だいたい読書日記

元本の問屋(取次)に勤務も1/末に退社。ただ今、絶賛求職活動中。好きなものは読書、インプロ(即興劇、舞台経験あり)。その他、立ち食いそば、B級グルメ、落語、ベイスターズ、FC東京、謎解きなどに興味があります。基本自分の備忘録なので、好きな事を好きなように書いています。

日記②。三鷹市美術ギャラリー。中野・立ち食いそば「あじさい茶屋中野1.2号店」。

観劇後は知人への挨拶もそこそこに、三鷹まで移動。駅前にある三鷹市美術ギャラリーに向かいます。三鷹と言えば、墓所禅林寺を筆頭に太宰治と所縁の深い地。去年の12月に、このギャラリーに太宰の部屋を再現した展示が出来たという事でしたので、見に行きたかったのですよねえ。こういう機会でないと、なかなか三鷹にも行けませんし。

展示も直筆の手紙や絵画など、思った以上に貴重なものがあり、なかなか面白かったです。部屋だけは撮影可能な上に、部屋に上がったり、机の上で原稿を書く体験ができます。オープンして間もないせいか、このギャラリーを使って何をやりたいのかが、まだ試行錯誤なようには見受けられましたが、行けて良かったです。

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太宰の部屋を再現したもの。


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ギャラリーの方は、現代美術家の靉嘔さんの収蔵作品展。虹のようなグラデーションの色彩を基調にしたリトグラフが中心に展示されていました。日本の伝統的な絵画の技法から離れようとしながらも、水墨画春画等を題材やベースにしている絵が多かったのが、なかなかに興味深かったです。フライヤーを見たら、この方、日本の方で本名が飯島さんとおっしゃるんですね。お名前だけでなく、作風も中国の方っぽいなと思っていたので、びっくりしました。


ギャラリーを見終わったあとは、中野に戻り少し遅い昼食に。駅のホーム内にあるあじさい茶屋さんに入ることに。祝日の夕方の時間帯にやっているのは、本当に助かります。今回は、ミニ豚丼セットを注文。5分弱で、かけそばとがが南蛮漬けがのったミニ豚丼が出てきます。

そばの方は、ゆで麺でお客のあまりいない時間帯に行った事もあり、気持ちパサつき気味。人のいない時間帯はどうしても致し方ありません。柔らかくなっていないだけ、大したものだと思います。逆に掘り出し物だったのが、豚丼の方。軽くしょうが焼きされた豚と、漬け物のしょうがとミョウガの相性がすばらしいです。豚の油を漬け物の野菜が上手く中和してくれるので、とても食べやすいですし。この漬け物ってどこで売ってるんでしょうか?売っていたら自宅で再現したいです。

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ミニ豚丼セット(がが南蛮漬け) 620円。

日記①。「劇場創造アカデミー11期修了上演 断片/ペール・ギュント」@座・高円寺。

本当はもっと早く家を出たかったのですが、怠け心に負けてしまい、昼過ぎになってしまう。ここの所、家にいる時にほぼ何もしていない時間帯があまりにも多すぎるなあ。昨日もそうでしたし。休養は大切ですけど、やらないといけない事を先送りにしがちなのは、良くない傾向なので、気を付けんと。今さらですが、自律しないと人って本当にどこまでも楽をしたがるものだなあ、しみじみと感じます。

出掛けた時も、そんな楽をしたいという意識が先に立ってしまいます。乗換えがめんどくさくなってしまい、笹塚からバスに乗ってしまいます。ただ、どうしようもなくツメが甘く、高円寺駅入口で下車しなければいけない所を、高円寺陸橋と勘違いしてしまい、結局、目的地まで15分ほど歩くハメに。反ってめんどくさい事になってしまいます。

一点だけ救いだったのは、経路がかなりわかり易かったので、道に迷う心配だけは全くなかったこと。12~13分ほど歩くと中央線の高架が見えてきます。漸く目的地の座高円寺さんに到着です。



今回は、劇場が主催している演劇学校の修了上演で、イプセンの「ペール・ギュント」をダイジェストで上演するいうもの。随分、背伸びしまくった、チャレンジングな企画です。個人的には、こういう無謀な挑戦をする人が好きなので、去年、インプロワークショップに行った時に、一緒に参加された出演者から購入させていただきました。まずは、去年よりも大変になってしまった状況下で、無事に公演までたどり着けた事が、大変に嬉しいですし、感謝です。

キャストの足りない部分は、出演者が交互に主人公のペール・ギュントを演じたり、顔は人形、身体は棒や紐や手袋を使った人のような人形を操るなど、さまざまな工夫をこらしながら演じていて、とても頑張っているなという印象です。コロナで上演延期になった事でキャストが減ってしまったという事情もあり、いろいろと大変だったと思います。

舞台美術もとてもユニーク。大きなセットが組めない所は、模型をプロジェクターに映す事で、かなりの部分を上手くカバーしていましたし、照明や衣装もなかなかユニークで、舞台慣れしていないからこそ、固定観念に捕らわれない柔軟な発想が随所に見られ、勉強になる部分もいろいろと多かったです。台詞も、所々でハッとさせられる部分もあり、個々のパーツだけ見れば、かなり面白い要素が揃っています。実際にその部分については、とても楽しく観る事が出来ました。


一方で、一つ一つの要素が面白かっただけに、とても惜しいと感じたのが、「表現する」という部分はとても素晴らしいのですが、それを「観客に伝える」という意識がやや甘いなと感じてしまった事。特に、主人公のペール・ギュントを複数で演じたのまでは、とても面白いと思うのです。ただ、役の解釈や演じ方にきちんとしたコンセンサスがないので、個人で演じるよりも人物の造形が積み上がらなくなってしまっています。観客にどんなペール・ギュントを見せたかったのか、そこが見えにくかったのが、ちょっとだけ残念でした。

それでもそうは言っても、こういういろいろなチャレンジが出来るのも、一般の公演ではなく、こうした企画だからこそ。彼らにはこれを踏み台にして、もっともっと素晴らしい作品を演じて欲しいな、と思います。欠点も含めて、彼等からとてもいい刺激がもらえました。

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フライヤーやポスターを撮影し忘れたので、替わりに公演の冊子を。なかなかの読みごたえです。



今日の日記はこれで二つに割ります。

日記。都バスの底力。新中野・うどん「花は咲く 新中野本店」。

今日あたりから学校教科書の出荷が本格化してきました。去年は状況があまりにも例年と違いかなり大変だったようですけど、今年はどうなる事でしょうか。少なくても、今年も「例年通り」という言葉は通用しない状況であるのは間違いないようです。

但し、教科書のシーズンに合わせて年度版の切り替えや、一部の書籍の内容の改訂が行われる所は、どうやら例年通りのよう。今日はその年度版の商品の搬入で、こちらの現場もかなりの慌ただしさです。そして、こういう時に限って、搬入予定数と実入荷数がズレてしまったりなど、普段はあまり起きないトラブルが次々と発生します。なかなかままならないものです。

それでも、夕方に何人かヘルプが入ってくれた事もあり、何とか力ずくで仕事をねじ伏せます。おかげでほぼ予定していた時間で終らす事が出来たので、まあ良しとしよう。


帰りは、王子~新宿間のバスに乗り、新中野で下車。時間こそ掛かりますし、寝ているか本を読んでいれば、自動的に新宿方面まで運んでくれますし、都営三田線西武池袋線、東部東上線西武新宿線、中央線、丸ノ内線などいろいろな路線とのアクセスも出来ます。なので比較的時間に余裕のある時や、本を読みたい時には大変重宝しております。喫茶店も8時までしか営業していない場所がほとんどですし、路線によっては混雑するものもありますが、それでも電車での移動よりは混雑していませんし、感染リスクも低い。コロナが蔓延して以降、都バスの凄さを再認識させられる事が多いです。


そして、今日は新宿まで行かずに、途中で降りたのは、久びさに「花は咲く」といううどん屋さんに行き、晩飯を食うため。

振り返ること5年くらい前、新中野近辺で友人の芝居を観に行った時の事。開演前に腹ごしらえをしようと、早めに新中野駅に着いたわたくし。しかし、日曜だった事もあり、大部分の店が閉店しており、20分ほど歩いてもお店がなかなか見つからない。そして、そんな状況で漸く見つけたのが、このお店。時間の関係でかなり慌ただしく食べて出てしまったのですが、きちんと接客していただいた上に、かなり美味しかったのだけは覚えています。その時に「また今度ゆっくり食べにきます」と言ったのですが、その約束を果たす事がようやっとできます。というか、いくら店名や場所をすっかり忘れてしまったとはいえ、遅すぎだろうお前、と自分に突っ込みたい気分です。

そして今回頼んだのが、野菜のかき揚げ天。見た目も綺麗ですが、味もかなりのものです。揚げ具合いがいいので、野菜の味や風味がきちんと残っていますし、下味もきちんときちんとついているのでそのままでも充分においしいです。そこに薄めで上品なつゆと、ツルツルとした食感が素晴らしい讃岐うどんが。見た目以上に丁寧な仕事をしています。


うん、多分、このうどんの感触に間違がいない!

うまくは言えないのですが、自分が記憶していた口の中や舌のイメージと目の前のうどんの食感や味がぴったりくる。そんなしっくり感があります。美味しいものって舌がちゃんと記憶しているのですね。食べているうちに、前来た時には、かしわ天うどんとかやくご飯のランチを食べた事を思い出しました。

スタンプカードももらいましたし、今度はもっと早くお邪魔することにします(笑)

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彩4種野菜のかき揚げうどん ぶっかけ 900円+麺大盛 150円

日記。チェルフィッチュ「消しゴム山」@あうるすぽっと。

とうとう東京にも花粉が飛び始めたらしいです。気象庁の予想では、今年は去年の1.7倍位の量か飛ぶそう。花粉症だけでなく、気管支喘息も抱えている身としては、頭の痛い季節がやってきました。そういえば、ここ数日どうも身体がダルい。疲れかなとも思っていたのですが、ひょっとしたら花粉症なのかもしれません。

ただ、ダルいのに身を任せたままにしておくと、自宅でどこまでも自堕落な生活を過ごしてしまいそうなので、昼から出掛けることにします。本日は池袋のあうるすぽっとで、チェルフィッチュさんの「消しゴム山」を観劇。自分はチェルフィッチュの「三月の5日間」を観て衝撃を受けたのが、小劇場の舞台や演劇にハマるきっかけになりました。なので、とても思い入れのあるカンパニーさんです。

「三月の5日間」は日本の演劇史に残る素晴らしい作品だと思うので、もし上演する機会があれば、未見の方は絶対に観たほうが良いです。まあ、そんな訳でとても楽しみなのです。

三月の5日間[オリジナル版]

三月の5日間[オリジナル版]

チェルフィッチュ「三月の5日間」 [DVD]

チェルフィッチュ「三月の5日間」 [DVD]

  • 発売日: 2017/05/15
  • メディア: DVD


舞台上には、たくさんの「モノ」たちが所狭しと並んでいます。規則性がありそうななさそうな不思議な空間です。開演と同時に大きなミキサーのような機械の音。そこに人々が来て、断片的な話をしたり、誰に向かってでもなく語ったり、モノを人のように扱ったり、動かしたりします。

一つ一つに意味があるかのように感じたり、東北の震災や原発を想起したりするところもありますが、まるで観客が物語を紡ぐことを拒絶するかのように舞台は進んでいきます。途中、突如洗濯機が壊れた人たちが、コインランドリーに来て洗濯をした事を語りだすシーンがあります。そこで語り手の女性は洗濯機をさも人間のように扱います。ただ、すごく不思議なのは、擬人化しているはずなのに、洗濯機が「壊れた」と表現するように、彼女と洗濯機との関係が所々「モノ」に戻っていく所。何とも奇妙な感覚がします。

人って、基本的には辻褄が合っている方が、観ている人は気持ちいいですし、作り手はストレスを感じません。そして、どうしてこういう辻褄の合ってない舞台や小説を作ったのか、語りたくなるものです。しかし、作り手があまり前面に出て「辻褄」を合わせてしまったら、その瞬間にそれはとてもつまらないものになってしまいます。自分も、それが原因で残念な事になってしまった作品を、いくつも観たり読んだりしてきました。

この作品が凄いのは、不自然である事が、ちょっとしたセリフや動きや語り方にまで、徹底されている事。大きな音が一時間以上流れているのも、思考になりそうになるのを、見事に妨げてくれます。観終わった後は、あまりの不自然さの洪水にしばらく間、頭の中がかき回されたような気分になりました。そして、落ち着いた後に、既存の演劇って一体何なのだろうかと、考えずにはいられなくなりました。

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開演前

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終演後

日記。東京駅・ラーメン「阿吽」。久しぶりにオアゾの丸善に寄ってみる。

少しだけ仕事のやり方が変わり、その影響で少しだけ仕事が増える。その引き継ぎを午後少しだけ行う。今回は全体が良くなる方向の変化ですし、ずっとおんなじ仕事ばかりやっているのも飽きっぽい自分にとってはしんどいので、まあちょうどいいのかなと思います。多分、自分は仕事がないよりはあった方がいいタイプでしょうし。あとは忙しい時にどうなるかですね。うちには、当事者意識ゼロの再雇用者がいるだけに。あまりに価値観が違いすぎるので、こういう人間がいるんだという勉強にはなりますが(笑)まあ、そこは考えても仕方がないし、おそらく対処可能な案件だと思いますし。

本来昼前後に搬入してくる商品が、2時過ぎまで見つからないというハプニングはありましたが、それ以外は大枠では順調にいったのでまあ、良しとしましょう。帰り京浜東北線に乗っていたら、惰性で東京駅まで行ってしまう。

まあ、ちょうど良いかと思ったので、以前から見てみたかった、KITTE(昔、郵便局があった場所に建っているビル)のインターメディアテクに行ってみるとに。 19時までやっているかと思っていたら、勘違いしていて金、土以外は18時閉館だそう。完全にこちらの確認ミスなので、仕方がない。なので、その下にある「ラーメン激戦区」へ。ここは、夜は日中ほど混雑してないので、意外と穴場だと秘かに思っている場所。五軒ある中で、始めてお邪魔する、担々麺のお店「阿吽」さんに入ることに。予想通り、並ぶ事なくスムーズに入れました。

自分は汁なし味玉味噌担々麺の辛さ2、シビれ2を注文。辛さ(辣油)とシビれ(山椒)は好みで5段階から選べますが、お店がビギナーに奨めているのは、自分が注文した辛さになります。

これに温玉を入れ、よくかき混ぜてから食します。いやあ、胡麻と味噌がとにかく濃厚です。温玉のおかげで、その濃厚さも辛さも随分と中和されていますが、油断していると辛さもシビれも後からじわじわとやってきます。いやあ、ベースは結構辛いっす。麺も太めで歯ごたえがあります。見た目は結構お洒落なのですが、見た目によらず力強くてがっしりとしています。味もボリュームもなかなか食べごたえがありました。

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汁なし味玉味噌担々麺 1050円+麺大盛 150円+追い飯 100円


食事をした後は、せっかくここまできたので、超久びさに丸の内のオアゾ丸善さんへ。ピーク時より小さくなったとはいえ、丸善さんの基幹店である事には変わりありません。品揃えだけで圧倒されます。緊急事態宣言下なので、文庫とビジネス書の棚を中心に手短に回ってみる事に。文庫のコーナーでは、先日行った紀伊国屋さんで品切れていた、角川ソフィア文庫の「美しい日本の私」を購入。岩波文庫の「川端康成随筆集」にも収録されているので、どちらにしようか悩んだのですが、解説も読みたかったので、角川さんの方を選ぶ事にします。

美しい日本の私 (角川ソフィア文庫)

美しい日本の私 (角川ソフィア文庫)

川端康成随筆集 (岩波文庫)

川端康成随筆集 (岩波文庫)

  • 発売日: 2013/12/18
  • メディア: 文庫


2階の文芸書のコーナーでは、乃木坂46山崎怜奈さんの新刊の直筆のPOPが。幻冬舎さんのホームページを見ていたら、150件のお店にそれぞれ別々のPOPがあるそうです。アイドルが歴史本を出すというのもレアですし、こんなに地道に本のプロモーションをするというのというのも珍しい。すげえなあ~。

大学で史学科にいたぐらいですから、歴史ものの本は大好きですし、プロモーションだけでなく本の内容も面白そうだったので、買ってみる事にします。

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直筆のPOP

歴史のじかん (幻冬舎単行本)

歴史のじかん (幻冬舎単行本)

日記。リモート。半蔵門・中華料理「幸福園」。花形演芸会@国立演芸場。

自分の中で、珍しく勉強したい欲が出てくる。先月、始めてリモートで参加した「文学の教室」が意外と悪くなかったので、当面はリアル以外にもそうしたとこにも参加してみようかなあと思っています。今日も、昼を挟んで前後の二つのセミナーに参加させていただきました。まあ、午後の東京都美術館の方は、当初リアルで参加する予定がリモートに変更になってしまった、という事情があるのですが。

午前中は、放送大学渋谷校の無料公開セミナー。前半は放送大学についての説明で後半は渋谷のまちづくりについてのセミナー。

見ていたら、コロナ渦の中での一般の大学の授業が、いつの間にか以前から行ってきた放送大学の授業と似てきているような気がしてきました。だとしたら、今の一般の大学って放送大学の授業料程度の価値しか学生さんたちに提供できていないんじゃね、という素朴な疑問を感じる。入学金にしても授業料にしても、僕たちが学生だった時代とは比較にならないくらい高額ですし、緊急事態宣言下では午後8時以降にバイトさえできませんからねえ。

後半のセミナーは渋谷の街のヒートアイランド現象対策やコロナへの対応についての話し。江戸時代の暑さ対策やバーチャル渋谷の取り組みの話しなどは聞いていて面白かったです。セミナーの先生は暑さ対策として木を植える事を提案していました。確かにその通りではあるのですけど、青山あたりの地価なんか坪で500万を超える所がゴロゴロしてしています。そこに木を植えるのはなかなかに勇気の要る行為ではあります。


午後からは、東京都美術館の「とびらプロジェクト」というアートコミュニケーターに関する活動報告とシンポジウム。自分も少なくない期間演劇やインプロに、末端ながらもプレイヤーとして関わってきています。なので、その培ったものをどう役立てるのかという事には少し興味があります。特に、劇場で演じるという事がとてもなくハードルの高い行為になっている現状では、なおの事です。

まずは、アートコミュニケーターの方の熱量や、思っていた以上の内容の深さに驚きました。一方で、かなり面白い活動をしているのに、広報活動でそれをきちんと伝えきれていない事もあり、内輪感が丸だしになってしまっているのがすごく勿体ないなという印象も受けました。東京都美術館って、基本とてもいい美術館だと思うのですが、所々の対応にお役所仕事丸出しな部分が出る事があるのが残念なんですよね。しかし、今回のようなシンポジウムを開いたりアートコミュニケーターの制度を設けたのも、それをきちんと改善しようという意図があっての事。なので、お役所仕事と無縁の方もかなりの比率でいるという事の証でもありますし、そうした方たちが外部の方たちをうまく巻き込みつつ、どんどん活躍していってもらいないなあと思います。


リモートのセミナーやシンポジウムもなかなか面白かったですけど、周囲の目がないので、受講者の取り組み方によって、得られるものがリアルに参加したケース以上に大きな差が出てしまいますね。その場の空気や反応を見て、話している方が内容の変更もできませんし。とても便利ではありますけどあまり性に会わないなとも思います。最近いろいろな所でzoomを活用したインプロをやっていますが、いろいろな場所から参加できるという素晴らしいメリットはありますが、自分が参加するという事になると二の足を踏んでしまいます。学生さん達は選択の余地もなくこれで授業を受講していて、そんな彼らともコミュニケーションを取らないといけない。そうなると、自分ももっと場数を踏んでそこにアジャストしていかないといかんのでしょうが。



夕方、そんなリモートの場から離れて、国立演芸場まで出掛ける。開始が6時で終演予定が8時前。終わった後まで待っていると、夕食難民になってしまう可能性が大なので、少し早めに半蔵門周辺で食事をする事に。官公庁が休みの土日は、営業している店が大幅に減っているの上に、緊急事態宣言が発令中。なので選択肢はかなり狭くなります。その中で半蔵門に行く途中にある幸福園さんに。価格が手頃で定食メニューが豊富にあるお店です。自分がお邪魔した時にも、少し早めな夕食を済ませたり、会社帰りに軽く一杯やられているサラリーマンがいらっしゃったり、このエリアの貴重な食事の場になっているようです。

食べログでは「四川料理」となっていますが、僕が頼んだ海鮮そばとチャーハンはどちらも全体にあっさり目の味付け。どうやら「大陸系」のお店というだけで、地域にこだわらずに幅広いメニューを提供しているようです。ボリュームもなかなかありますし、味もまずまず。コスパの良い手頃で、立ち寄りやすいお店です。貧乏人の僕にとっては、こういう手頃でコスパいい店の存在こそ本当にありがたいですし、頑張ってもらいたいです。

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海鮮そば+半チャーハン定食 880円。


そして、漸く本日のメインイベントの花形演芸会。やっぱりリアルはいい!自分達のリアクションが演者さんにきちんと伝わる。以前なら当たり前だった事が、今はとても尊ものに感じられます。

鯉八師匠は、独特なほんわかとした間と、ちょっと不思議な空気を醸し出す新作落語。最後のサゲがとても鮮やかです。夢丸師匠の「徳ちゃん」は貧乏落語家二人が格安の廓に行ってひどい目にあう噺。自分は始めて聴きます。夢丸師匠の軽妙な語り口と、馬鹿馬鹿し過ぎて先の読めない展開にワクワクします。

佐ん吉師匠の噺も今回始めて聴くのですが、自分の不勉強さを激しく後悔。メリハリがしっかり効いていて、とても聴き心地がいい噺家さんです。この佐ん吉師匠、NHK新人落語大賞も受章された事ある関西では若手のホープの落語家さん。授賞された年に出演されていたのが、今日NHKに出演されていたなかの一人が鯉八師匠というのが、何とも面白いとこです。

(演目)
・三遊亭歌つを 「牛ほめ」かあ(開口一番)
・入船亭志ん吉 「紙入れ」
瀧川鯉八 「長崎」
・三笑亭夢丸 「徳ちゃん」
・桂小すみ 長唄
桂佐ん吉 「景清」

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日記②。江東区芭蕉記念館。神保町・カレー「ボンディ」。三遊亭わん丈、入船亭小辰ふたり会@落語カフェ。

深川江戸記念館を出て、文字通り歩くあてもなく歩く。現代美術館に行こうとも考えたのですが、新しい靴がまだ馴染んでいない状態という事もあり、今日はあまり歩きたい気分ではない。とりあえず、森下駅に向けて、ぶらぶらと散歩してみる事にします。
人が少なくてのどかですし、歴史が感じられますし、もっとお給料がもらえてたら住んでみたいなとさえ思います。もっとも、それだけのお給料を貰える人は、平日の日中にこんなとこ散歩してないですけど(笑)

隅田川に向かって歩いていると、以前は大鵬部屋だった大嶽部屋の前を通る。確かに部屋の看板の近くに「大鵬道場」の文字があります。こうやって大横綱の残したものっていうのが、失われたり受け継がれたりしてるんだな、と少し感慨深い気持ちになります。


更に歩いていると、ケーキとパンの工場直売店が。たしかに、この辺、ケーキやスイーツの直売店が多い場所だという事を聞いたことがあります。残念な事に今日はお休みでしたが、開いている時間帯にまた来てみよう。

r.gnavi.co.jp

ここですね。




川を渡る時に、川に信号機がある~、と思い面白がって撮影したもの。調べてみると、新小名木川水門という水門だそう。
この小名木川、東西に五キロ位の運河らしいのですが、川の左右で3メートルほど水位が変わるらしい。なのでパナマ運河のように、水門を開けたり閉めたりすることで、水位を調整し船舶を通過させているそう。なるほど~。


更に森下方面に歩いていると、江東区芭蕉記念館という建物が。折角なので、お邪魔してみることに。
正直、芭蕉さんもフォークリフトの免許の講習の時に、ビギナーズクラシックスの「奥の細道」をこっそり読んだ程度の知識しかありません。なので、正直あまり大きな期待をしていなかったのですが、これが意外と面白くて、いい意味で裏切られてちょっと嬉しい気分になりました。
今回は「季語」をテーマに企画展をやっていたのですが、ひとくちに「俳句」といってもいろいろな角度で見れるんだなと感心。



芭蕉庵。一時期、芭蕉は記念館のある近辺に住んでいたそうです。これはその縮尺模型。



中村苑子の句。「凧」と書いて、「いかのぼり」と読むそうです。ダイナミックを通りすぎて、凄まじい句です。



山口誓子の句。句だけでなく書としてもなかなか面白いと思います。隙間の部分が、いろいろな事を想像させてくれます。



地元在住の人形作家 石塚公昭さん作の芭蕉の人形。これがなかなかに味があっていいんでよね。


森下に着いたら、少し買い物をしたあとに、神保町の書店さんめぐりを少し。せっかくここまで来たし、20時で飲食店が完全にクローズしてしまうので、少し早めにかつ贅沢にカレーのボンディさんへ。季節限定の牡蛎カレーとプリンを注文します。
牡蛎カレーは大ぶりの牡蛎が4個入った贅沢なカレー。火の通りが絶妙で、カレーと一緒に食べると、至福の気分になる美味しさです。アクセントではいっているパイナップルも牡蛎とすごく合います。いやあ~、東京の欧州カレーの頂点の一つなのは間違いないのではないでしょうか。らっきょうまで美味いなあ。



牡蛎カレー(季節限定)1650円+大盛 150円。



プリン 500円。


お腹が満足した後は、エレベーターで建物の5階まで上がった落語カフェで、今日のお目当ての小辰さんとわん丈さんの二人会。緊急事態宣言中という事もあり、8時終了といういつもよりも短めの会になりました。
その代わり、木戸銭は1000円と超お得ですし、お二方も密度の濃い高座をやっていただいたので、充分に満足できました。軽く見たい時には、今日のような渋谷らくごのようなやり方はとてもありがたいですし、選択肢のひとつとして増えていけばいいのになと思います。

(演目)
・三遊亭わん丈 「花見の小僧」(おせつ徳三郎)

・入船亭小辰 「転宅」