例年、ここからゴールデンウィークまでは、会社全体がとても忙しいです。疲れもピークになります。なので、さすがに今月の紀伊国屋寄席はチケット取るのはやめようと思ったのですよ。最初は。
けど、トリが喬太郎師匠なんですもん。そりゃないですよ!これじゃあ、いくしかないじゃないですか(笑)
ただでさえ、普段もチケットが取りにくい噺家さんです。なのにコロナ以降リアルで聴ける機会が激減。ますますチケットが取りにくくなってしまいました。たとえ独演会ではなくても、見損ねると、次はいつナマで見れるか分かりません。
珍しく、先日から入念に段取りを組み、脳内でシュミレートしてみる。
それだと、問題なくいけると思ったんですけどね~。
計算違いが二つほど出てしまったんですよ~。
片方は、取引先の問題ですし、そうなる可能性も考えられるという範囲だったのでどうにかならんこともないです。
けど、けど、まさかこんな時に限って、上司が体調不良で休むとは!!!
明日だったら別にいいのよ。明後日だったら全く構わないのよ。けど、何も今日休むことはないじゃないの~。
仕方はないんですど。仕方はないんですど、心の中では号泣しています。
それでも、泣きを入れているだけでは何も解決しない事は分かっているので、ギアをトップまで上げて仕事をします。
そんな執念が実り、5時過ぎに何とか仕事に目処がつく。急いで着替えて新宿に向かい、何とかギリギリで紀伊国屋ホールにたどり着く事ができました。
そんなお目当ての喬太郎師匠は、次男坊の冷や飯食いだった、若き日の酒井雅楽頭と按摩の錦木との交流を描いた人情噺。最後のシーンがとても切なくて、しんみりとしてしまいます。
バカバカしい新作落語をやるかと思えば、こういうシリアスな古典もしっかりと聴かせてくれる。私ごときが言うまでもないことですが、この振り幅の広さが師匠の大きな魅力の一つです。
この人の高座を聴いたり、著書を読んでいると、本当に落語が好きな人なんだろうなって思えてきます。
扇辰師匠はさらっと演じているようで、枕から細かい所に目配りが効いていて、終始心地好く聴く事ができます。喬太郎師匠ともども、これだけの噺を聴かせてくれる人達が「若手」と呼ばれる落語の世界。本当に奇妙で奥が深いです。
ずっと気になってはいたのですが、なかなか聴く事のできなかった、奈々福師匠。ようやく始めましてです。明るくて華があり、聴いているとこちらもいいエネルギーを貰えます。
喬太郎師匠の噺を久々にナマで聴く事が出来ましたし、全体的にもなかなか聴きごたえのあった回。おかげで明日からの仕事も頑張れそうです。
(演目)
・柳家やなぎ 「親子酒」
・瀧川鯉斗 「片棒」
・玉川奈々福 「掛川宿 ~甚五郎旅日記」
曲師 沢村美舟
~仲入り~