だいたい読書日記

元本の問屋(取次)に勤務も1/末に退社。ただ今、絶賛求職活動中。好きなものは読書、インプロ(即興劇、舞台経験あり)。その他、立ち食いそば、B級グルメ、落語、ベイスターズ、FC東京、謎解きなどに興味があります。基本自分の備忘録なので、好きな事を好きなように書いています。

日記。ルート1。シアターモリエールのクラスターについて。(私ごときが書くことではないのかもしれませんが)

赤羽で夜ごはんを食べていたら、テレビからシアターモリエールの公演でクラスターが発生したという報道が流れ、とても苦々しい気分になる。

お客として、そろそろチケットが取れたら舞台を観に行けたらなあとも、知り合いの演劇関係者の方たちのあまりにも厳しすぎる現状が、これを機に少しでも改善されればいいなあとも思っていた矢先なだけに、今回の件についてはとてもショックです。

何の兆候もなく20人以上の感染者が出たという事はありえないし、演者やスタッフの健康状態には細心の注意を払い、もしほんの少しでも怪しい人間が発生した場合には公演を中止する位の覚悟がなければ、観客に安心して劇場に来てもらう事など出来るはずがありません。公演が全て終わった後に発覚するあたりも、いろいろと弁解はしていますが「やってしまえば、後は何とかなるだろう」というふうにも見えてしまい、浅はかだと言われても批判のできない状況だと思います。

インプロと演劇との差はあるかもしれませんが、アマチュアの僕でさえ、ワークショップでさえ、今までのやり方がほとんど通用せず、他の演者さんとどう距離をとればいいのか、どんなセリフの発し方をすればいいのか、試行錯誤しながらやっています。まして、劇場で公演をするという事は、更にそこに、演者と観客との距離や関係を、一から見直していかなければいけないはず。報道を観ている限りでは、演出や制作レベルで、そのような配慮が充分にされているようには、とても見えません。でなければ、850人という、途方もない数の濃厚接触者が発生するとは、普通なら思えない。

危惧しているのは、演劇そのものが感染者や濃厚接触者を大量に発生させてしまう危険なものだという認識になり、せっかく再開の目処が立った、新国立劇場歌舞伎座劇団四季宝塚歌劇団などを始めとした舞台の再開が時期尚早だと言われてしまったり、今後の公演の可否や客足に大きな影響を与えてしまうこと。更には、大規模なクラスターを発生させた、という前例を作ってしまったために、行政からの指導が今まで以上に厳しくなることです。

おそらく、そうならないために、もしそうなった時でも被害をギリギリの最小限に押さえるために、演劇関係者の方たちはいろいろと考えて、一つ一つリスク回避の方策を積み上げてきたのだろうと思います。自分の知っている人達も、規模の大小を問わずみなさん細心の注意を払っているのに、今回の件では、何かそうした多くの演劇関係者が払っているような細心さが見えてこないんですよね。もしかしたら、まだ報道されていないだけかもしれませんが……。


それにしても、素人でさえ分かる事が、何故プロを名乗るみなさんには分からないのですかね。プロだからこそ、利益が先に行ってしまったのか、それともいつも通りにこなそうとしてしまったのか。自分達は最善を尽くしていたの一点張りで、どこに問題があったのかの分析も説明も全くしていない。こうした所にも、対応への甘さを感じます。万一、仮に、被害がこの10分の1だったとしても、ほとんどのカンパニーにとっては詰みになってしまう上に、筆舌に尽くしがたいレベルの非難を受けてしまうのは目に見えているはずなのですが。

願わくば、今回のような一つの問題で、演劇業界の全てに問題があるような見方だけはしてほしくないな、と思います。