だいたい読書日記

元本の問屋(取次)に勤務も1/末に退社。ただ今、絶賛求職活動中。好きなものは読書、インプロ(即興劇、舞台経験あり)。その他、立ち食いそば、B級グルメ、落語、ベイスターズ、FC東京、謎解きなどに興味があります。基本自分の備忘録なので、好きな事を好きなように書いています。

日記。規格外。言い訳、

納品したはずの商品が、どこに搬入したのかが分からず、半日くらいあちこちを探す。たま~に、こういう事が、タネも仕掛けもないのに起こります。(原因や理由はあるのですが)

全てがシステム化できれば、作業効率や精度をあげることができますが、本という商材の性質上、なかなかそうはならない一面も。

①本が代用品が効きにくい、という一面。例えば、歯ブラシなんかは、もし普段使っているものが、品切になっても、別の商品で代用可能ですが、本の場合はなかなかそうはなりにくいです。例えば「吾輩は猫である」がないから、替わりに「走れメロス」でいいという方は、歯ブラシと比較すると遥かに少ないと思われます。なので、取扱い品目が他の業界よりかなり多くなり、作業がより煩雑になります。

②本の装丁が比較的自由であること。基本、本は「紙に情報が書かれたもの」です。ただそれ以外は、大きさ、厚さ、デザインはまちまちですし、作り手の裁量に委ねられます。大きさも一応は、「判型」という比較的汎用性の高い規格はあるにはあります。ただ、文庫一つとっても、ハヤカワ文庫は大きめですし、反対に幻冬舎文庫は小さかったりしたりします。一読者としては、本の自由さというのは、とてもありがたいですし、本の持つ多様さがとても好きです。

しかし、物流面を考えると、多様さは大きな足枷になります。物流のシステム化とは言い方を変えると、規格化することにより、商品の迅速かつ大量の出荷を可能にすること。そして、規格にあわないものは、システム化から除外され、別途での出荷作業を行うケースがほとんどです。それは、発送の遅延や事故のリスクが増大する一因になってしまいます。


今回の事件とは全く関係がないのですが、例えば、医学書で毎年刊行される「イヤーノート」という書籍があります。この本は、内科外科の多くの疾患の最新情報が、コンパクトに掲載されていて、医療関係者が何の疾患かを調べるときに、真っ先に当たる本と言われています。特に開業医の先生にとっては必携ともいえる書籍です。それだけでなく、デザイン的にもとても優れていて、以前、グッドデザイン賞にも輝いた本でもあります。

商品としては、とても素晴らしいのですが、これを物流ベースに乗せようとすると、頭の痛い事だらけに。トータルすると5000ページにも届きそうなページ数(超えているかもしれないです)、4.5キロの重さ。当然、通常の文芸書を入れるサイズの箱には入りませんし、1冊なら大きな問題はありませんが、大口で出荷という事になると、腰に大きな負担が掛かる事になります。

おまけに項目ごとに分冊形式になっているため、ケースと本書の間の隙間が、辞典とは比較にならない位大きくなっています。先生方にとっては、疾患を調べたい時に、本の全てを取り出さなくてもすぐに当たる事ができるし、現場に持ち運びができる、というとても理にかなった作りになっています。ただ、これを運ぶとなると、ケースや中身が破損しないためには、かなりの工夫が必要になってきます。


この本はすごく極端な例ですが、デザイン的に工夫を凝らして、規格外になればなるほど、物流ベースに乗せるとなると、コストもリスクも掛かっていきます。どこで折り合いをつけたらいいのか。出版社さんの編集と営業と倉庫との間でも、おそらくいろいろなやり取りが行われているんだろうなあ、と思います。

そして、手間が掛かろうと、時には商品の行方を見失おうと、問題なく読者に届けるのがプロ!見つからなかった商品も、四人がかりで、可能性のある所を虱潰しに当り、何とか見つけます。取引先に届ける前に解決できれば問題なし!プロレスと一緒で、ファイブカウント入る前に、何とかすれば反則負けにはなりません(笑)

イヤーノート 2021 内科・外科編

イヤーノート 2021 内科・外科編

  • 発売日: 2020/03/06
  • メディア: 単行本



ヒヤッとしたとこもありましたが、今日も無事に終わった~。ちょっと疲れたし、何かスカッとするもんが食べたいなあ、と思いながら池袋を歩いていると、蒙古タンメン中本が待ち時間なしで座れそう。なので、ひと汗かく事に。

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冷し五目味噌+定食(小ライスと小辛マーボー)
1090円

唐辛子の強い辛味だけでごまかさずに、野菜のうま味もきちんと立っています。相変わらずのうま辛さでいい感じで、汗も出て少しすっきりした気分に。けど、なんだろう、何かいつもよりほんのちょっとだけ物足りない、そんな感じは。食しながら、辺りを見回していると、気付く。

そうか、足りないのは熱気か~!普段なら行列もできる満員の場所で、「辛いものをくってやる!」という、お客さん達のギラギラとした感じ。辛いもの界のメジャーリーガー達が揃った場所でのラーメンとの真剣勝負と飛び散る汗。ただのちょっと辛いもの好きの自分は、中本さんの中ではあまり辛くない、辛味カーストでは最下層に属するつけ麺を食べながら(もちろんそれでも一般のお店では激辛にあたります)、そんなそこに集う人達の「熱さ」を見るのが好きなんだなあ、という事に気がつきました。なので、早く、日常のお店の熱気が戻ることができる日を祈っています。