だいたい読書日記

本の問屋(取次)に勤めています。仕事柄、本を読むのが好きなので、ここで独り言を書いております。趣味でインプロという台本のない即興劇をやっており、ステージ経験もそれなりにありますが、コロナの影響で今はお休み中。その他、立ち食いそば、B級グルメ、落語、野球など、好きな事を好きなように書いています。

日記。戦友。谷中・かき氷「ひみつ堂」。林家彦三×サンキュータツオ「文芸噺研究所」@本屋B&B

私のインプロ仲間が本日、インプロの二人芝居の公演をやるらしい。今回は、先約の細かい用事やイベントがあって行けませんが、一人でもたくさんのお客さんに見てもらいたいな、と心から思います。ほぼ同じ時にインプロを始めたのですが、彼は不器用で人見知りでひねくれ者の僕と違い、何でも器用にでき、カッコいいし、誰とでも分け隔てなく付き合える事のできる本当に尊敬のできる男。そんな彼がこんな大変な時期に、きちんとインプロを続けていて、こんな中でも定期的に公演をしているのは、本当に素晴らしいです。

彼みたいな人が頑張っているのを見ていると、腐ってばかりいられないぞと思いますし、とてもいい刺激や勇気をもらえます。何だか、先日見に行った井上ひさし展の「組曲虐殺」の中に書かれていた、「絶望するには、いい人が多すぎる。希望を持つには、悪い人が多すぎる。」という一節を思い出す。彼の場合はもちろん前半部にあたります。

大きな病気になったり、会社でいろいろあった時でも、人生に絶望せずにいられたのは、インプロや演劇や小説などの素晴らしい作品があったからですし、それを通じて素晴らしい人達に出会えたからです。10年続けてきたインプロを休んでいるので、今はもっぱらそれらを見るほうの側になっています。楽しいだけでも充分に続ける理由に値するとは思いますが、インプロとの少しつきあい方が惰性になってしまっていたのかなとも思っていました。なので、一定期間距離を取ってみるのも一つの選択肢かなとも思っています。コロナの間に自分とそれらとの間の関係をきちんと整理して、少しでも自分なりのものを提示したいです。なるほど、今年に入って自分がもうちょっと日記をきちんと書こうとし始めたのは、そういう理由もあったのか。と、今一人で勝手に納得しています。



会社終わりにひとつめの細かい私用をこなす。その戻りにちょうど谷中にあるかき氷屋「ひみつ堂」さんの近くを通りかかる。噂で聞いていたよりもかなり行列が短かったので、チャンスだと思い、意を決して並んでみます。前を見ても後ろを見ても、店内を見ても、そこは、女子、女子、女子。場違い感がハンパではないのですが、おっさんでも食べたいものは食べたいのだから仕方がない。スイーツ真壁、おらに、おらに、勇気をくれ~!!

だから、俺はプロレスで夢を追う!

だから、俺はプロレスで夢を追う!

  • 作者:真壁刀義
  • 発売日: 2016/02/26
  • メディア: 単行本

最近、家で読み始めた、真壁選手の本です。


「男って、いくつになってもしょうがないな」と思いながら、川端康成の「眠れる美女」を読んでいるうちに、自分の番になり注文を聞かれます。なんか奇妙にこの状態にあう。

眠れる美女

眠れる美女


メニューを見てもさっぱりわかりません(笑)いちごショート?、栗ざんまい?、秋桜?、ピンクゼブラ?、三毛?思わず、これは全部かき氷のメニューなのでしょうかと聞いてしまいました。どうやら、グラタン以外は全てそうらしい。優しい店員さんで良かった!というか、気のせいでしょうか?お客さん全員がとても優しげな空気を醸し出しています。
人をここまで笑顔にするとは。食べなくてもそれを見ているだけで、ここのかき氷はかなり美味しいに違いないとことが分かります。

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メニュー

注文して10分ほど待っていると、かき氷が到着。頼んだのは、和栗のモンブランです。

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和栗のモンブラン 1800円。


すっ、すげえ。どこから食べていいのか全く分からない!

(o゚Д゚ノ)ノ

落ちないように、外側から丁寧に丁寧にひとさじずつこそいで食べる。恐ろしく美味い!和栗の蜜(かき氷なので多分この言い回しでいいのてしょう)が濃厚です。なんか栗の美味しいところだけ、ぎゅっと凝縮させた感じで、今まで食べてきた栗のスイーツのイメージが、簡単に覆されていくようにさえ感じられます。もっと、早く食べたい。けど無理をすると山が崩れてしまう。そんな葛藤に襲われます。一番上の栗も、高級洋菓子店のマロングラッセレベルの味。秋なのに沢山の人が並んでいるのも納得です。夏はどれだけの人が並んでいたのでしょうか?基本、行列や人混みは嫌いなのですが、これは並んででも食べたいです。


かき氷の美味しさとボリュームに満足したあと、細かい、更に細かい私用をいくつかこなしたあと、下北沢のB&Bさんへ。今回は、林家彦三さんの「文芸噺研究所」という企画に。初回の今回は、前半は芥川龍之介の小説を、彦三さんが新作落語にしたものが2席。後半は、ゲストのサンキュータツオさんの講評と、お二人のトークの二部構成。

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両方とも、岩波文庫の「年末の一日・浅草公園 他十七篇」の中に入っている作品だそうです。実は、芥川の作品って中期以降の芥川の作品はほとんど読んだ事がないので、逆に楽しみです。

最初は「仙人」(噺のタイトルは「淀屋松」に改題)。ふわふわとしてとぼけた感じがなかなか面白いです。次が、少し長めの噺で「妙な話」(こちらはタイトルは同じ)。かなり入り組んでいて、落語にするには難しい題材ですが、苦戦しながらも上手く交通整理できていたと思います。少なくても、きちんとした落語の「噺」として成立してはいます。書き言葉と話し言葉の切り換えとか、キャラクター作りとか、ブラッシュアップすれば、まだまだ良くなりそうです。

後半戦のトークで彦三さんがこの企画そのものに疑問を感じていて、定期的に開催することに半信半疑のようでしたけど、絶対に続けて欲しいですね。噺を聞いていて、元の本がすごく読みたくなりましたし、サンキュータツオさんと、文学についてかなり奥深いところまで長時間話せるという段階で、他の噺家さんと差別化できるすごい武器です。それを使わないのは勿体なさすぎます。

僕が定期的に落語を聴くようになったのは、表参道にある青山ブックセンターで、立川談笑師匠の、書籍刊行記念の落語会に行き、師匠の落語にハマってしまったのが、そもそものきっかけ。談慶師匠も本が刊行されると、小まめに落語会をされますが、それとは違った形で、書店さんを主戦場にする、全く新しいタイプの噺家さんがいて欲しいなと思います。

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今回のレジュメ。彦三さん作成。

(おまけ)


トークショーで取り上げられていました。ご本人は売れてないと謙遜されていましたが、かなり面白そう。

超(スーパー)落語! 立川談笑落語全集

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いい意味でいかれています。いかれてはいますが、ただの色モノではなく、既存の落語に対する批評精神に溢れています。これが面白いと思った方は是非独演会へ。

ビジネスエリートがなぜか身につけている 教養としての落語

ビジネスエリートがなぜか身につけている 教養としての落語

  • 作者:立川談慶
  • 発売日: 2020/01/07
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)

今の僕たちの人生や仕事に役立つ事を、落語のエッセンスから面白おかしく抽出してくれます。本の中ではすごく知的な方ですが、底抜けに明るくてバカバカしい噺が多くて、高座はパワフルで見ていてスッキリします。たまに、すごく聴きたくなる時が有ります。