今日の午前中はB&Bさんで「文学の教室」。その前に早めに家を出て、新代田から世田谷代田、そしてB&BさんのあるBonus Trackに向けて歩きます。
普段は線路街沿いに歩くのですが、あえて今日はそこから一本ずれた道を歩きます。線路街に小田急線が普通に走っていた時には、文字通り「沿線」と呼ばれていた道です。
同じものを見ていても、目線が変わると、世界の見え方が変わる。一本道を変えただけで、日常がずれたような、そんな不思議な感覚を味わいます。
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「とまれ」が半分消えてしまい、「キス」になってしまっています。
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鉄塔。
そんな「文学の教室」。ブルガコフの「巨匠とマルガリータ」を読む、の2回目です。今回は内容に少し踏み込むということだったので、出来るだけ最後まで読んできてください、との藤谷さんからのお願い。何とかギリギリで読みきりました。
上巻がぶっ飛びすぎていて、どうなるのだろうかと思ったら、下巻でそれが思っていた以上にきちんとつながり、伏線がきちんと回収されているのには、逆にびっくりです。だからこそ代表的な世界文学の一つだと評されているのでしょうけど。
ソビエト当局の圧力で作品を発表する場を奪われ、目の光を奪われ、それでもこれだけの作品を10年にもわたって書き続けられたエネルギーやモチベーションがあった事に驚きを感じます。
自分が同じ立場だったら、自分のやっている事ばかりが、生きている意味も見いだせなくなり、速攻で心が折れてしまうだろうと思います。
口述したものをタイプを打ち続けてくれた奥さんの存在ももちろん大きな力になっただろうと思います。藤谷さんがおっしゃっていた通り、発表されないから、自分の書きたいものを書きたい表現で書こうと腹を括ったからからこそ、書くことのできた小説だという一面もあったでしょう。
ただそれだけが理由だとはとても思えない。それくらい、ブルガコフを襲った運命は残酷です。この作品を書くことと引き換えに、奥さん以外の全てを失う。
作中のマルガリータのように、そう悪魔と契約したのではないか。少なくてもブルガコフはそう思っていたのではないのではないか。そんなふうな妄想さえ抱いてしまいます。
とにかく、そんなふうに思えてしまうくらい素晴らしい小説ですし、今この時期に読んでおいて本当に良かったと思います。
「文学の教室」が終わった後は、世田谷代田から下り方面に少し歩いた場所にある、東京農大のアンテナショップに。以前から一回行ってみたかったんですよねえ。
アルコール類以外の加工品がもう少し充実しているといいなあとは思いますが、なかなか面白い品揃えです。
農大ようかんは小豆、芋、抹茶の三種類。抹茶だけ先に頂きました。甘みも抹茶の渋みもやや控えめで、全体的にとても柔らかくて食べやすい味でした。
その後は、代々木公園駅からバスに乗り、新宿で別のバスに乗り継ぎます。東京メトロのデジタルスタンプラリーを始めたのですが、駅の改札内外にあるポスターを探すのが思った以上に大変です。対象が全駅という事も含めてかなり骨っぽいミッションです。焦らず腰を据えてやるしかないです。
曙橋で降りたあとは、歩いて新宿歴史博物館へ。常設展はやはり江戸時代の宿場町以降のものが中心になります。こうやって展示を見ていると、江戸時代以降の新宿が流通の拠点であり続けながら栄えていった事が、よくわかります。
どちらかといえば、歴史の流れよりも、ポイントを選んでそこを掘り下げて展示、解説しているようです。復原された家屋や模型など、目で見てわかる資料が豊富で、潤沢な予算を持っている新宿区だからできる事ではあります。
ただ、その事にあぐらをかかずに、特別展も含めて丁寧に作業していますし、区の観光や教育の施策と上手くリンク出来ていて、なかなか良くできた展示だと思います。
ここに来た一番の目的。三館協働のスタンプラリーのスタンプもゲットできましたし、栞も無事にもらう事ができました。あとは、田端文士村記念館でミッションコンプリートです。