だいたい読書日記

元本の問屋(取次)に勤務も1/末に退社。ただ今、絶賛求職活動中。好きなものは読書、インプロ(即興劇、舞台経験あり)。その他、立ち食いそば、B級グルメ、落語、ベイスターズ、FC東京、謎解きなどに興味があります。基本自分の備忘録なので、好きな事を好きなように書いています。

日記。超入門☆美術お笑いトーク「ザ・アート 2021秋」。柳家㐂三郎独演会@道楽亭

少し早めに着いて朝食を採ろうとしたら、四ツ谷の六番町付近にコンビニさえ見つからず、あたりをうろうろしてしまう事に。何とか成城石井を見つけて、大福とお茶で朝食替わりにしましたが、朝からかなり閉口しました。周囲に学校も結構あるのですけど、コンビニもパン屋も駄菓子屋もない。子供達は部活とかが終わってお腹が減ったら、どうしているのでしょうか?疑問です。

こんな土地勘のない場所に来たのは、ザ・ニュースペーパーの福本ヒデさんが講師をしている、美術講座を受講するため。今回はセザンヌ葛飾北斎について、みっちり2時間オーバーお話ししていただけました。分りやすくて面白いだけでなく、福本さんの美術に対する真剣さと熱量が伝わってくる講義です。美術を見るためには、描いた人の事を知っておくといろいろと便利ですし、自分なりの面白いポイントを見つけるといろいろと理解が深まるんだな、という事が実感できました。セザンヌが絵画についての理論や技術を本格的に勉強していないために、技術的には突込み所が多いというのは、絵を見てみればなるほどと頷ける所。けどそれだからこそ、既存の絵画の様式を破壊して新しいものが作れたのだろうと思います。技術的には素晴らしいけど面白くない作品というのは、世の中にいくらでもありますし………。

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セザンヌ「カード遊びをする人々」のパロディ。福本さん画。


セザンヌ北斎のように、面白いと思ったらとりあえずやってみる。これだというものを見つけたら続けてみる姿勢は、変化が激しくて先が見えない今のような時代だからこそ、多いに見習う所があります。庶民向けの「浮世絵」を描いていた北斎は、ある程度年を経るまでは、彼等同様に全く無名の「庶民」だったそうです。それがひたすら続けていく事で、ご用絵師の狩野派さえも凌駕し、海外の多くのアーティストにも影響を与える絵師になる。それもやり続けた事が大きかったと思います。北斎はお金がなくて、自分の弟子に名前を売ってまで絵を描き続けた、というエピソードがあるそうです。一見すると情けない事の極めに見えますが、そこまでして自分のやりたいことをやり続けたという見方をすれば、絵描きとしてこれだけ凄い事はないように思えてきます。

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北斎富嶽三十六景 甲州石班沢」の、しりあがり寿さんのパロディ。確かに、そこに尻があれば、人は浣腸せずにはいられない生きものです。人間の本質を突いた、目から鱗の作品です(笑)



福本さんの講義がやや押し気味になってしまったので、丸ノ内線で急いで新宿御苑前まで移動して、道楽亭さんで柳家㐂三郎師匠の独演会。時間がなかったので先に受付を済ませて、急いで昼食を採ることに。さすがに大福二つだけでは脳が限界です。

師匠の高座をきちんと聴くのは始めてですが、さん喬師匠のお弟子さんだそう。さん喬師匠のお弟子さんというと、真っ先に喬太郎師匠や左龍師匠が思い浮かびますが、器用に演じるお二人とは少しタイプが違うようです。その替わりに、感情表現が豊かで一生懸命に演じていているのがとても良く伝わってくる高座。見ていて、師匠と登場人物の両方の事を応援したくなってきます。なので、初音の鼓や愛宕山のような身体いっぱい使って汗だくになるような噺は、本当に面白いです。

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(演目)
・家見舞い
・化け物使い

~ 仲入り~

・初音の鼓
愛宕山

帰り、支払いやら買い物やらをいろいろとこなして、最後に都バスの定期を買うために、杉並車庫の営業所に行くことに。普通に都バスの販売所に行くよりもかなり空いていますし、たまにノベリティを貰えたりと、お得な穴場になっている事が多いので、重宝しています。

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