だいたい読書日記

元本の問屋(取次)に勤務も1/末に退社。ただ今、絶賛求職活動中。好きなものは読書、インプロ(即興劇、舞台経験あり)。その他、立ち食いそば、B級グルメ、落語、ベイスターズ、FC東京、謎解きなどに興味があります。基本自分の備忘録なので、好きな事を好きなように書いています。

だいたい読書日記22(時々映画やお芝居の話も)

イベント等に参加するための予習やら、個人的な勉強やらで読みたい本がそれなりにあったのですが、円丈師匠の「師匠、御乱心!」を手に取ったのが運のツキ。最初はパラパラと本をめくっていたのですが、気がついたら止まらなくなり、他の本そっちのけで読んでしまう事に。この本、円丈さんが真打ちに昇進して早々に、師匠の圓生が中心になって起こした、落語協会脱退騒動に巻き込まれていくさまを、円丈さんの目線から描いた話です。巻き込まれた当事者はたまらなかったと思いますし、あくまでも1つの視点から見た「真実」なのでしょうけど、不謹慎かもしれませんが、何が「真実」なのかという事が大したことだとは思えなくなってしまう位、面白い。まず、登場人物一人一人のキャラが見事な位、立っていて、目に見えてくる。そして、一枚岩だったはずの一門の師匠や兄弟弟子がお互いに信じられなくなり、見事なまでにバラバラになっていく様、その間の円丈さんの心の動きが、かなりリアルに描かれています。

30年近く前に書かれた本の、文庫化復刊という事で、この本に出てきた当事者は大部分亡くなっていますし、巻末に新しく収録されている円丈師匠、小遊三師匠、圓楽師匠(事件当時は楽太郎さんだった方)の対談を読んでいると、「真実」という言葉のあやふやさを改めて感じてしまいます。

師匠、御乱心! (小学館文庫)

師匠、御乱心! (小学館文庫)

この本については、読書会等でも語りたい、と思っているので、事件の事実関係だけは、もうちょうと、詳しく勉強しておきたいと思っているが、さてどういう切り口で、と思っていた時に、ちょうど読んでいたのが、西寺郷太さんの「伝わるノートマジック」西寺さんの実際に使ったノートがひたすら掲載されているのですが、とにかくこれが一つの作品集のように素晴らしい。これが自分の理想のノートだ、と思ったのですが、この本、細かい説明はほとんどないので、とにかくどうやって取っ掛かったらいいのかが、全くわからない。

伝わるノートマジック

伝わるノートマジック

と、思っていたら、先週の木曜に、下北のB&Bさんでトークイベントがあり、座席を増やしてくれたおかげで、まだぎりぎり間に合う上に、対談相手が水道橋博士!こりゃあ、行くしかないと思ってすぐに申し込みましたよ、仕事半分そっちのけで。


結果、博士の若い頃のノートが見れたり、ノートが作られた経緯や、どういう考え方でノートが作られたのか、貴重な話しが聞けましたし、とても楽しい時間でした。今回の「ノートマジック」がこのような形式になった背景としては、まずは、ノートを見てもらいたかったというのがあった事。そして、売れたら、「深めるノートメソッド」(仮)を出そうという意図があったそう(笑)次回作が楽しみですが、出る前に、どこかで、自分のノートが作られたな、と思っています。