だいたい読書日記

元本の問屋(取次)に勤務も1/末に退社。ただ今、絶賛求職活動中。好きなものは読書、インプロ(即興劇、舞台経験あり)。その他、立ち食いそば、B級グルメ、落語、ベイスターズ、FC東京、謎解きなどに興味があります。基本自分の備忘録なので、好きな事を好きなように書いています。

日記。青年団「眠れない夜なんてない」@吉祥寺シアター。花形演芸会1月@国立演芸場。

本当はもう少し早く出掛けるつもりだったのですが、ダラダラと過ごしていたら、結構ギリギリの時間になり慌てて出掛ける。井の頭線に乗って、学生さん達の下校時間に丸かぶりしてしまい、軽く後悔。電車があっという間になかなかの混雑になってしまう。こういうとこは大人が配慮しなきゃあなあと反省しつつも、下校で密にならないように学校サイドでも配慮してもらいたいっす。10代や20代の感染者数が多いのは、望むと望まざるとに関わらず集団で過ごす時間が多いからという事と、大人達がきちんとフォローできていない事が原因なのではないかという気が、最近してきています。


本日は、久しぶりの吉祥寺シアター青年団の「眠れない夜なんてない」を観劇。本当なら久々の吉祥寺なので、もっと楽しい気分のはずなんですけどねえ~。上演する側も勿論ですが、観る側ももしここにいる事が原因で感染したら、その後の公演が飛んでしまうリスクさえありますので、感染症対策には嫌でも細心の注意を払う必要が出てきます。観劇できるだけでも、去年と比べたら相当ありがたいのですが、嫌な世の中になったなあとも思います。

作品自体は2008年に上演した作品を大幅に加筆修正しての再演となったもの。定年後にマレーシアでロングステイしている人達を軸に、その家族や周辺の人達の人間模様を描いた作品です。リアルな台詞のやりとりは、流石、青年団さんという所なのですが、それはあくまでの過去の世界での話し。距離の取り方や会話が自然であればあるほど、今の世界との解離の大きさを感じてしまい、作品に違和感を抱いてしまう自分がいる事に愕然としてしまいます。

設定が多少変更になったり、看板役者の志賀さんがお亡くなりになったとはいえ、芝居そのものは基本的には大きくは変わっていません。ブラッシュアップされた分、作品のクオリティは上がったと言ってもいい。それなのに観ていて感じるこのしっくりこない感。僕たちの世界が変化し、僕の芝居を観る目が変化したとしか言いようがありません。何だかとても不思議な感じのした、観劇体験でした。

かなり早い段階でスケジュールが決まっていたので、今回は致し方ない部分もありますが、平田ヲリザさんにこそ今を切り取った新作を作ってもらいたいですね。

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舞台を見終わった後は、吉祥寺から渋谷経由で半蔵門まで移動して、夕方からは国立演芸場で、花形演芸会を観に行きます。8時ギリギリの終演なので、おそらくお店で夜ご飯を食べる事は出来ないと思うので、コンビニでおにぎりだけは買っていく事にします。ただ演芸場も今、飲食は全面禁止になっているので、終演後に駅のベンチとかで食べるしかないのですが。

今回の落語会は、馬るこ師匠ときよひこさん以外は初見の方達ばかり(記憶違いだったらすみません)
浪曲の方がトリを取るというのも珍しいです。菊地まどかさんは、もともとは民謡をやられていた方のようで、声がとてもいいので、唄の部分はそれだけでも充分に聞き惚れてしまいます。芸能界に長くいらっしゃるので、華もありますし、キャリアを積んで語りが唄のレベルに釣り合ってきたら、凄いことになりそうな気がします。

小辰さんは、その落ち着いた物腰もありてっきりもう真打ちなのかなと思っていたら、まだ二つ目なのですね。語り口や佇まいが端整で、若手の中では嫌でも目につく方だろうと思います。多分、かなり人気のある方なんだろうなあと思ってスケジュールを見ていたら、独演会だけでなく、寄席や落語会のゲストにと引っ張りだこのよう。なるほどと納得です。


自分のお目当ての馬るこ師匠は相変わらずの面白さ。国立演芸場でお囃子とはいえUWFのテーマが聞けたのもちょっと感動です。(馬るこ師匠の出囃子がUWFのメインテーマ)

今回演じられたのは「置泥」。舞台を今のとあるお屋敷に変えての改作です。

とある屋敷に泥棒に入った男。しかし屋敷の中にはびっくりする位何もない。どこかに隠してあるはずに違いない、と踏んだ泥棒は刃物で屋敷の持ち主の男を脅かすが……。

実はこの屋敷の男が泥棒をはるかに上回るとんでもない男。これでもかという男のクズっぶりと、それに振り回される泥棒とのやり取りの一つ一つがいちいち面白いです。馬るこ師匠の小ネタの多い噺は、本当に楽しいですし、師匠に合っているなと思います。

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(演目)

・林家きよひこ 「狸札」(開口一番)
・古今亭志ん松 「親子酒」
・入船亭小辰 「普段の袴」
鈴々舎馬るこ 「置泥」
・まんじゅう大帝国 漫才
菊地まどか 浪曲「梅川忠兵衛」