だいたい読書日記

元本の問屋(取次)に勤務も1/末に退社。ただ今、絶賛求職活動中。好きなものは読書、インプロ(即興劇、舞台経験あり)。その他、立ち食いそば、B級グルメ、落語、ベイスターズ、FC東京、謎解きなどに興味があります。基本自分の備忘録なので、好きな事を好きなように書いています。

日記①。「劇場創造アカデミー11期修了上演 断片/ペール・ギュント」@座・高円寺。

本当はもっと早く家を出たかったのですが、怠け心に負けてしまい、昼過ぎになってしまう。ここの所、家にいる時にほぼ何もしていない時間帯があまりにも多すぎるなあ。昨日もそうでしたし。休養は大切ですけど、やらないといけない事を先送りにしがちなのは、良くない傾向なので、気を付けんと。今さらですが、自律しないと人って本当にどこまでも楽をしたがるものだなあ、しみじみと感じます。

出掛けた時も、そんな楽をしたいという意識が先に立ってしまいます。乗換えがめんどくさくなってしまい、笹塚からバスに乗ってしまいます。ただ、どうしようもなくツメが甘く、高円寺駅入口で下車しなければいけない所を、高円寺陸橋と勘違いしてしまい、結局、目的地まで15分ほど歩くハメに。反ってめんどくさい事になってしまいます。

一点だけ救いだったのは、経路がかなりわかり易かったので、道に迷う心配だけは全くなかったこと。12~13分ほど歩くと中央線の高架が見えてきます。漸く目的地の座高円寺さんに到着です。



今回は、劇場が主催している演劇学校の修了上演で、イプセンの「ペール・ギュント」をダイジェストで上演するいうもの。随分、背伸びしまくった、チャレンジングな企画です。個人的には、こういう無謀な挑戦をする人が好きなので、去年、インプロワークショップに行った時に、一緒に参加された出演者から購入させていただきました。まずは、去年よりも大変になってしまった状況下で、無事に公演までたどり着けた事が、大変に嬉しいですし、感謝です。

キャストの足りない部分は、出演者が交互に主人公のペール・ギュントを演じたり、顔は人形、身体は棒や紐や手袋を使った人のような人形を操るなど、さまざまな工夫をこらしながら演じていて、とても頑張っているなという印象です。コロナで上演延期になった事でキャストが減ってしまったという事情もあり、いろいろと大変だったと思います。

舞台美術もとてもユニーク。大きなセットが組めない所は、模型をプロジェクターに映す事で、かなりの部分を上手くカバーしていましたし、照明や衣装もなかなかユニークで、舞台慣れしていないからこそ、固定観念に捕らわれない柔軟な発想が随所に見られ、勉強になる部分もいろいろと多かったです。台詞も、所々でハッとさせられる部分もあり、個々のパーツだけ見れば、かなり面白い要素が揃っています。実際にその部分については、とても楽しく観る事が出来ました。


一方で、一つ一つの要素が面白かっただけに、とても惜しいと感じたのが、「表現する」という部分はとても素晴らしいのですが、それを「観客に伝える」という意識がやや甘いなと感じてしまった事。特に、主人公のペール・ギュントを複数で演じたのまでは、とても面白いと思うのです。ただ、役の解釈や演じ方にきちんとしたコンセンサスがないので、個人で演じるよりも人物の造形が積み上がらなくなってしまっています。観客にどんなペール・ギュントを見せたかったのか、そこが見えにくかったのが、ちょっとだけ残念でした。

それでもそうは言っても、こういういろいろなチャレンジが出来るのも、一般の公演ではなく、こうした企画だからこそ。彼らにはこれを踏み台にして、もっともっと素晴らしい作品を演じて欲しいな、と思います。欠点も含めて、彼等からとてもいい刺激がもらえました。

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フライヤーやポスターを撮影し忘れたので、替わりに公演の冊子を。なかなかの読みごたえです。



今日の日記はこれで二つに割ります。