だいたい読書日記

元本の問屋(取次)に勤務も1/末に退社。ただ今、絶賛求職活動中。好きなものは読書、インプロ(即興劇、舞台経験あり)。その他、立ち食いそば、B級グルメ、落語、ベイスターズ、FC東京、謎解きなどに興味があります。基本自分の備忘録なので、好きな事を好きなように書いています。

日記その①。東京夜行「BLACK OUT」@三鷹市芸術文化センター。

久々のナマの観劇。外はどうしようもなく暑いですし、体調も決していいとは言えませんが、朝からワクワクしています。問題は直線距離の割にアクセスがいいとはいえない、三鷹市芸術文化センターまでどう行くのか?三鷹経由で行くのか、それとも調布からバスで行くのか?悩んだ結果、行きは調布から向かい、帰りはとりあえず三鷹まで行ってあとは体力と時間と相談に応じて、臨機応変に対応する。そうすることにします。

入場する時には、検温して、消毒して、靴の裏側の汚れをきちんと拭き取る。動線はなるべく一列にして、チケットの半券やチラシの受取りは各自でやってもらう。舞台と客席の距離は2メートル以上、席は一列空ける等。コロナ対策の打てる手はキチンと打ってもらえていて、安心して舞台を楽しんでもらおうという主催者の意志がきちんと感じられて、かなり好感が持てます。民間と公共の差はありますが、サンモールスタジオで大量の感染者を出した関係者達は、ここの対応をみて自分達とどこが違っているのか学んで欲しいとさえ思います。

感染症対策もとても良くできていたと思いますが、それ以上に良かったのが、舞台本編の出来。ある商業演劇の舞台がコロナウィルスに巻き込まれて、内容の変更や中止を余儀なくされていく姿を、演出助手の目線をメインに描いている作品。演劇に携わっている人達から見たら、彼らのような状況がおそらく日常で、恐らく稽古さえできなかった方達も多かったのではないかと思います。自然現象なのでどこにも怒りやもどかしさや悔しさをぶつけられず、ただただ自分の無力さだけを突きつけられる。そんな彼らの中の割りきれない、いろいろな気持ちが、緊急事態宣言中の自分達とリンクしてしまい、観ていると、さまざまな感情が次から次へと自分の中から引きずり出されていきます。それがとてもほろ苦いのですが、同時にとても心地いいです。

3.11の時、東京ではその翌日とか翌々日とかから舞台が再開されていて、「一人でも見に来ていただければ上演します」という案内に、演劇関係者のみなさんの心意気や、演劇そのものの持つ力の凄さをとても強く感じました。その時には未曾有の危機と言われましたが、その時と比べても演劇を取り巻く状況はかなり厳しいと言わざるを得ません。それでも、この作品のようにその厳しさときちんと向かい合い、自問自答しつづけていれば、演劇というとても面倒だけど素敵なパフォーマンスにも、希望が見えてくるのではないのか。それを信じたい気持ちになる作品だったと思います。久しぶりに観た舞台がこの作品で本当に良かったです。

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作品のチラシ。

ちょっと長くなったので、日記を二つに分けます。