少し早めに家を出ようと思ったのですが、結局、昼過ぎから出掛ける事に。今日は午後から北とぴあ若手落語家競演会を聴きに行きます。
二つ目の噺家6人が、持ち時間15分で真剣勝負をする年に一回の場。我々、観客の一票の投票だけで決まる、というシステム。若手の噺家さんだけでなく、我々にとっても、とても貴重、かつありがたい会です。
ただ、審査員である以上、どうしても、いつもより真剣に聴いてしまいますし、若手の噺家さんから見たら、大賞が取れるか取れないかで、文字通り人生まで左右してしまいかねません。
大賞を取った人に投票したら、プレゼントが貰える抽選にも参加できるので、それも余計に力が入る理由。
時間も、最低三時間以上。参加者もそれなりに覚悟を求められる会です。なので、疲れていると、どうしても足が重くなります。
幸いな事に、台風はどうにかなりそうかな?それを確認しようと思い、スマホを見ようとしたら、鞄の中に入れ忘れた事に気がつく。ああ、また、やっちまいました。
ヽ(´Д`;)ノ
チケットの支払いも、公演の演目の写真撮影も、デジタルスタンプラリーも出来ず。かなり動きが制限されてしまいました。まあ、落語会に集中できると考えて、切り替えるしかない!
ホールの入り口付近で北区の名物の販売が。今回は、トキハソースさんと明美さんという、北区名物の王道のお店が二件。僕は、トキハソースさんの生ソースおかきを購入しました。
もともとソースそのものが、野菜のエキスがたっぷりでフルーティなのですが、それを差し引いても、ソースおかき離れしたかなりさっぱりした味。こんな食べやすいんでしたら、もう何個か買っておけば良かったです。
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トキハソースの生ソース入りのおかき(1パック 300円・後日撮影)
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公演のチラシ(発売当初のもの・後日撮影)
肝心の落語会の方は、去年のような何がなんでも勝ちにいくというギラギラとした感じはそこまでではありませんでしたので、幸いな事に、カロリーは去年ほど高くはありませんでした(笑)
ただ、6人それぞれが、自分の個性や持ち味を生かす高座。例年以上に、拮抗していて、一票入れるのが難しかったです。悩んだという点では、一番悩んだかも。
その難しい中でも、最後まで僕の候補の中で残ったのが、昇吾さん、朝之助さん、音助さんの三人。
昇吾さんは、権助の粗忽者っぷりと、昇吾さん個人のナチュラルなトンパチっぷりとが上手く嵌まって、爆笑話しに。トンパチな割りには、器用な一面もあり、客観的に観客を意識できている所が好感が持てます。個人的には好きなタイプの噺家さんですが、観客によって評価が分かれそうな気もします。
朝之助さんは、柔らかな語り口のマクラから、噺になると一転して気っぷりの良い語り口に。若手らしい元気のいい語りに、若手らしからぬリズムの良さ。それがいいバランスで共存していて、聴いていて一番心地よかったです。
音助さんは、噺全体のメリハリのつけ方に巧さを感じる一席。8月の竹千代さんの古代史落語会の時にも高座にかけていましたが、この頃から本番を意識していたのかもしれません。なかなか難しい噺だと思いますが、尻上がりに盛り上がっていったのは、地道な努力の積み重ねがあればこそだと思います。
結局、ギリギリまで悩んで投票したのが、音助さん。
結果は、その音助さんが大賞で、朝之助さんが二位の奨励賞でした。
三人以外で、惜しい、と感じたのは、トップバッターの遊子さん。若手らしからぬ所作の美しさですし、いろいろと工夫しながら演じている点も素晴らしいです。
ただ、今回は一番手というのが悪い方に作用してしまったのと、キャラクターの演じ分けにやや甘さが出てしまった分、昇吾さんあたりと比較すると、頭でっかちなように見えてしまったのが、少しだけ残念でした。
けど、キャリアを重ねて、演者として成長したら、一番大きく化けそうな気がします。先々は楽しみな噺家さんです。
リスクマネジメント要員の小遊三師匠は、自分の若い頃の話しをマクラで混ぜながら、軽妙洒脱な一席。
マクラでは思い出しながらさぐりさぐり喋っていたのですが、噺の本題に切り替わった途端に、江戸ッ子の粋な語り口に変わっていくあたりは、流石ベテランの味のある高座。
それを、遊び心を入れながら、さりげなくさらっと演じてしまう所が、相変わらずカッコいいです。
(演目)
・三遊亭こと馬「からぬけ」(開口一番)
①三遊亭遊子 「電話の遊び」
②三遊亭ふう丈「ゲセワセワ」
③春風亭昇吾 「権助魚」
~仲入り~
④春風亭朝之助「唖の釣」
⑤雷門音助 「加賀の千代」
⑥柳家圭花 「刀屋」
~仲入り~
・三遊亭小遊三 「蜘蛛駕篭」
※数字の中の○は、当日抽選で決まった順番にです。1番と最後の方は、やや不利かなあ、という気がします。