だいたい読書日記

本の問屋(取次)に勤めています。仕事柄、本を読むのが好きなので、ここで独り言を書いております。趣味でインプロという台本のない即興劇をやっており、ステージ経験もそれなりにありますが、コロナの影響で今はお休み中。その他、立ち食いそば、B級グルメ、落語、野球など、好きな事を好きなように書いています。

日記。国立演芸場6月上席。「立川志の輔一門会」@府中芸術の森劇場

土曜の昼前から外出する時は、起きれず、家を出れずで、いつも着くのがギリギリになってしまいます。まあ、平日働いた疲れもあります。それだけでなく、こういうご時世なので、日中はかなり神経が張りつめている状態というのもあります。おまけに昨日は、夜の安楽亭で受けたダメージも残っています。

決して、意識して予定をたてた訳ではないのですが、今日は落語の日らしいです。そんな日にふさわしく、本日は昼と夜で落語会のハシゴです。調べてみたら、落(=6)、語(=5)の語呂合せだそう。伝統芸能だけに、もう少し粋で風情のある理由を期待していたのですが、ちょっとだけ残念です。

まず、昼は国立演芸場の上席。半蔵門から、演芸場に向かって歩いていると、とちゅうで「そばうさ」さんが!建物の老朽化が原因でしばらく店を閉めていたのですが、物件が見つかって漸く再稼働するよう。しばらくはランチ営業だけのようですが、それでも復活してくれてとても嬉しいです。一瞬、少し遅れてもいいので食べていこうかなとも思いましたが、グッと堪えて、演芸場の方に。再開したのでしたら、またがあります。

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移転して、営業再開したそばうささん。

演芸場に到着した早々、貼ってあったのが、扇辰師匠休演のお知らせ。よくあることなのは分かっているのですが、仕方はないのも分かっているのですが……、それでも今回の一番のお目当てではあったので、聴けないのは少なからずショックです。代演の菊生師匠には全く不満はないので、本当に申し訳ないとは思っているのですが……。

今回の高座ですが、トリの彦いち師匠を含めて、終始ユルユルとリラックスして見れる雰囲気。談春師匠の独演会のように、張りつめた真剣勝負の場も大好きなのですが。それとは真逆のいかにも寄席、という今日のような空気も嫌いではありません。

きよ彦さんは、娘を一流のヤンキーにするために暗躍する母と、そこにまんまとハマる娘とのやりとりを描いた新作落語。「落研出身の落語家と、元暴走族総長の落語家、世間でニーズがあるのはどっち?」には爆笑してしまいました。

ひろ木さんは落語と三味線の二刀流という、かなり変わったスタイル。なまじ三味線もしゃべりも上手いので「この練習の時間を落語の稽古に使ったら……」と思ってはしまいますが、これはこれでありかと。そもそも、師匠の木久扇さんが高座できちんと古典落語をやってるのを見たことがない(笑)

トリの彦いち師匠の「という」は、なにが本当で何が嘘なのか、聴いているうちに訳がわからなくなり、頭がクラクラしてくるような気分になる「という」不思議な新作落語です。

(演目)
・三遊亭二之吉 「転失気」
・林家きよ彦 「反抗期」
林家ひろ木 「世界一周旅行」
ホンキートンク 漫才
・古今亭菊生 「粗忽の釘

~仲入り~

古今亭志ん五 「水族館」
マギー隆司 奇術
林家彦いち 「という」

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国立演芸場の寄席が終わった後、半蔵門から地下鉄に乗り、九段下で都営新宿線に乗り、更に笹塚で京王線東府中駅まで行き、次の目的地の府中の森芸術劇場へ。4月からいろいろな公演が中止になり続け、久しぶりの主催公演との事。かなり早い時期から売っていて完売になっていたので、100%入れての公演だそうです。という事もあり、密集や飲食禁止は当然の事として、いつもよりもスタッフも増やし、かなり念入りに感染症対策が取られていて、安心して落語に集中できる環境を整えてくれています。5月主催の落語会はギリギリで中止になり、かなり悔しい思いをしましたし、釈然としないものも感じました。ただ、今回は府中市には心から感謝です。

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桟敷席が。公共の施設ではかなり珍しいです。

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進行表があるにはあるのですが、予想通りこの通りにはいかず。仲入り前にもうすでに、15分押してました。ゆるゆると時間通りに終わった国立演芸場とは大違いです。ただでさえ、立川流は寄席の定席への出演がかなり制限されているのに、このコロナ下。特に弟子の皆さんが落語をする場所に飢えているのが、ひしひしと伝わってきますし、みなさんすごく気合いが入っていました。これも昼とは大違いです(笑)

本音を言うと、最初は志の輔師匠の独演会だったら、どんなにいいだろうか?けど、そうだとしたら、自力ではチケットは到底手に入らない。なので、ここはこれで妥協しよう、って思いましたよ。けどホントにすみません。3人ともとても面白かったですし、志の春師匠も含めて今日はみなさんの名前と顔を覚える事が出来て心から良かったって思っています。ただ一門会と独演会、どちらか選べるのでしたら、迷わず「独演会」を選びますが(笑)


そして、お目当ての志の輔師匠。やはりさすがです。古典落語の幹の部分はきちんと残しつつ、枝の部分はきちんと再構成して、わかりやすく伝えてくれます。「言葉の大切さ」を疎かにした人間が、強烈なしっぺ返しを受ける噺にしたことで、「ちりとてちん」の噺を、今までよりも一歩深く理解できたように感じます。


(演目)
・立川志の麿 「紙入れ」
・立川志のぽん 「がまの油」
立川志の八 「竹の水仙

~仲入り~

・口上(立川志の春真打昇進)
立川志の輔ちりとてちん