だいたい読書日記

本の問屋(取次)に勤めています。仕事柄、本を読むのが好きなので、ここで独り言を書いております。趣味でインプロという台本のない即興劇をやっており、ステージ経験もそれなりにありますが、コロナの影響で今はお休み中。その他、立ち食いそば、B級グルメ、落語、野球など、好きな事を好きなように書いています。

日記②。世田谷文学館「あしたのジョー展」「常設展示 ムットーニのからくり文学館」

いよいよ、プレスリリースが出てから、ずっと行きたいと思っていた「あしたのジョー展」へ。根強いファンの多い展示なので、平日にも関わらずそれなりの人出。日曜に行かなくて良かったな、とつくづく思います。アニメや映画はそれこそ何回も見ましたが、実は漫画は前半を読んだことがないんですよね。こうやって改めて見ていると、かなり忠実にアニメになっているのですね。今回は原画がメインでアニメ関連の資料は全くといっていいほど展示されていません。それでも、手を加えなくてもとてつもなく面白くなってしまう原作のクオリティの高さと、それを忠実に再現しようとするスタッフの執念を感じます。

ジョーや力石の減量シーンを描いていると、自分の胃腸の具合までおかしくなってしまうというちばさんのエピソードには、凄まじいものを感じます。原画の一コマ一コマから出てくる熱量の高さは、こうした作業の積み重ねがあるから発せられるのですね。倒れても倒れても前に出ようとする原画のジョーを見ていると、自分も前に行こうという勇気がとてつもなく湧いてきます。偶然なのかもしれませんが、とてもタイムリーでいい企画だと思います。

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今回の展示でとても面白いなと感じたのは、原作の高森朝雄(=梶原一騎)氏とちばてつやさんとの原稿の比較が見れたこと。漫画の原作者という概念もまだハッキリとしていない時代ということもあり、梶原さんの原作はほぼ小説です。ストーリーテラーとしてはもちろん超一流の方ですが、並の漫画家の画力ではとても太刀打ちできないシロモノでもあります。ちばさんって、本当に凄いなあ~~(溜息)

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終わったあと物販コーナーで、文学館限定販売の「日めくり まいにちジョー」を思わず購入。今日は、本当に衝動買いが多い日です。

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「日めくり まいにちジョー」 1100円。お値段も手頃です。


次の常設展まで少し時間があるので、文学館のカフェで一休み。人もあまりいないし、雰囲気もいいし、ケーキも思った以上に美味い。穴場のいいカフェを見つけました。

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日替わりケーキとアイスティーのセット(600円) この日のケースはアップルキャラメルタルト。リンゴの甘酸っぱさとキャラメルのほろ苦さとの相性が抜群にいいです。


そこで、買ったばかりの竹千代さんの本を読みながら時間を過ごしていると、そろそろ予約した時間になったので常設展に。常設展は、ムットーニこと武藤政彦さんが製作し、文学館で収蔵されているからくり箱11個を順番に見ていくというもの。文学館ならではの面白い所は、このからくり箱の全てが過去の展覧会か文学作品にちなんだものだという事です。

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中島敦の「山月記」と漱石の「夢十夜」、芥川の「蜘蛛の糸」以外は未読の作品ばかりですが、からくり箱の一つ一つがそれぞれの小さな世界を表現していて、思った以上に楽しく見る事ができました。休憩時間を含めて80分くらいあったのですが、これは確かに一気に見た方が圧倒的に面白い。下手な映画や芝居より面白くてボリュームがあるのに、たった200円で見れるというのも、驚異的なレベルで良心的ですし。素晴らしい展示なのですが、ただ文学館として特にこの時期にこれをどう来場者に見せるのかという事は、相当に悩ましいだろうなあとは思います。それにしても、何故だか今日は萩原朔太郎づいている。何故だろう?