京浜東北線の蒲田駅で下車した後、池上線に乗り換える前に、一度行ってみたかった屋上かまた園へ。改装中で、通行できない場所が多かったのは大変に残念ですが、観覧車が見れたので、こちらも良しとする事にします。平日という事もあり子供の遊び場というよりも、働いている人の隠れ家のようになっていました。会社の近くにこういう隠れ家があったら、自分も確実に行くでしょうね。
池上線に乗って、洗足池駅で下車し、池の周りを半時計回りに5~6分位歩くと、今日の第2の目的地の勝海舟記念館に着きます。けど、その前に近くにある海舟のお墓に手を合わせてから行く事に。落ち着いていて、いい雰囲気の場所です。今回始めて行ったのですが、こういう風景が所々に残っているのが、東京という都市の面白い所だと思います。行列店に並んだり、密になってまで人気スポットに行く事だけが、東京の歩き方ではないと、コロナ以降は本当につくづく感じます。
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洗足池。なかなかに趣きがある場所です。海舟がこの地に住んだのも分かる気がします。
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海舟のお墓。
記念館は、書翰を中心に貴重なものが展示されています。書翰でわかりにくい部分を、パネルなどを使って、視覚的にわかり易く解説しているのが好感が持てます。こういう記念館は得てして地元のヒーローを美化しがちなものですが、咸臨丸の時に体調不良でまるで役に立たなかった事も含めて、やらかした事についてもきちんとエピソードとして盛り込んでいる所は、記念館の誠実さを感じますし、海舟という人物を知る上での助けにもなります。そもそも何の欠点もない可愛いげのない人間に、憧れる事はあっても、人は共感も応援も感情移入もしません。
海舟が英語を勉強し始めたのが、20才を過ぎてから。今まで、その事をあまり意識して考えた事もありませんでしたし、よくよく考えると意外に感じました。年令を言い訳に学ぶ事から逃げるな、と海舟に発破をかけられているような気分になります。
今回の特別展示は、海舟と徳川慶喜に関するもの。飛鳥山ほどではありませんが、大河ドラマに少しだけ便乗した感があります(笑)書翰を見ていると、海舟よりも、慶喜や徳川一族の方にいろいろと複雑な感情があるように見受けられます。ひょっとしたら、慶喜は人間的には海舟の事があまり好きではなかったのでは、というふうに勘繰ってしまいそうになる塩対応です。それでも江戸開城について、新政府と交渉できるのは海舟しかいないと思っていて、その判断は間違いなかった、という事が余計に割りきれない感情にさせているのだろうと思います。
まだまだ勉強不足ですが、もし自分が戯曲を描くのなら、江戸開城とか海舟と慶喜の関係とかは、とても興味のある題材だと思っています。
ここから、戻って池上に行こうかとも悩みましたが、あまり遅くなると雨が降りそうで怖かったので、またの機会にする事に。替わりに、久しぶりに笹塚の洋食屋「ロビン」に行く事に。
味は抜群にいいのですが、正直、ここの常連さんとそうでないお客を区別するホールの接客が、自分はあまり好きではありません。なので、足が遠退いてしまっていました。リピーターを増やしたい気持ちも分かります。それに、それだけ人懐っこいお人柄なのも分かるのですが、同じ料金を払った人間には、同じサービスと接客を提供するのが真のプロだと、自分は思うのです。この辺は、人それぞれの考え方の問題で、正解はないのでしょうし、自分の考え方が絶対に正しいとも思っていませんが。
ただ今日のように、時短営業の影響で混雑の割りには店員さんがカツカツ状態で、常連客に優しくできる余裕さえないのもなあ、とも思います。厨房も人が減ってしまっていて、ピリピリしている雰囲気が、こちらにまで伝わってくるのには、ちょっと閉口しました。味も量も値段も文句はないのですが、以前以上に居心地が悪くなってしまっていて、常連客と仲良くする余裕さえなくなってしまっているのは、これはこれで考えものだなあという気がしてきます。流行店ゆえの問題なのでしょうけど、接客について、いろいろと考えさせられました。平日の日中というのもあるのでしょうが、客席のほとんどが、お金に限りのある学生さんか、無神経な事には定評のあるおっさんサラリーマンで占められているのは、今の状況と無縁ではないように感じられます。
今度お邪魔するのは、時短営業の状況やお客さん混雑具合を見ながらにします。
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ハンバーグナポリタン大盛 1010円。このボリュームで、美味しいというのは素晴らしいのですが……。