だいたい読書日記

元本の問屋(取次)に勤務も1/末に退社。ただ今、絶賛求職活動中。好きなものは読書、インプロ(即興劇、舞台経験あり)。その他、立ち食いそば、B級グルメ、落語、ベイスターズ、FC東京、謎解きなどに興味があります。基本自分の備忘録なので、好きな事を好きなように書いています。

日記。北とぴあ若手落語家競演会。

本当はもう少し早く家を出て、古河庭園か飛鳥山に行くつもりだったのですが、起きれず。仕方ないので、朝食兼昼食を食べて王子にある、ほくとぴあに行きます。

今日は、若手落語家競演会。若手の二つ目さん6人の中から、お客さんが審査員となって大賞を決めるというもの。何でも、30回以上続いていて、過去の大賞受賞者には、三三、たい平、彦いち、一之輔各師匠方を始めとした売れっ子を多数輩出しているという、由緒正しい会だそうです。

一つずつ席を空け、ロビーでは会話や食事を禁止にするなど、安全対策をかなり入念に行っているとはいえ、こういう会が開催されるのはかなり貴重な事ではないでしょうか。
普通なら演者が多くて集計が入る分、仲入りも長めにかつ複数回取らないといけませんし、投票をどうするかという問題もありますので、中止になる催しだと思います。それをあえて開催した所に、主催者のこの会への思い入れの深さを感じます。

自分も審査員の一員なのでいつも以上に真剣に見ようと思うのですが、それがなかなか長続きしないのが、自分の哀しい所(笑)それでも終わった後はいつの落語会とは比較にならない位に疲れました。

僕は一蔵さんとわん丈さんと悩んで一蔵さんに入れたのですが、結局大賞はわん丈さん。投票した一蔵さんは惜しくも2着でした。
今回は、それぞれカラーが違った個性的な噺家さんが多くて、疲れたながらも見ていて楽しかったです。今回は緊張でしくじってしまった感のある明楽さんですが、ローテンション気味の怪しさ全開のキャラは、個人的には大変にツボだったので、どこかで聴きに行けたらな、と思います。

それと、順位づけされてしたりされたりしてしまう、普通の落語会とどこか違う緊迫した空気の中で、それをほぐすように飄飄と演じて爆笑を取っていく。一朝師匠の凄みを今回は強く感じました。
ただのプレゼンターのように見えて、この位置にいる師匠たちって、若手たちがウケても滑っても結構大変な役どころだとは思うんですよねえ。それを、さらっとこなしてしまう所は、流石、彼らの師匠にあたる人達ですし、こういう所に落語という芸能の底力を感じます。

(演目)
前座 春風亭貫いち 「からぬけ」

① 春風亭一蔵 「佐野山」
② 柳亭明楽 「粗忽の釘
③ 三遊亭わん丈 「がまの油」

仲入り

④ 林家扇兵衛 「ぐつぐつ」
⑤ 桂翔丸 「熊の皮」
⑥ 瀧川鯉丸 「片棒」

仲入り

ゲスト 春風亭一朝 「蛙茶番」

※競演順は、当日の抽選で決まったものです。


落語会が終わったときには軽く5時を過ぎてしまう。駒込方面行きのコミュニティバスに乗っていると、博物館のある飛鳥山や古河庭園を通過するが、もう施設は閉まっています。土日の午前中の時間の使い方が今の課題の一つだなあという事に気がつく。この間「ええやん、朝活読書会」さんにお邪魔しなければ、その事にも気づけなかったかもしれない。そう考えると、確実に一歩前進はしているので、まあ良しとしましょう。


そんな事を考えながら、バスの中で、メルヴィルの「漂流船」を読む。最初はなかなか進まなかったのですが、ようやく少し文のリズムに乗ってきました。人の主観のいい加減さが上手く描かれていて、面白いです。