だいたい読書日記

元本の問屋(取次)に勤務も1/末に退社。ただ今、絶賛求職活動中。好きなものは読書、インプロ(即興劇、舞台経験あり)。その他、立ち食いそば、B級グルメ、落語、ベイスターズ、FC東京、謎解きなどに興味があります。基本自分の備忘録なので、好きな事を好きなように書いています。

日記。三軒茶屋 かしわや。演劇ワークショップ。

非常事態宣言の解除後、人の流れが一気に日常に戻り、エリアや時間帯によっては、宣言前よりも混雑がひどくなった場所も出だしてきました。最初の頃は、その結果発生した人混みの無防備さと無頓着さに、恐怖さえ覚えてました。けど、半月経ってみると、まあ大丈夫かなあ、という感覚に。人の感覚というのは、意識しないとどこかで慣れてしまうものですし、その慣れた状態を維持しようとしたがるもの。ホメオスタシスでしたっけ?確か。安易に流されたくない時や、変化を求めている時には、より気を付けんといかんなあ、と思います。

そういう訳もありまして、今日は久しぶりに、世田谷パブリックシアターでの演劇ワークショップです。3.11の時にも、東京では火をほとんど消すことなく上演し続けて、僕たちに大きな力をくれた演劇が、コロナウィルスで存在そのものを破壊されかねないほどのレベルのダメージを食らうことになるとは、2011年の時には、夢にも思いませんでした。共演者とどう距離を取って、何を語ったらいいのか?緊急事態宣言中は、自分が何故演劇やインプロをしているのかの意味がよく分からなくなり、自問自答している時間が結構ありました。今回お邪魔したのも、その手掛かりが欲しかった、という理由が一番大きかったんじゃないでしょうか。


少し、早めに三茶に着くと、まずは腹ごしらえ。世田谷線の駅のすぐ近くにある、立ち食いそば屋「かしわや」さんに行きます。店頭で売っている今川焼が美味しくて、劇場にくるたびにちょくちょく買っていたんで、前々から、中はどうなのか気になっていたんですよねえ。

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肉そば 520円。

味付けは甘めですけど、さっぱりした肉と玉ねぎが、そばつゆと合わさると、実にいいですねえ。味だけでなく、そばと肉と玉ねぎ、そしてごぼうのシャキシャキとした食感が面白いですし、食べごたえもあります。


そして、パブリックシアターの稽古場に行き、久しぶりのワークショップです。うがい、手洗いは、いつも以上に念入りに。そして、室内履きの靴をしっかりと履いてから、中に入ります。

ワークショップの方は、きちんとソーシャルディスタンスを守った形で進行。自己紹介と、しり取りや連想など簡単なアップをしたあとに、本チャンのワークに。非常事態宣言中の1日をマイムで演じた後に、紙に、非常事態宣言中に食べたもの、増えたり減ったりしたもの、考えた事などを紙に書いたあとに、それを編集したものを、音楽に乗せて一人一人発表していきます。

みなさんの話を聞いていると、一人一人考えていたことや、見ていた事の多様さに驚かされます。本当に楽しかったですし、いい刺激を受けました。やっぱり自分一人で考えている事なんて、たかがしれているなあ、と改めて思いましたし、制約の中から、もしかしたら新しい表現の在りかたを見つけられるかもしれない、という希望も少しだけ感じる事ができました。

帰りの電車で読んだのが、鴻上尚史さんの「あなたの魅力を演出するちょっとしたヒント」演劇ワークショップの後に、感情や声や体について考えるというのは、我ながらなかなか効果的だと思いますし、書いていることが、身体に染みていくように感じます。社会人になると、直情的で単純なせいか、「感情を表に出すな」と言われることがとても嫌だったのですが、インプロや演劇をやって「感情を出さないっていう事は、人間の多様さや豊かさを奪う不自然な事で、いかにコントロールするかなんだな」という思うようになり、かなり生きやすくなった事。それを、この本を読んでいると思い出しました。そして、自分が考えていたことが、かなり整理されてわかりやすく書かれているな、とも。逆に、普段、お芝居とかに接することのない方に、ぜひ読んでもらいたいですね。