腹ごしらえをしたら、タウンホールへ。文芸漫談。今回は、田中小実昌さんの「ポロポロ」。割と地味めのタイトルのせいか、今回は、前回のシェークスピアの「ハムレット」ほどの出足ではなさそう。主催者の方には申し訳ないのですが、自分的には今回くらいの適度な混み具合の方が、集中できるので、大変にありがたいです。
読んでいる時も、せいこうさんが好きそうだなあ、と思っていたのですが、やはり好きな作品だったようで、いつも以上に、饒舌でノリが良いように見受けられました。一見するとすごくとぼけているように見えて、実はすごく頭のいい人が書いた作品なんだろうなあ、と何となく感じていたのですが、やはりかなり計算づくで書かれた作品だそう。僕が読んでいた時に感じていた、何となくにきちんと言葉を与えてくれるのは、本当にありがたい。ただ、お二人に頼ってばかりではなく、自分でも、感覚を言葉にする努力を、少しはしなければいかんなあ、という反省も。今年の目標は「発信力を高める」なので、尚更ですね。
他に、印象に残ったのは、この作品を評する時に使った、「俯瞰して、写生する」という言葉。一歩引いて全体を見て、面白いものを探す→見つかったら、そのディテールを徹底的に落とし込んでいく。お芝居も含めて、表現にとってすごく大切な事のエッセンスがこの作品には凝縮されているんだな、という事を強く感じました。次回は、4月24日の金曜日で、お題は、漱石の「それから」だそう。また、混雑しそうです。
文芸漫談が終わった後に、古本を見に、DRAMAさんへ。古本のスペースがかなり縮小されて、一部閉店するそう。
下北沢では、結構お世話になったお店なので、また一軒古本屋が、と思いつつも、結構寂しいです。3割引きの、閉店セールをやっていたので、三浦大輔さんの戯曲と、DVDつきの美本の割りには安かった、竜兵会の本を購入。有吉さんといい、土田さんといい、今では、親分以上に子分売れっ子になってしまっているのが、少し、面白かったりします。