そろそろ12月の紀伊国屋寄席のチケットを引き取りにいかないと、予約したチケットが流れてしまう。その事に昨日気がつきました。仕事の事を考えると、今日のうちに行っておいた方がいい、という結論になります。なので出掛けることに。どうせ外出するのであればと、まずは新宿を通過して九段下で東西線に乗り換えて竹橋へ。そこから国立公文書館に向かいます。
公文書館の企画展示は、学生時代に教授がやたらとレポートにしたので、若い頃はけっこう見に行きました。当時はお金もなかっですしレポート提出もあったので、ここまで行くのが本当に苦痛でした。そのお陰で情報公開や公文書の保存のために、この場所がとても大きな貢献を果たしているという事を知ることが出来たので、こうして縛りなく見ることのできる、今でこそ大変に感謝していますが……。当時は、自分も今よりもかなり尖っていましたから。
今回の企画展示は「グルメが彩るものがたり」という切り口で、食にまつわる文献を展示して解説が加えられてます。語学と一緒で、古文書やくずし字も日頃から読んでないと、ほとんど読めなくなってしまいます。学生時代は、少しは読めたんですけど。
↑
無料の展示カタログ。
「へんな日本美術史」の中で、山口晃さんが誰かが残そうとする意思が働かない限り、絵画が時代を越えて残るということはない、という主旨の事をおっしゃっていました。絵画だけでなく、文書にもその事があてはまるのだと、強く感じます。今回の展示は江戸時代初期の写本や木版のものがほとんど。400年前のものとは思えない状態の良さです。もし西郷隆盛と勝海舟の会談がもしも不首尾に終わっていたら、燃えてしまって現存していないものも多数あったかもしれません。それに、江戸幕府から明治政府への政権の移行が、かなりスムーズにいった事の証明であるともいえるのではないでしょうか。
全体的には、今よりも旬を大事にしていて、旬の食べ物に特別な価値を見いだしている記述が多いなあ、という印象。伊勢物語の中では、今と違って料理は身分の低いものが作るもの。貴族が厨房に立つことはまずありません。性別を問わず、手料理が異性へのアピールに全くならない。そんな所は、今との恋愛事情の違いを感じます。
↑
伊勢物語。
今回見てみて、あなどれないなあと感じたのが常設展示。テレビで小渕さんが掲げていた「平成」の額縁やら、日本国憲法の署名原本やら、時代の節目になった凄い資料が無造作に展示されています。資料の貴重さと、その扱いの奥ゆかしさとのギャップには、ただただびっくりするだけでなく、得した感がすごくあります。
展示を見終わった後に、外の自動販売機で次にどうするのか考えながら一息。それにしても、この販売機異常に安い!休んでいる時にも皇居の周りを走っているランナーでわざわざここまで買いにきています。ひょっとしたら知る人ぞ知る穴場なのかもしれません。
九段下から都営新宿線方面に行くか、それとも竹橋から東西線方面に行くのか?せっかくなので普段使わない東西線に乗ることにします。
まだ長くなりそうなので、ここで日記の前後半を分けます。