だいたい読書日記

元本の問屋(取次)に勤務も1/末に退社。ただ今、絶賛求職活動中。好きなものは読書、インプロ(即興劇、舞台経験あり)。その他、立ち食いそば、B級グルメ、落語、ベイスターズ、FC東京、謎解きなどに興味があります。基本自分の備忘録なので、好きな事を好きなように書いています。

日記。国立演芸場12月中席。憲政記念館。国立演芸場花形演芸会12月。

出掛ける前に風呂に入っていたら、いきなり火災報知器が作動し、かなりびっくりする。どうやら、風呂の湯気のせいで反応してしまったらしい。最初は、コンロの火をつけっぱなしにして、本当に火事になってしまったのかと思いました。自分のせいではない(と思う)が、心の中でご近所さんに謝る。


本日は、国立演芸場で落語会を二つ聴く。まずは13時から定席(中席)の公演。トリは小朝師匠。ご本人もおっしゃっていましたが、12月に高座に上がるのが好きだそうで、年の瀬になると落語会でよくお見かけします。今回の演目は「扇の的」。最近は長めの噺をしっかりやるよりも、短めのネタをつないでいく高座が多いように感じます。もしかしたら、私が見に行った時だけたまたまなのかもしれませんが……。それを差し引いても、師匠のやられる男女の噺は基本とても面白い。色気と気持ち悪さとのバランスが本当に絶妙です。ただ色っぽいだけだったら、面白くありませんから(笑)

来年真打ちに昇進する、ぴっかり☆さんは、おじいちゃんと嫁が家でカラオケをしていたら、おじいちゃんが亡くなってしまって……、という新作落語。実際にマイクを持って歌い出した時には、思わず笑ってしまいました。いい意味で振り切れまくっているのが、とても自分好みでいい感じです。

小団治師匠と小満ん師匠の年の差が2、3才位しか変わらないのには、いい意味で驚きがありました。年を感じさせない芸も人も若い小団治師匠。それに対して、ベテランにしか出せない枯れた味わいのある小満ん師匠。対照的ではありますが、それぞれが持ち味を出していて、会にいいアクシデントを加えていました。キャスティングした方のセンスの良さを感じます。

(演目)
・春風亭貫いち 「鮑のし」
・林家扇 「星野屋」
柳家小団治 「子ほめ」
柳家小菊 粋曲
柳家小満ん時そば

~仲入り~

春風亭ぴっかり☆「涙をこらえてカラオケを」
・ぺぺ桜井 ギター漫談
春風亭小朝 「扇の的」


中席が終了したあと、次の会まで少し時間があったので、最高裁判所、国会議事堂の前を通って憲政記念館へ。来年の1月末以降は閉鎖されて、新しい場所に4月移転するそうなので、この場所で見学できるのはひょっとしたら最後かもしれません。コロナ対策や引っ越しのため何割かの施設には入れませんでしたけど、憲政の歴史や館の活動についての展示や、尾崎行雄に関する資料が陳列されている場所については、見学することが出来ました。「人生の本舞台は常に将来に在り」 と晩年に言えてしまえる尾崎行雄という人に、凄みのようなものを感じてしまいました。

展示そのものについてはなかなか面白かったのですが、憲政の歴史に関する資料がほとんど複製品だったのが、少し残念だった点。陳列を見ている限りでは、国会図書館国立公文書館との板ばさみに合って、なかなかオリジナルの資料の展示や館として独自性を出す事に苦労されているように見えました。安倍さんなんかも、首相時代に改憲を打ち出したのでしたら、こういう施設をもっと上手く活用すればよかったのになあと思うのですが……。安倍さんの歴史や憲法に関する施策を見ていると、賛成反対以前に、中曽根さんや宮澤さんのような深い知識と教養に裏打ちされている部分がなかなか見えてこないと感じるのは、私だけでしょうか?



17時半からは花形演芸会。爆笑問題さんが出演するという事もあり超満員です。その爆笑問題さんは、大御所でも手抜きなし。熱のこもった素晴らしい高座です。太田さんが自在にボケている所に田中さんがツッコムだけでなく、田中さんのそのツッコミを太田さんが絶妙のタイミングで更なるボケを置きにいって、話しと笑いを広げている所はホントに名人芸です。テレビのコメンテーターの太田さんは、正直あまり好きにはなれませんが、漫才師としては本当に凄いと思います。

そんな爆問さんに引っ張られたのか、この日はその後のお二人が出色の面白さでした。仙成さんは特に鍬の刃の上に器を乗せて、それを回す芸が成功した時には、客席からどよめきの声が上がる盛り上がりっぷりでした。雀太師匠は一見するとストーリーがぐるぐると同じ所を回っているように見えて、少しずつ事態が大きくかつ収束不能の方へと向かっていく仕掛けがとても巧み。幸助がむきになっていき、段々と狂気さえ孕んでいくのに、きちんと「洒落」として成立させ、爆笑噺に仕立て上げていくあたりの手並みは、本当に流石のひとことです。


(演目)
・三遊亭まんと 「出来心」
・春風亭昇羊 「悋気の独楽
柳家㐂三郎 「唖の釣」
鈴々舎馬るこ阿武松

~仲入り~

爆笑問題 漫才
・鏡味仙成 曲芸
桂雀太 「動乱の幸助」


演目の写真を撮り忘れてしまったので、別の方のツイートから引用させていただきました。見ている方が多いと、こういう所は本当にありがたいです。