だいたい読書日記

元本の問屋(取次)に勤務も1/末に退社。ただ今、絶賛求職活動中。好きなものは読書、インプロ(即興劇、舞台経験あり)。その他、立ち食いそば、B級グルメ、落語、ベイスターズ、FC東京、謎解きなどに興味があります。基本自分の備忘録なので、好きな事を好きなように書いています。

日記。現実脱出論。三遊亭遊雀独演会@道楽亭。

起きて、少しだけ部屋を片付けて、Youtubeを見て、二度寝して、食事して、またYoutubeを見て、三度寝していたら、もう夕方。漫然と過ごしていると、1日が経つのが本当に早いです。気をつけないと……。

その間に、あと20ページだけ残っていた、坂口恭平さんの「現実脱出論」を読みきる。自分の読解力の問題もあってきちんと理解して落とし込めていない所も結構あります。ただ、他者との関わり(現実)と自分の中にあるもの(思考)とを行き来することの難しさと面白さ。そして、それをつなげる鍵をにぎる(創造)の存在の大切さ。この現実-思考-創造の捉え方はとても面白いし、自分が現実と対峙する時に役立ちそうです。読んだおかげで、現実に対する感度が少しだけ上がった気がします。

現実脱出論 (講談社現代新書)

現実脱出論 (講談社現代新書)


夕方から出かけ、新宿三丁目の道楽亭さんの遊雀師匠の独演会にお邪魔する。狭い会場なので、新宿で密な状態になるのもどうかなあ、と流石の自分でも悩む。オンラインへの切替と、出来ることなら見に行きたいという鬩ぎ合いがギリギリまであったのですが、結局後者が勝ち会場に。確かに狭いことは狭いのですが、思った以上にはコロナ対策がきちんとしていて、少し安心しました。

前半は「御神酒徳利」。枕で末広亭の話し。今回のトリが伯山師匠という事もあり、客席が大変な事になっているらしいです。一人でもたくさんのファンに見てもらいたい。けどお客には安全に見てもらいたい。けどここで稼がなゃいつ稼ぐの。そんなさまざまな思惑が入り乱れているのでしょう。どれも間違いではないだけに、悩ましい所でしょう。

御神酒徳利をしっかり聴いたのは始めてです。フリとオチがすごくきちんとしていて、コメディとしてとても良く出来ている噺だなというのが第一印象。それをより面白くしているのが、遊雀師匠の絶妙な間の使い方。フリの段階で可笑しくて仕方なくて笑いをこらえてました。

仲入りを挟んで後半は「文七元結」。この噺、かなり以前に遊雀師匠のものを聴いた事があります。(いつだったか思い出せたら、追記で書きます)その時には、人物造形に固まっていなくて、試行錯誤されていたなあという記憶があります。圓朝師匠の作だといわれていますが、そのままやると素人の僕でも「?」と感じてしまう個所がいくつかあるんですよね。そこをどうするかが、今の噺家さんの腕の見せ所でもあります。

今回の師匠の噺はその時と比較してかなりスムーズにかつ面白くなっていました。実力を考えれば、このハコでこの距離で聴けるという事がとてもラッキーな噺家さんですからね。とてもいい日だったなあと思いつつも、早くコロナが何とかなって、もっと延び延びとした環境で聴きたい噺家さんだなあとも思います。