置かれているとはいえ、貴重なものが多く、おまけに無料でアクセスも大変にいい。本来持っている博物館としてのポテンシャルはとても高いのに、それを活かしきれていないのが、とても勿体ないなあ、と思っていたのですよね。
まあ、それも分からないでもないです。
資料によっては、なぜこんなモノを収集したのか、研究者本人にしか分からないと思われるものも結構あります。中には、そのご本人が存命していないケースもありますし。
研究者としては立派かもしれませんが、社会人としては、どう考えてもこじらせたとしか思えない人達。そんな彼らが、どんな思いでその資料を集めたのか?そんな事を想像すると、より楽しく視る事が出来ました。
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この博物館の入っているKITTEビルは、東京駅のビュースポットとしても、とってもいい感じです。
東京駅を出たあとは、昼食を採り、その後小田急線の東北沢駅で下車。今、話題になっている再開発で誕生した商業施設をブラブラする。学校帰りの学生さんも多いのか、かなりの混雑具合いです。
最近オープンしたミカンにある、ツタヤさんのブックストアも見てみることに。2階、3階のツーフロアの店舗。
2階は、ブックラウンジのスペースを無理に確保しようとしたため、書店さんの動線にかなり無理が出てしまっている印象。品揃えも、児童書以外はあまり個性が感じられません。
これだったら、三省堂さんや、ヴィレッジヴァンガードさんや、B&Bさんに行くよなあと思い、あまり期待せずに3階に行ったら、ヨシタケシンスケさんとのコラボ企画や、原画展、フェアなどがあり、かなり面白い!
資格関係の書籍が妙に充実しているのも、お店のいい個性になっています。2階はビジネスに徹して、3階でお店の本当にやりたい事をやる、という戦略だとしたら、これからが楽しみな書店さんです。
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こんな所で、大喜利印刷と再会できるなんて……。
夜は、タウンホールで2年ぶりの「文芸漫談」。中断前に延期になった、漱石の「それから」がそのまま今回のお題です。
とにかく再開してくれて嬉しい!
\(^_^)/
久々ということもあり、いつも以上に押していましたが(笑)、面白さと読みの深さは相変わらず。
漱石が本格的な悲劇の体裁を使って書いて、随所に代助の首がギロチンではねられるという事が暗示されているそう。そう思って流し読みしていくと、ちょっと違和感を感じていただけの場面が、急に怖さが生々しく感じますし、三千代がまるで死神のようにさえ見えてきます。
そこを入り口に、いろいろな読み方が出来る作品だと思います。漫談を聴きながら強く感じたのは、知性や理性の脆さ。
人間らしく生きるにはとても大切なものに関わらず、金の力に負け、家の力に負け、恋愛感情の力にも負けてしまいます。
笑わせてもらいながらも、では、一体何のために自分は学ぶのか?そんな事を考えながら見させていただきました。