だいたい読書日記

本の問屋(取次)に勤めています。仕事柄、本を読むのが好きなので、ここで独り言を書いております。趣味でインプロという台本のない即興劇をやっており、ステージ経験もそれなりにありますが、コロナの影響で今はお休み中。その他、立ち食いそば、B級グルメ、落語、野球など、好きな事を好きなように書いています。

日記。井上ひさし展@世田谷文学館。せんがわ劇場演劇ワークショップ。

本日の予定は、15時からせんがわ劇場で演劇ワークショップ。それまでどうしようか悩んで、昼過ぎに家を出て、世田谷文学館井上ひさし展を見に行く事にします。どちらにしろ、どこかで行くつもりにはしたので、少しタイトにはなりますが、行ける
時に行くことにします。火曜が祝日なので、それを踏まえてスケジュールが組めるのがありがたいです。一時期、井上ひさしさんの戯曲にハマってしまい、古本屋やブックオフで見つけるたびに、コツコツと買って読んでいた事がありましたので、楽しみです。



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展示の方は、戯曲関係の資料をメインに、その他にも小説やテレビの仕事、書簡など、ツボを押さえながらも井上さんの生涯を振り返ることのできる内容になっています。特にありがたかったのが、直筆原稿や創作メモや年表、地図などが大量に展示されている事。作品が作られるまでのプロセスが、かなりの所まで想像できます。

それにしてもひとつの作品を書くのに凄い量の資料やノートです。更には、それと同じ位の大量のボツや書き直しの数々。きちんとした準備をすればいいものが作れるというクリエイターとしてのプライド。お客さんに楽しんでもらおうというサービス精神。確かにそうしたものもあるでしょう。けど、それだけではない。戯曲や小説などを書くことを通じて、人とは何者なのか。それを伝えずにはいられない業のようなものを抱え込んでしまった人のように見えました。

この展示を見ていると、「組曲虐殺」の中の、

「絶望するには、いい人が多すぎる。希望を持つには、悪いやつが多すぎる。何か綱のようなものを担いで、絶望から希望へ橋渡しをする人がいないものだろうか……いや、いないことはない」

という言葉が、自分の心の中にぐさりと突き刺さります。

組曲虐殺 (集英社文芸単行本)

組曲虐殺 (集英社文芸単行本)

今回の展示の副題が「希望を橋渡しする人」だという事は、井上さんの人に対する眼差しの優しさと、その思いを伝えずにはいられない切実さのようなものを、主催した方たちも伝えたかったのではないかという気がします。


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見終わった後に、今回の展示の図録とスタンプラリーのスタンプを押して、館を出て仙川へ。関東にあるもう2ヵ所の設置場所の市川と鎌倉の文学館へ行く理由が出来ました。


15時からは、予定通りせんがわ劇場ので演劇ワークショップ。自己紹介やコミュニケーションゲームをやったあとに、今回は「あおい目のこねこ」をテキストに使って、リーディングのような事をさせていただく事に。結構、集中力を使ったので疲れましたが、最後の本番形式の通しでは、照明までつけていただいて、とても貴重な経験ができたと思います。演じている最中に相手をきちんて見る事って大切だなあ、と改めて思いました。

コミュニケーションゲームでは、音楽を使って動きをつけていくものが、とても楽しかったです。単発ではなく、定期的にやってもらえると嬉しいのですけど、予算とかもありますから、なかなか難しい部分は多いのでしょうね。