年末、予想していた以上に外をほっつき歩いてしまったので、今日くらいはおとなしくする事に。昨日は無理やり映画を見に行ってしまいましたし。
商業施設や娯楽施設がやっていて、安全そうだと判断したら行くことにしていますが、行ってみたら予想以上の混雑にヒヤッとさせられる事が、先月位から増えてきています。コロナの感染者数が都で1日1000人を超えた辺りから、後ろめたさを感じながらも、現実に対するリアリティが湧いてきませんし、周囲もそんな傾向がうかがえます。感覚が明らかに麻痺してしまっていて、何とかせんといかんですね。
そんな中、実家に作ってもらつたおせちをつつきながら、まったりと過ごすお正月。今年はいい年であって欲しいなと思いますし、身内のありがたみを改めて感じます。
本当は去年中に読み終えたかったのですが、山田風太郎の「人間臨終図鑑」を漸く最終の4巻まで読み終える。この本は古今東西900人以上の死際が年齢順に書かれています。なので4巻目は比較的高齢で亡くなられた方達。他の巻よりも、天寿を全うされた方が圧倒的に多いので、比較的安心して読み進められます。それでも、百歳まで存命された方はほとんどいない。それを鑑みると、一休さんが詠んだと言われる、正月は冥土の旅の一里塚~、という句がイヤでも頭の中に浮かんできます。そして、人生は一度きりなんだなという事を思い知らされます。時にはうんざりとした気持ちになりながらも、これだけたくさんの人たちの「死」と向かい合えてしまう。それは、山田風太郎さんの縦横無尽の語りの力が大きいです。

- 作者:山田 風太郎
- 発売日: 2011/12/02
- メディア: 文庫