だいたい読書日記

元本の問屋(取次)に勤務も1/末に退社。ただ今、絶賛求職活動中。好きなものは読書、インプロ(即興劇、舞台経験あり)。その他、立ち食いそば、B級グルメ、落語、ベイスターズ、FC東京、謎解きなどに興味があります。基本自分の備忘録なので、好きな事を好きなように書いています。

日記。紀伊国屋寄席8月。

昼からユーロスペースで今日だけやっている、塚本監督の「野火」を観に行きたかったのですが、家の事が終わらずに諦める。

頑張れば、行けない事はなかったのですが、どうしても暑さに負けて易きに流されがちです。流石に猛暑日が1ヶ月ひたすら続くという事はないでしょうから、ここは踏ん張り所かなあと思います。

それに、今月は気分のままに平日に予定をぶっ混み過ぎたので、ここいらで押さえめにしておかんと。明日からまた仕事もありますし。

けど、あんまし自宅に居たくもないしなあ~。野火は秋くらいに、DVDを借りて見る事にしましょう。

野火 [DVD]

野火 [DVD]

  • 塚本晋也
Amazon


結局、夕方から新宿に出掛ける事に。途中、じゃがポックルを買ったり、お姉様方の写真撮影の邪魔にならないように、キスマイの看板を大きく迂回しながら、新宿の紀伊国屋さんに。



店内さんをブラブラして、佐藤究さんのサイン本を買ったあと、4階のホールへと向かいます。


本日は人気ものの伯山先生(今まで「師匠」とどっちで呼ぶか悩んでいたのですが、正楽師匠も「先生」と呼んでいたので、今後はこちらに統一します)がトリという事もあり、前売りの段階で完売御礼。我ながら良くあっさりとチケットが取れたものだと感心してしまいます。

その伯山先生は夏の定番とも言える四谷怪談から、最初のエピソードの「お岩誕生」を。よくよく考えてみたら、去年の今頃、東京芸術劇場で春陽先生の同じ講談を聴いているんですよね。

その時は無茶苦茶怖かった記憶があるのですが、今回は怖がらせるよりも、筋立てをしっかり聴かせる事に重きを置いているように感じました。

演者さんの個性だけでなく、「怪談を聴く」独演会と、寄席との差で、同じ演目でも演じ方が随分と変わるんだなあ、と素直に感心してしまいます。ここ一番でのお客さんを引き込む力の凄さは、やはりスターです。


伯山先生も期待通りの面白さだったのですが、期待以上に良かったのが、前半の、いちかさん、百栄師匠、雲助師匠の流れ。3人ともそれぞれ違った個性なのですが、自由にやりたい放題やりながらも、寄席として収まるべき所にしっかりと収まっている。とにかく凄いのひと言でした。あれだけ出来がいいと後ろは大変な半面、気合いは入ると思いますね。


その中でも特に凄かったのは百栄師匠。寄席のあるあるネタから入り、鈴本演芸場で二つ目の噺家古典落語をやるか、新作落語をやるかで葛藤する姿を描く新作落語。ネタのチョイスも良かったと思いますが、比較的高めの年齢層のお客でもドッカンドッカン笑いを取っていました。

百栄師匠も凄かったですけど、それと同じくらい凄かったのが、雲助師匠。「これからは古典落語になります」のひと言から始まり、開始1分経たないうちに、早くも師匠の落語の世界へ。本寸法でありながら、いい意味で伝統芸能という敷居の高さを感じさせない。聴きやすさと聞き応えの両方を兼ね備えた噺でした。


とにかくいい落語会だったので、明日からの仕事も頑張ろうという気分になりました。


(演目)
・古今亭菊一 「金の大黒」(開口一番)
・田辺いちか 「名医と名優」
春風亭百栄 「天使と悪魔」
五街道雲助 「千両みかん」

~仲入り~

林家正楽 紙切り
・神田伯山 「お岩誕生」