だいたい読書日記

元本の問屋(取次)に勤務も1/末に退社。ただ今、絶賛求職活動中。好きなものは読書、インプロ(即興劇、舞台経験あり)。その他、立ち食いそば、B級グルメ、落語、ベイスターズ、FC東京、謎解きなどに興味があります。基本自分の備忘録なので、好きな事を好きなように書いています。

日記。映画「世界を賭ける恋」上映会。

昼から調布に出掛ける。たづくりで、実篤記念館が主催する映画鑑賞会。本当は終わった後も出掛けるつもりだったのですが、当日いきなり13時半~15時のスケジュールが13時半~15時20分に変更になったので諦める事に。今日の私にはその20分がかなりデカイ。映画のフィルムを編集していたら、思ったよりも長かった事に直前まで気がつかなかったらしい。う~ん、お役所仕事。まあけど、それを承知で申し込んでいるのですから、仕方がありません。

上映した映画は、実篤の「愛と死」が原作になっている「世界を賭ける恋」。1959年に制作された作品だそうです。石原裕次郎演じる、大学で建築学を教えている先生が、浅丘ルリ子演じる評論家の妹と出会い、やがて恋に落ちるという話。

冒頭の15分~20分の間に盛り上がりをつけるとか、主人公が成長するとか、登場人物の葛藤を描くとか等、ハリウッドなどで使われている、面白い映像作品を作る脚本づくりのセオリーをことごとく無視し話は進んでいきます。今作品を見ると、逆にそれが予想外の展開を生み出し、新鮮だったりします。

それでも、その他にもいろいろと突っこみ所は満載なのですが、見れてしまうのは、石原裕次郎浅丘ルリ子のスターの存在があればこそ。特に石原裕次郎なんて、今の基準で見れば、感情表現が見ていられない位お粗末。何を演じても石原裕次郎以外の何者にもならないのですが、スターとしてのオーラが半端ではない。かっこよさの中に絶妙の加減で愛くるしさがあるあたりも素晴らしい。イケメンでスタイル抜群で、育ちも頭も良い建築家、といういかにもおぼっちゃんの実篤が描いたと思われるキャラクターを嫌みなしに演じられるのは、なかなか出来ない事だと思います。

この二人、ほぼ何の障害もなく恋に落ち、周囲にも祝福されていきます。けど、そんな恋愛が成立して作品として描かれるのは、日本の歴史でも結構最近の事なんだなと、この作品を見ているとしみじみと思います。両親の物分りが良すぎるケースのロミオとジュリエットと同様、そうした葛藤の少ないお話しが面白いかどうかは、また別問題ですが(笑)

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