ゆで太郎を出ると、すでに14時を10分ほど回っていたので、急いで県立博物館へ。
やっと入り口に着いたと思ったら、ちょうど裏口に出てしまい、建物をぐるりと1周する事に。自分の確認ミスとはいえ、泣けます。
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神奈川県立歴史博物館。
けど、ぐるりと回ったのは全くの無駄ではなく、こうやってみるとなかなか趣があっていい建物。
館内に入ってから知ることになるのですが、もともとは横浜正金銀行の建物だったそうです。
館内は、常設展と特別展とに分かれていて、特別展のみ有料です。ただ、割いているスペースは常設展の方が圧倒的に広いです。
県立博物館らしく神奈川県の歴史が時系列でわかるように展示されています。ただ、時代によって展示物の充実度にムラが出てしまい、この展示方法が正解なのかどうか、かなり首をかしげてしまいました。
中世の神奈川県の歴史のメインである、鎌倉幕府関係の資料や美術品のかなりの部分は、鎌倉市内の寺院や施設が所持しています。その多くは、その場所の貴重な観光資源だったり、法律の保護や縛りを受けています。
なので、重要な資料を展示しようとすればするほどレプリカや模型ばかりになってしまいます。それは、まさにこの博物館の展示そのもの。
反対に、古代や民俗関係の資料や、横浜正金銀行ゆかりの展示などは、オリジナリティもあって、とても面白い。
無理に県立博物館の使命を全うすることにこだわらず、所持している資料を一番魅力的に見せる方法を追求した方が、絶体に面白い。いいものが結構あるだけに、そんな歯がゆさを感じながら観ていました。
ミュージアムショップもなかなかの充実ぶり。そそられて、ついつい復刻版の「よい子の交通双六」を買ってしまいました。
見終わって外に出ると、雨が降りだしていて、少しずつ強くなってきます。
来た道を戻り、新聞博物館やメディアセンターを通過して、更に歩いて5~6分。神奈川芸術劇場(KAAT)に到着です。
以前いつ来たか忘れてしまった位久しぶりですが、相変わらず贅沢な空間です。おそらく、近くにある関内ホールと上手く棲みわけできる事を意識してるんだろうなあ。
久しぶりに訪れたのは、視覚障害の方が参加されている、人形劇談、デフ・パペットシアター・ひとみさんの「百物語」を観るため。
以前、ワークショップでお世話になった、ダンサーの白神もも子さんが演出を担当されている、というのも大きな理由です。
いい意味で変な方なので(僕の中では凄く誉めているつもりです)、人形劇とダンスと手話と音楽をどう融合させるのか、とても楽しみです。
個人的には、もう少し怖い話になるのかな、と予想していたのですが、どちらかといえば、おかしくて、不思議で、ちょっと不気味な話し。
演者さん達が手話でコミュニケーションを取っているシーンなんかを見てると、目には見えないけど、言葉にはならないけど、存在しているものが確かにある事、を実感する事ができます。
自分たちが理解できないから、という理由だけでそれらを切り捨てるという事が、どれだけ勿体ない事なのか。その事を強く感じた公演でした。
杉浦日向子さんの作品ではどう描かれているのかという事も興味深かったです。怪談物は苦手なのですが、機会があったら一度原作も読んでみたくなりました。