だいたい読書日記

元本の問屋(取次)に勤務も1/末に退社。ただ今、絶賛求職活動中。好きなものは読書、インプロ(即興劇、舞台経験あり)。その他、立ち食いそば、B級グルメ、落語、ベイスターズ、FC東京、謎解きなどに興味があります。基本自分の備忘録なので、好きな事を好きなように書いています。

日記。北鎌倉葉祥明美術館。円覚寺参拝と北鎌倉落語会(桂伸治・桂宮治親子会)。

たまたま運良く予約が取れてしまった、伸治師匠と宮治師匠の親子会に行くために、午前中から出掛ける事に。

開始は13時半なのですが、何といっても会場が北鎌倉の円覚寺!都下からですと、どうやっても片道二時間は掛かります。

それでも、料金を全く考えなければ、湘南新宿ライナー横須賀線がかなり早くなってくれたのは、大きいです。

という訳で、行きはスピード重視で、早く到着したら観光するという方針で、ざっくりとプランを立てていきます。

 

11時前に北鎌倉駅に到着。小雨とはいえシーズンなので、凄い人です。ちょっと甘く考えていました。この混雑では建長寺まで片道30分近く掛かりそうなので、開場までに戻ってくるのが、難しそう。

なので、距離的には戻ってきやすい明月院を目指したのですが、まさに今が紫陽花のシーズン。途中まで行ってみましたが、すんなり入れる訳もなく、かなり長い行列が出来ています。

なので、プランCで考えていた、葉祥明美術館に向かうことにします。

北鎌倉にゆかりのある方なのかな、と思っていたのですが、まず始めに計画があって、その後にいろいろと物件を探している中で北鎌倉になったそうです。開館から25年経っている事もあり、庭も建物も北鎌倉の地にしっくりと来ています。

 

庭と入り口付近にある売店については自由に見学でき、美術館のみ有料だそう。美術館の中は、葉祥明さんの絵本や詩が展示されていて、他にも葉さんの作品を自由に閲覧できるコーナーもあります。

 

作品はもちろんなのですが、一つ一つの調度品の置き場もきちんと考え抜かれていて、見学しているうちに、まるで知り合いの家に遊びに行っているかのような気分になります。

絵画も、暖色で柔らかい色使いのものが多く、調度品と相まって、空間自体の居心地がとても良いです。予定がなかったら、ここでずっと本を読んでいてもいいような気分になってきます。

 

暖かいだけでなく、絵の中に寂しさや孤独さも垣間見えてしまう所が、安易に癒し系と言われている絵とは、一線を画していると思います。

 

美術館の中や作品もそうですが、北鎌倉という場所は、不思議と猫が似合います。移動中に見かけたギャラリーにも猫の姿が。

可愛いしぐさをされると、弄ばれていると分っていても、ついついそちらに目がいってしまう。

私たち人間の、悲しい性です(笑)

 

落語会の開場時間まで少し余裕があったのですが、早めに入って参拝させていただく事に。

落語会の入場料に、お寺の参拝料が含まれていますし、そう頻繁には足を運べる場所ではありません。チャンスは有効に使わないと。

 

実際に目の前で見ると、やっぱり鎌倉のお寺の中では建長寺と並んで別格なんだなあという事を、リアルに実感できます。

一つ一つの建物や庭園が風情があるだけでなく、手入れがきちんと行き届いています。狭い鎌倉の中で広大な敷地を持っている事ももちろん驚きですが、それを長年に渡って維持し続けている。人と歴史の重みを感じます。

総門

山門

選仏場。お寺のお坊さんが座禅などの修行を行う場所。

方丈。もともとは住職の住まいだったそうですが、今ではイベント等で、一般の人にも広く開放されているそう。

妙香池

国宝の舎利殿。この日は立入り禁止になっており、遠くから撮影。

 

総門から北にゆったりと登っていき、ほぼ最北の場所にあるのが、今回の会場の佛日庵。1~2カ月に1回程度のペースで落語会を開催していて、今回が90回目だそう。

終わった後の挨拶で、住職が「これを機会にお寺を観ていただければ」とおっしゃっていましたが、まさに住職の思惑通りに動いてしまった私(笑)

自分の根が単純であるのは間違いありませんが、それでもお互いにとってきちんとwin-winになっています。第一そうでなければ、わざわざ北鎌倉まで足を運ぼうとはさすがに思わないです。

 

落語会の方は、お二方が本当に楽しそうです。そのお陰もあり、噺家さんも客席も終始いい雰囲気の会です。特に、伸治師匠が宮治師匠と一緒に会が出来るのが本当に嬉しそうで、その姿を見ているだけで、こちらも楽しくなります。

 

宮治師匠の「四段目」はごまかそうとすればするほど、芝居がかってしまう定吉の姿が秀逸。もっともらしく見せようとすればするほど、自分でも嘘くさいと感じてしまう。日常でも結構ある事です。これを聴けただけでも、充分に元を取れた気がします。

前半とは対照的に、後半はイヤな噺に。前半は所々にユーモアを混ぜながら、気がついたらシリアスな展開に引き込まれいくさじ加減の絶妙さは流石です。

 

伸治師匠は前半も後半も70代とは思えないとても元気な高座。楽屋だけでなく、高座でも下ネタが炸裂します(笑)

ただ、やみくもに元気なだけでなく、前半の「あくび指南」はしぐさ入門といってもいい位の多様なしぐさを高座で演じてくれています。

確かに「あくび指南」って噺家がしぐさを演じるのを見る噺という一面があるんですね。いい勉強になりました。

「もう半分」同様、後半の「らくだ」も本来ならイヤな噺なのですけど、師匠が演じると、どこかカラッとして、ユーモラスです。師匠の人柄を反映しているのが大きいのでしょうが、二人の関係がシビアになりすぎないので、酔っぱらって屑屋の性格が豹変した後も、楽しく見れる所が良かったです。

佛日庵。ここのお堂が落語会の会場です。

開場前に、冷し抹茶で一休み。

落語会の会場。

 

(演目)

桂宮治    「四段目」

桂伸治    「あくび指南」

        ~仲入り~

桂宮治    「もう半分」

桂伸治    「らくだ」

撮影タイム。伸治師匠、宮治師匠と住職と世話人の方との4ショット。

 

帰りは横浜から東横線に乗り換える予定だったのですが、運良く戸塚で座れてしまったので、惰性でそのまま都内へ。昨日も終日出歩いていたので、さすがに疲れました。

 

明日から仕事なので、家に帰って洗濯や掃除をしてから、早く休みたいです。