だいたい読書日記

本の問屋(取次)に勤めています。仕事柄、本を読むのが好きなので、ここで独り言を書いております。趣味でインプロという台本のない即興劇をやっており、ステージ経験もそれなりにありますが、コロナの影響で今はお休み中。その他、立ち食いそば、B級グルメ、落語、野球など、好きな事を好きなように書いています。

日記。文学の教室・リチャード三世1回目。

買い物以外はほぼ家から出ず、洗濯やら掃除やら本の整理やら、やや溜まってしまった家事を片付ける。緊急事態宣言が発令されてもコロナの感染者数に歯止めが掛からず、発令者でさえ2月7日に宣言が解除されるとは思っていないのではないでしょうか。都の8時以降の店舗への自粛要請は拡大し、電車の終電時刻も早くなるらしいです。元々が便利すぎるのかもしれませんが、個人の行動の輪が狭まり締め付けられているという感覚がますます強くなります。

いつもB&Bさんでやっている文学の教室も、流石に今回は全面オンラインでの実施。少なくても宣言が解除されるまでは、リアルでの読書会は無理だろうなあ。本を読む楽しみが一つ減ってしまった状態がしばらく続いてしまいそうです。けどそれでも、いやこういう状況だからこそ、世界を知るために、他人を知るために、本を読まねばならないと思うのです。たとえ今は先が見えなくても、前を見るしかない。

講師の藤谷治さんが、今回取上げたのはシェイクスピアの「リチャード三世」。戯曲です。なぜこの作品をあえて取り上げたのか疑問に感じていたのですが、どうやら岩波から出ている「暴君」でシェイクスピアのリチャード三世とドナルド・トランプとの類似性について言及されていたからだそう。なるほど、納得です。最近、人に本を紹介される事がめっきり少なくなってしまったので、こちらも読んでみようかな~。

1回目の今日はイントロダクションとして、まずは戯曲、特にシェイクスピアの戯曲の読み方について。藤谷さんがすすめていたのは、キャスト表も見ず、ト書きも見ず、舞台を客席で観るように一気に戯曲を読んでいく、読み方。なかなかユニークで面白い読み方です。

藤谷さんの話を聞いていたら、以前、僕の舞台の先生の一人から言われたことを思い出す。シェイクスピアが生きていた頃は、演劇は野外で上演することが多かったので、後ろの方で舞台が良く見えない観客のために、シェイクスピアの戯曲はチキストを読めば全部わかるように出来ていると。なので、藤谷さんの劇のようにテキストだけを読んでいく読み方は、特にシェイクスピアの戯曲に対しては、とても理にかなった読み方なんだなと感じました。

それと平行して思い出したのが、井上ひさしさんがすすめる戯曲の読み方。お気に入りのキャスティングで配役表を作って、出来れば声を出して読むこと。井上さんは「本の運命」のなかで、そのように推奨しています。藤谷さんのおっしゃっていた、リチャード三世=ケンワタナベ、乃木坂46なら誰がどの役かキャスティングしながら読んでみる、というのも面白い読み方です。

本の運命 (文春文庫)

本の運命 (文春文庫)


米(付記 )今回のテキストのリチャード三世は、ちくま文庫の松岡和子さんの翻訳のものが取り上げられています。新潮文庫はほぼどこの書店さんも取り扱っているのですが、ちくま文庫は演劇関連の本がある程度充実していないと、在庫しておらず。予想以上に見つけるのに苦労しました。今さらですが新潮文庫のブランド力はやっぱり凄いなあと感じました。