本当は、朝の9時からシネスタ調布で「魔女の宅急便」のスクリーン上映を観る予定。しかし、まだ咳が止まらないので、諦める事に。
別に熱が出た訳でも、コロナの陽性反応が出た訳でもありません。ただの風邪。それでも、咳をしている人に対して世間の目は恐ろしいまでに冷たい。
まるで、汚ならしいものを見るような目で見られますし、人によっては露骨に避けられてさえしまいます。
昨日も2本映画を観れましたし、まあ、気持ちが全く理解できん訳ではないので、仕方ないのかなあとは思います。
その代わり、昼前から王子に出掛けて、若手の落語会に。このほくとぴあ亭。破格の安さで、噺家さんのチョイスもかなりいい、素晴らしい落語会です。
ただ、一つだけ問題があり、人の話を聞かないじいさん、ばあさんが多く、とにかく客の質がよろしくない。
年寄りなので怒る訳にもいかず、普段は、本当にイラっとさせられます。しかし、今回ばかりは彼らのマイペースさに、感謝しなければいけません。
じいさん、ばあさんのデカイ喋り声に、咳の音が見事なまでに埋もれます。基本、人の話を聞いていないので、一切気を使わなくてもいいですし(笑)
「気を隠したければ森に隠せ」
「咳を隠したければ、じじばばの話し声の中に隠せ」
肝心の落語会の方は、人気のある定番ネタが多く、全体的に安心して聴ける印象。
時そば、明烏は冬によく聴く季節もののネタ。そろそろ服だけでなく噺も春ものに衣替えでしょうか。
トリの柳若さんは、春からの真打昇進披露興業を控えている身。若手の中に入るとさすがの安定感です。主役のチェリーボーイ時次郎よりも、町内札付きのワル、源兵衛と多助の方がしっくりとくるのは、地でしょうか?
花ごめさん、遊京さんは、キャラクターに自分独自の視点を持込み、なかなか面白いアプローチで攻めていたなという印象。
特に遊京さんの「時そば」。自分も常々、まずいそば屋のキャラクターに違和感を抱いていたんですよね
落語の世界だとはいえ、ヘタな割には偉そうすぎますし、どう考えてもビジネスとして成立しないですし、ここまでマズいとお客に文句をいわれていない訳がありませんし。
遊京さんは、その問題をまずいそば屋のキャラクターを、気は悪くない、けど小心者で不器用な人物にする事で解決しようとしています。
もっと磨きをかけて、遊京さんにしか演じる事のできない「時そば」を作り上げていって欲しいです。
(演目)
・柳亭楽ぼう 「雑俳」(開口一番)
・春雨や晴太 「粗忽の釘」
・柳家花ごめ 「片棒」
~仲入り~