だいたい読書日記

元本の問屋(取次)に勤務も1/末に退社。ただ今、絶賛求職活動中。好きなものは読書、インプロ(即興劇、舞台経験あり)。その他、立ち食いそば、B級グルメ、落語、ベイスターズ、FC東京、謎解きなどに興味があります。基本自分の備忘録なので、好きな事を好きなように書いています。

日記①。akakilike「眠るのがもったいないくらいに楽しいことをたくさん持って、夏の海がキラキラ輝くように、緑の庭に光があふれるように、永遠に続く気が狂いそうな晴天のように」@キラリ☆ふじみ マルチホール。

もの凄く久しぶりに埼玉の富士見市民文化会館へ。埼玉の中でもかなり演劇に力を入れている自治体なので、以前は、ちょくちょく公演を観に行っていました。
しかし演じる側になってからはなかなか観に行けなく、不義理な状態に。それだけに、いつもの舞台公演以上に楽しみです。それにしてもタイトルが長い(笑)

最寄駅が東武東上線の鶴瀬駅。地下鉄や東急との相互乗り入れがあったり、劇場近辺にららぽーとが出来たりと、以前とは比較にならないくらい交通事情が便利になったのでありがたい限りです。
ただ鶴瀬が急行が停まらないなどの事情で、思ったほどは鉄道の接続がスムーズにいきません。鶴瀬に着くまでに、4回ほど乗り換えをする事になり、ゆっくり朝食を取っている余裕がなくなってしまいました。
それでも、鶴瀬からはららぽーへの直通バスが10分弱に1本の間隔で走っているので、以前のように駅から20分以上歩く事はなくなり随分と楽になりました。ただし、ららぽーと行きのバスはコロナが感染拡大しているとは到底思えない混雑で、東京と比較してあまりに対応が甘いのには、絶句してはしまいましたけど。



今回の公演の自分の事前の知識は、薬物依存症の更生施設の方の実話に基づいた舞台公演らしいという事だけ。なので、てっきり普通の役者さんが登場するかと思ったら、舞台上に現れたのは、実際に施設にいらっしゃる皆さん。
びっくりしたのと同時に、かなりの戸惑いを感じました。最前列に座っていたのですが、役者さんと違い目線はバラバラですし、中には演技では絶対に出せない、カタギとは思えないリアルな迫力を持った方がいらして、その凄さに思わず後退りしそうになることも。

なので、この公演を観ていてまず凄いなあと感じたのは、エンターテイメントとしてきちんと舞台を成立させている事。これは演出をされている倉田翠さんのパフォーマンスと、みなさんのチャーミングさをきちんと引き出している事が大きいです。
この作品を作るに当たって、相当丁寧に誠実に演者さんと向かい合ってきたのだという事が、舞台上からもうかがい知れます。

演者さんがモノローグしている時に、倉田さんのダンスパフォーマンスが入ってくる。そして、モノローグしていない他の演者さんが料理を作ったり作業したりしている、というのが、作品の基本的なパターンになっています。なので最初は情報過多だなと感じていましたし、倉田さんのダンスが少し煩いようにも見えます。ただ時間が経つに従って、それが単調さを防ぐためのいいリズムになりつつ、演者さん達と観客とをつなぐとても効果的な役割を果たしていきます。

そして、演者達と観客とがある程度の距離に近づく事によって始めて気がつく事。それは薬物依存症という一見すると自分達には全く他人事のように感じられる出来事が、意外と自分達の近くに存在する事。演者の日常の僕たちと変わらない部分。
それが、もし自分のすぐ近くに薬物がある環境にいたら?もしかしたら、観客と演者との立場が反転していたかもしれない。それを強く感じずにはいられませんでした。

最初の怖くて近寄りがたいイメージが、カーテンコールではとても笑顔が素敵なチャーミングな人達に見えてしまうし、彼等に幸せな人生が訪れる事を、心から祈っている。演劇の持つ力の素晴らしさを改めて感じる事の出来た作品でした。


上演時間が70分位だったこともあり、劇場を出た時点ではまだ昼過ぎ。なので一足延ばして川越まで行くことにします。鶴瀬から川越までたったの4駅。池袋まで戻るより遥かに近いんですよね。なので、続きでは、川越の事を書きます。