だいたい読書日記

元本の問屋(取次)に勤務も1/末に退社。ただ今、絶賛求職活動中。好きなものは読書、インプロ(即興劇、舞台経験あり)。その他、立ち食いそば、B級グルメ、落語、ベイスターズ、FC東京、謎解きなどに興味があります。基本自分の備忘録なので、好きな事を好きなように書いています。

日記。8月上席・昼@鈴本演芸場。元競馬場・中華饅頭「五十番」。古今亭駒治の鉄道落語会@ふげん社ギャラリー。

本当は、明日別の場所で落語を聴くつもりだったのですが、しん平師匠の落語を聴いてみたかったのと、一度鈴本演芸場に行きたかったのとが重なって、急遽、予定を変更して今日御徒町へ。電車に乗っている途中で強い雨が降りだして、かなりまずいなと思いましたが。通り雨で済んでくれてひと安心。ただし、湿度が半端ないです。

8月の土曜の日中という日程や、トリのしん平師匠の他にも、白酒師匠や文蔵師匠という人気者もいたので、結構混むかと覚悟していたら、開場の段階でお客は3人。オリンピックで野球の決勝があるとはいえ、頭の片隅にもなかった事態。その後も客足は延びる事なく、20人いるかいないかの状況でスタートです。最低でも寄席の半分は入るかと思ったのですが……。他のお客さんからも「そんなバカな、」という戸惑いのような空気を感じます。

感染症だけを考えたら、これ以上ないくらい賢明な判断をした事になりますが、対噺家さんで見たら、この20人で盛り上がっていかなければいけないので、しんどい事この上ない。噺家さんによっては、たけ平師匠のようにお客をいじってくるタイプの方もいるので、なおの事です。(ただ師匠にいじられたお陰で、その後客席の反応がかなり良くなりました。こういうのが、寄席のチームワークなのだなと感じました)

菊春師匠は以前聴いた時には、その日お目当てだった扇辰師匠の代演というバイアスが働いてしまった事もあり、あまり印象に残りませんでした。ただ、この日の「親子酒」はとても軽妙で親子が可愛らしくて、聴いていてほっこりとした気持ちになりかなり印象に残りました。同じように特に印象に残ったのが文蔵師匠。一見やる気なさげに見えて、少しずつ噺に引き込まれ、気がついたらずっぽりと落語の世界へ。大笑いしながら、すげえなあと感じ入って聴いていました。

トリのしん平師匠は、女の、とくに幽霊の噺が出来ないといつも師匠に怒られている落ちこぼれ噺家が、自宅にとりついた女性の幽霊から、それを教わるという新作落語。噺作りが本当に上手いなあ、と改めて感じます。

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(演目)
・金原亭杏寿 「子ほめ」(開口一番)
・林家あんこ 「都々逸親子」
マギー隆司 奇術
林家たけ平 「扇の的」
柳家わさび 「釜泥」
・すず風にゃんこ金魚 漫才
・古今亭菊春 「親子酒」
三遊亭歌奴宮戸川
柳家小菊 粋曲
橘家文蔵 「のめる」

~仲入り~

三増紋之助 曲独楽
・柳亭市弥 「元犬」
桃月庵白酒 「喧嘩長屋」
・林家楽一 紙切り
林家しん平 「幽霊指南」



終わったあとは目黒方面に移動して、元競馬場方面に。時間に余裕があったので、歩いてみたのですが、ゆるゆると続く長い登り坂がしんどいったらありゃしない!アンティークの家具の店やお洒落なオフィスが多くて、とてもいい雰囲気の街ですけど、絶対に住みたくねえ(笑)

それにしても、日本では高級住宅街というのはなぜ高い所にばかりあるのでしょうか?火事対策なのか、それとも偉い人というのは、どんな時でも人を見下ろしたいものなのでしょうか?半分過ぎたら、もう意地でもバスに乗りたくないです。

そんな、こんなでダラダラとした坂をようやく登り終えると、地図を見ていた時に気になった中華まん屋さんへ。基本的には温める前の商品を持ち帰るお店なのですが、一部その場で食べれるコーナーもあるので、残っている中からえび肉マンを購入。中はかなり本格的なエビチリ味で、肉マンの餡に小さく刻んだエビがたっぷり入っていて、かなり贅沢な中華まんです。お店の方には何の問題もないのですが、前のジジイがマスクも着けずに大声で注文しているのには、かなり閉口。怒らずに対応しているお店の方の人柄の温かさはすごく感じられるのです。ただ常識を知らないジジイのせいで、コロナに感染して、こんな美味しい中華まんを作るお店が休みになるリスクが生じるのはあまりにもいたたまれないです。余計なお世話だと思いながらも、他のお客さんのためにも、怒るとこは怒っていいんだよと、思わずお店の方に言ってしまいました。

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えび肉マン 529円。


食べ終わって少し休んだら、19時から、ふげんしゃさんのギャラリーで駒治師匠の落語会へ。今回は鉄道落語会という事で、師匠もお客さんも通常の落語会とは比較にならない濃ゆさです。ママ鉄や社内販売という一般人にはニッチ過ぎるテーマまで、新作落語のネタになるのには、ただただ驚きです。そして、それが面白いという事も。

そして、新作落語の合間には、駒治師匠が撮影した写真をスライドショーにしての、世田谷線案内。真夏の炎天下で、文字通り電車のために命がけ。こちらは涼しい所で見ているだけですからいいのですが、よっぽど好きな人でもなかなかできない、狂気に近い所業です。そして、自分はこういう方が大好きです(笑)オリンピックの野球の決勝戦そっちのけで、こんな場所にいる自分も、相当クレイジーなのかも知れませんが……。

とても面白い会でしたが、濃ゆすぎてふげん社さんのツィッターがなければ、新作落語のタイトルも全く見当がつかない所でした。いやあ~、ホントにありがたいです!

(演目)
・ママ鉄(ネタ下ろし)
・スライドショー「世田谷線を歩く」

~仲入り~

・社内販売の女