だいたい読書日記

元本の問屋(取次)に勤務も1/末に退社。ただ今、絶賛求職活動中。好きなものは読書、インプロ(即興劇、舞台経験あり)。その他、立ち食いそば、B級グルメ、落語、ベイスターズ、FC東京、謎解きなどに興味があります。基本自分の備忘録なので、好きな事を好きなように書いています。

日記。遊雀師匠、小痴楽師匠二人会。

お盆休み、心の方はかなりリフレッシュさせてもらったのですが、暑さのせいか出歩いた代償か、身体の方が、全く休まった気がしません。
疲れが溜まっているのは人間だけではなく、電車もどうやらそうらしいです。大して混んでいるようにも見えないのに、社内混雑で電車が遅れていますというアナウンスが。
多少の遅れは全く問題ないのですが、何でもかんでも「社内混雑」を理由にするのはいかがなものかなあとは思います。

おそらく鉄道会社サイドの運行面以外の理由で遅れていますという事が言いたいのだとは思いますが。

けど、確かに、じゃあその事をどうやって伝えたらいいのかと考えると難しい。本当は「こちらの責任ではないのですが、遅れています」と言えればいいのですが、そうなると、遅れた理由を明示しない限りは、責任を人のせいにしているようで感じが悪いですし、まあ真相は別にしても、そういう言い回しにしておくのが、当たりさわりがないといえばないのでしょうか。
う~ん、とりとめも見も蓋もないなあ。この頭の回らなさも暑さのせいなのでしょうか。


14日に国立演芸場に行ったのに刺激を受けて、広瀬和生さんの「21世紀落語史」を読んでいます。表紙が噺家さんでなく広瀬さんなのに、内容がガチガチの落語本というのが、逆にインパクトがあります。それだけ落語の紹介者という顔がファンの間でも浸透したという事の裏返しなのでしょうが。
僕も、広瀬さんの存在がなければ、一之輔師匠の口座を二つ目の時から聴く事はまずなかったでしょうし、こしら師匠や萬橘師匠の面白さにまだ気がついていなかったでしょうから。
新しい噺家さんを聞きに行く時にはとても参考にさせていただいています。

広瀬さんがとてもありがたいのは、噺家さんを選ぶ基準の中で「面白い」という事をとても大切にされていること。あまり技術論に走ってしまうと、間口の狭いマニアックな話しになってしまい、あまり落語に詳しくない方達をそれだけで遠ざけてしまうので、これはとても賢明な判断だと思います。
それに、僕も少しだけ演劇をやっているので良くわかるのですが、エンタメの世界では「技術的にはそれなりに優れてはいるけど、面白くない」という事が、結構多いですし、それでいいと思っている方達が一定数います。
残念ですが。そういう高座を見てしまって、落語をつまらないと感じてしまったビギナーの方は、おそらく面白くないのを演者自身のせいではなく、落語そのもののせいにしてしまいます。
それは、見に行った方にとっても、落語家にとって大変にも不幸な事だと思います。広瀬さんなどの活躍は、間違いなくそうした事を減らしてくれたと思います。


そして今日は、仕事が終わった後は、道楽亭での三遊亭遊雀師匠と柳亭小痴落師匠の二人会。本当は深川江戸資料館のホールで開催する予定だったのですが延期になって道楽亭でオンライン配信になってしまったものです。

今回は特別に先着順に10数名、その配信の場所に観客として入れていただけることになったのを、運良く観る事が出来ました。コロナがあるので少し短めになるのかなと思ったら、いつも以上にたっぷり二時間半以上、それもどれも濃ゆい噺ばかりやっていただいて本当に感謝です。小痴落師匠の噺をナマで聞くのは始めてだったのですが、若手離れした語り口の良さに、聞き入ってしまいました。14日の国立演芸場での文治師匠の「ラーメン屋」という新作落語に感動してしまった自分にとっては、ここでこの元師弟のお二人の噺を聞けたのは、何かの縁なんだろうと思います。
そうか、このお二人、師匠に破門されるという噺家にとっては出世に一番影響する事態になっても、落語をあきらめなかった人達なんですよねえ。こうやって楽しい会をナマで観れたのも、お二人が落語を続けてくれたからだと考えると、その事に感謝したくなった1日でした。まあ、お二人からみたら迷惑千万でしょうけど。


(演目)
遊雀師匠 「お化け長屋」
・小痴楽師匠「崇徳院

仲入り

・小痴楽師匠「磯の鮑」
遊雀師匠 「包丁」