カップヌードルミュージアムを出たあとに海の見える丘公園を目指して移動する事に。どう移動しようか悩んでいると、どうやら「あかいくつ」という観光地周遊バスが走っているよう。おそらくそれが目的地の一番近くまで行けそうなので、そのバスに乗ってみることに。
みなとみらいのいい所は、地図や表示がきちんとしていて、公共交通機関の案内もしっかりしている事。道路の歩きやすさも含めて、観光地に必要なインフラがきちんと整備されているので、ノーストレスで街歩きできます。観光スポットだけあっても、そこにきちんとナビゲーションしてもらえなければ、なかなか繰り返し行こうという気にはありませんからねえ。
バスに乗っている途中で中華街を通過しましたが、人手がすごいですし、お店によっては何10人と行列が並んでいます。予定を立てたのはゴールデンウィーク前なのですが、中華街と鎌倉と江ノ島と川越は候補から外して本当に良かったっす。道路の狭い観光地はどうしても密になりがちです。こちらはそこそこは混んでいますが、ソーシャルディスタンスは充分に取れる距離です。
最悪、神奈川県立近代文学館(日時指定で入館制限がされています)に行って帰るだけ、という事も覚悟していたので、ありがたいです。予約していた時間まで少し余裕があるので、とりあえずはイギリス館に入ってみます。館内の方の話だと、戦前に建てられたイギリス大使の公邸だったそうです。建物自体はとても風情があるのですが、煉瓦作りという事もあり通気性はあまり良くなさそうです。夏はかなり暑かったのではないでしょうか。
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イギリス館
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窓からの景色。まさに「海の見える丘」。
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イギリス館の前にあるバラ園より。ちょうど見頃で、いい目の保養になりました。
近代文学館の館内の喫茶店で昼食を取りながら、時間を待つことに。味付海苔、チーズ、オリーブの組み合わせで、オリーブの酸味を海苔が上手く丸め込んでくれて、見た目以上に美味しいです。
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和風サンドイッチとアイスティーのセット 1100円。
今回の特別展は「永遠に『新青年』なるもの―ミステリー・ファッション・スポーツ―」というテーマ。雑誌の「新青年」の他に、雑誌の関連したものや、雑誌に関わった作家達の原稿など貴重なものが展示されていました。一つだけ残念だったのが、常設展も含めた撮影禁止エリアの厳しさ。漱石山房記念館にもある漱石の書斎を再現した展示も、山房記念館ではフツーに撮影オッケーだったのですが、こちらでは一切撮影できなくなっています。権利の問題もあるので、仕方がないのかなとは思いますが、本当に厳しいです。
ただ展示されているものは、かなり豪華で、江戸川乱歩、横溝正史、谷崎潤一郎、小栗虫太郎、夢野久作などの原稿や書簡、日記も含めた、合計600点ほどが展示されていて、とても見ごたえがありました。個人的には、松野一之さんの挿絵の原画に釘付けになりました。翻訳作品も松野さんの挿絵が入ると、海外文学の香りが急にしてくるのが、とにかく凄かったです。
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数少ない撮影可能エリア。今回の特別展と漫画「文豪ストレイドッグス」とのコラボ企画。コラボイラストやコミックの複製原稿が展示されていました。
近代文学館に行った勢いで、大佛次郎記念館にも寄ってみることにします。建物の所々に猫の彫刻が飾られていて、洋館の建物と相まってとても可愛らしくて幻想的な雰囲気です。どうやら大佛次郎さん、作家としてだけでなく、愛猫家としても有名らしく、いつも十数匹の猫に囲まれて暮らしていたそうです。
今回は、「これぞ!大佛歌舞伎」というテーマで、戦後上演された大佛次郎原作や書き下ろしの歌舞伎作品に関するものが展示されていました。展示を見ていると、大佛さんの歌舞伎や歴史に関する造詣の深さが伝わってきます。大佛さんというと、どうしても鞍馬天狗のイメージが先攻してしまいますが、近代文学館でも所縁の品が展示されていた、横浜を舞台にした「霧笛」とかも読んでみようかとも思いました。尤も、いつになるかは解りませんが(笑)