ちょっと慌ただしくなるのは覚悟で、少し早く出かけて、根津から東京藝術大の美術館で、「居場所はどこにある?」という展覧会を見に行く。
日常見ているものの角度が変わると、ゴミだと思っていたものが宝物になったり、知らず知らずのうちに自分が社会の加害者の側に立っている場合がある事に気づかされたりします。展示全体としてみると、少し言葉が過剰かなという気がしましたが、考えようによっては、自分の言葉が相手にきちんと届いているのかが、今まで以上にわかりづらくなっている、今の世相を反映しているのかなという気もしました。
個人的には、松田修さんの、スナック「太平洋」のママが自らの生涯を語った映像作品と、室井悠輔さんの「王国をつくりなさい」という夢のお告げを受けて作った箱庭のような作品がとても面白かったです。かなり展示数を絞ってくれたので、思ったよりも一点ずつしっかり見れたのも嬉しかったです。
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このインパクトのあるポスターとタイトルに惹かれて、見に行く事に。
もう少しいたかったのですが、適度な所で切り上げて、来た道を根津に戻ります。行きに気になつて仕方のなかった、大黒屋さんという手焼きのおせんべい屋さんで、せんべいを買ってから、千代田線に乗り込みます。
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素朴ですけど、お米の味がしっかりと感じられます。お店の奥で、おせんべいを焼いているのも見れます。
移動して、昼からは下北沢の本屋B&Bさんで、文学の教室。アトウッドの「侍女の物語」の3回目、最終回です。今回は、35年後に出た続編「誓願」との比較、ネタバレにならない範囲での作品の紹介がメイン。小説家として35年間続けてきて、ストーリーテリングが上手くなり、文体が洗練される。それが、侍女の物語と比較した時の、読みごたえの少なさ、物足りなさを感じる読者を増やす原因になっているというのは、わかるなあと思いつつも、何ともいえない皮肉だなあとも思います。
「誓願」は「侍女の物語」と比べて、格段に読みやすくて、トーンも明るくなっているそう。頑張って読んでみようかなあ。「獄中シェイクスピア劇団」も、「誓願」同様に鴻巣友季子さんが翻訳されているようのので、そそられるものがあるんですよね。読みたい本が増えるのは嬉しいてすけど、悩ましいです。本も少し整理せんとなあ。なお、来月からの文学の教室は三ヶ月かけて、佐藤正午さんの「鳩の撃退法」を読むそう。また、歯応えがありすぎるぐらい、ありそうです(笑)
終わった後は、慌ただしく昼食に。B&Bさん同じボーナストラック内に入っている、カレー屋ADDAさんに。チキンをベースにしたスパイスカレーに、日替わりのカレーが二種類の中から一つついてきます。自分は、しめじの出汁カレーを選択。
単独で食べても充分に美味しいのですが、ここのカレーは混ぜてなんぼ。食べたいのをぐっとこらえて、まぜまぜしていきます。こうするとカドがあって個性がバラバラだった食材が、カレーでまとまってまろやかにかつ味が豊かに膨らんでいくのが、何とも不思議です。ああ、食べたい!けど、混ぜたい!何ともいえず悩ましいカレーです。
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ADDAプレート 1200円+ごはん大盛 100円
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混ぜれば混ぜれるほど美味しくなります。
………で、食べ終わってお腹が一杯になったのが、午後の2時過ぎ。この日はまだ続きます。なのでこの辺で、日記を二つに分けます。