早めに起きて家の事をして、朝食を取っあとに出掛ける。市ヶ谷駅で途中下車して東京メトロの24時間パス(600円)を購入します。
その後、南北線に乗り換えて、白金台駅で下車し、10分弱歩いたら庭園美術館の入り口に到着です。JRの目黒駅からも行けるのですが、東京メトロのデジタルスタンプラリーをやっているので、ついでにスタンプをゲットしないと。
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白金台のスタンプ。庭園美術館が描かれているという事は、白金台駅から行くという選択肢もあながち間違っている訳ではないようです。
園内に入ると、西洋式の庭園が美術館の建物まで続いています。隅々までよく整備されており、庭だけでも、充分に見応えがあります。
2、3分ほど歩くと、2階建ての西洋建築がありここが美術館のようです。もともとは朝香宮が住んでいた邸宅がそのまま美術館になっているそうです。
照明が、ルネ・ラリックの工房のものだったり、建物や調度品の所々にアールデコの品々が置かれています。
宮様の家だったという事もあり、空間そのものがもの凄く品がいい。建物内にいることが、居心地がいいですし、普段はなかなか味わえない新鮮な感覚です。
住居というものが住む人たちのステータスを表現する一面がある事が、感覚としてとても良く分かります。
「アールデコの貴重書」という切り口だったので、展示では稀覯本がたくさん見れるのを期待していたのですが、こちらの方はそれほどでもなく、やや肩すかしを食らった印象。
それだけでなく、建物や庭を出来るだけ自由に見てもらうために、入場者に縛りをつけて、あとは極力自由に見てもらう、に裏目に出ているな、と感じたのも残念でした。
通常の美術館なら問題がないのですが、もともとが民間の邸宅。どうしても所々動線が狭くなったり袋小路になってしまう場所が発生します。
そのために、そうした場所にスタッフを配置しているのですが、その意図がきちんとスタッフに伝わっていないために、見事に機能していません。
写真撮影で夢中で周りが見えていない人達が動線を破壊したり、少しお行儀の悪い人達が見学の邪魔になる。それをただ見ているだけのスタッフ。あちこちで、そんな後景に遭遇してしまったのがとても残念でした。
東京都の運営する博物館や美術館や劇場って、今回のようなピントのずれた、お役所以外ではありえない対応が、ちょいちょい見受けられます。
基本とても優秀な方たちなだけに、もうちょっとだけ利用者の目線を持って動いてもらえればいいだけの話し。何とかならんのかなあと思います。
けど、その「だけ」がなかなか届かないし、刺さっていかない。その事にもどかしさを感じます。まあ、都知事が自己保身の天才のような方ですからねえ~。職員に「だけ」、それを求めるのは酷なのかもしれません。
庭園美術館を出たのがちょうどお昼過ぎ。そろそろお昼にしようかなあ、けどこのエリアのお店は確実に高いから、移動してからにしようかなあ。
そんな事を考えながら白金台に向かって歩いていると、港区立郷土歴史館の案内が。なかなかいい施設だという噂は聞いていたのですが、こんな一等地にあったのですね。さすが、住人の平均所得全国一位の港区!
展示は常設展と企画展に分かれていて、どちらか、もしくは一方を見ることが可能だそう。スタッフの方に聞いたら、両方ともきっちり回ると2~3時間程度掛かるそう。なので今回は企画展だけ回る事にします。
企画展は、東京タワーが建った昭和34年前後の港区近辺の光景を航空写真で振り返るというもの。
昭和30年前後に、民間で大量の航空写真を撮影していた方がいるというのも凄いですし、それがいい状態で保管されているという事が、それ以上に凄いです。
最低限の場所と現代との比較、それと撮影した方のプロフィール以外はほとんどありませんが、この展示については、それがとてもありがたかったです。
余計な説明よりも、写真をじっくりと見てもらいたい。そんな博物館側の意図が伝わってくる展示です。
展示を見ていると、東京タワーが建ったということは、ただの電波塔が建ったという以上の大きな意味を持っていたんだなあと思います。
今回の展示のようにわざわざ飛行機に乗らなくても、世界を上から鳥瞰する事ができるようになりました。更に、以降次々と高層建築が建ち並び、私たちはそれを地上からそれらを見上げる事になりました。
それが当たり前ではなかった時代。それが今回の写真に撮影された光景が存在していた時代なのではないでしょうか?見ていて、そんな事を思ったりしました。
企画展を見終わったあと、地下鉄に乗って都内の北の方に移動します。そこからの事は②に上げます。