昨日の帰りにネットを見ていたら、円楽師匠に引き続き、アントニオ猪木さんの訃報が。子供時代のヒーローの一人だった方なので、ただただ寂しいのひと言です。
みんな、早すぎるよ~!
昼前から出掛けてて、国立演芸場の上席へ。伯山先生がトリを取るという事で、9割のワクワクと、もし代演になったらという1割の恐怖で、この日を待っていたのですが、どうやら無事に出演されるそう。まずは、ひと安心です。
養老瀧之丞さんが休演になってしまい、東京ボーイズが代演になります。そのお二人が急遽のせいもあり、帽子とウクレレを忘れてしまうというアクシデント。そんなこそありましたが、この程度で済んだのなら、問題なしです。
今日は、前半の伸衞門師匠→青年団のお二人→笑遊師匠流れがとても面白かったですねえ。それぞれ芸風は違うのですが、それぞれ違った切り口で高齢者問題に切り込んでいて、おまけにそれぞれが面白い!もっとも笑遊師匠の場合は、当事者が高齢者なのですが(笑)
伸治師匠もそうですが、成り金人気のおかげで、メンバーの師匠にもスポットライトが当たる事が増えているのは、とてもいい事だと思います。個人的にも、特に定席公演ではいろいろなタイプの「未知の強者たち」に会いたいとも思ってもいますし……。
トリの伯山先生は初日らしく、勢いのある噺。ラジオの影響で毒舌キャラのイメージが先行してしまっていますが、こういう演目選び一つに、観客への気配りとかバランス感覚の良さが見えるのは流石だなあと思います。
噺そのものも、お客が付いてこれるように途中で区切ったりリズムを調整したり、解り易さの中にも良く考えられているな、という印象。芸そのものもこれからまだまだ進化していくでしょう。今だけでなく、これからどれだけ伸びていくのかもとても楽しみだと感じさせてくれる高座でした。
(演目)
・神田梅之丞 「出世の春駒」
・昔昔亭昇 「新聞記事」
・桂伸衛門 「老人ホームごっこ」
・コント青年団 コント
~仲入り~
・宮田陽・昇 漫才
・桂小文治 「七度狐」
・東京ボーイズ 歌謡漫談
・神田伯山 「忠臣蔵義士銘々伝 安兵衛婿入り」
終演後は、普段は半蔵門駅か永田町駅か東京メトロを使って移動するのですが、今日は都バスを使って四谷~新宿方面に移動することにします。
次のバスまで時間があったので麹町のラーメン屋「極や」さんで少し遅いお昼を済ます事に。醤油、魚介、のり、野菜などスープの味が何層にもなっていて、とても繊細な味。複雑なのですがお互いを活かしあっているので、とても優しい味なのがいいです。
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全部のせラーメン(醤油) 1200円。
夜は三鷹に移動して、舞台を観る。もうちょっと余裕があると思っていたのですが、結構カツカツの時間に。啓文堂さんで本を買おうとウロウロしていたからかなあ~?
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店内を回って、結局買った本。
まあ、開場には間に合ったからいいや♪
今日観たのは、今年の「Mitaka Next Generation」に参加している「ほりぶん」さんの舞台。コロナになってから芝居の単価がかなり値上がりしてしまったので、小劇場の最前線にいる劇団の舞台が3000円台で観られるという事自体がとてもありがたいです。
北区のとある団地に住む6人の女性の身に起こった、ちょっと不思議な出来ごとを巡る物語。
北区とは何かと縁がある私ですが、高齢者の方の比率が高くて、ちょっと昭和の香りがする。そんな団地が実際にあって、そこにこんな人達が本当に住んでいそう。そんな、空間のリアリティがあります。
そんな空間を含めた感情や台詞のやり取りのリアルさ。それと不思議な設定とコントに出てくるような、少し変な一面をもったキャラクター。そんな虚と実の匙加減とスイッチの切り替えがとても巧みです。
そして、ただ巧みなだけでなく、とても丁寧なのが好感が持てます。一つ一つがきちんと積み上げられているので、不思議だったり力業だったりする設定も、違和感なく観れてしまいます。
決して派手さはないのですが、観ていて巧いなあ、と心の中で唸ってしまう場面が結構ありますし、明るい熱量があるので、見終わった後に、スカッとした気持ちになれる。とても楽しい舞台だったと思います。