だいたい読書日記

元本の問屋(取次)に勤務も1/末に退社。ただ今、絶賛求職活動中。好きなものは読書、インプロ(即興劇、舞台経験あり)。その他、立ち食いそば、B級グルメ、落語、ベイスターズ、FC東京、謎解きなどに興味があります。基本自分の備忘録なので、好きな事を好きなように書いています。

立ち食いそば26 浅草「文殊 浅草駅地下店」



かきあげそば 380円。

都営銀座線の浅草駅の改札を出て、スカイツリー線方面の階段を昇っていく途中に、味がありすぎる地下の飲食街があり、その一角にある小さなお店です。
両国に本店があり、どのお店も美味いと評判の「文殊」のお店だけに、嫌でも期待が高まります。

小さな販売機で、岩のりそばにしようか悩みながらも、始めてのお店なので、手堅くかきあげそばを注文。

「温かいそばでお願いしま~す」

といっても、ノーリアクション。イマイチ反応が薄いので、ちょっと心配に。けどまあ、食券も受け取ってくれたし、まあ、大丈夫でしょう。

どうやらこのお店は、注文を受けてから、生麺をゆでる方式らしい。なまじ好立地なだけに、回転率を上げる方にいきがちだとは思いますが、自分のベースを崩さずに、美味しいものを出そうとする姿勢には好感が持てます。
もしかしたら、ややリアクションに欠ける接客も、自分達のリズムで商品を提供する、一つの戦略かもしれません。

そして、できあがったそばをすすると…………、うん、これはかなり美味い!

特に細くてしっかりこしのある麺は、値段を考えたら、絶品といってもいいレベルだと思います。タイプ的には、以前食べた元長(上野、北赤羽)と少し似ているかもしれません。なかなか良かったので、他の文殊のお店のそばも食べてみたくなりました。


#立ち食いそば

だいたい読書日記23(時々映画やお芝居の話も)

少し前後しますが、15日の日曜、恵比寿の書坊さんのワークショップにお邪魔してきました。今回は
「はかれないものをはかる」の著者、工藤あゆみさんをお招きしての「はかれないものをはかってみよう」会。この本、実は、5月にここをお邪魔した時に紹介されてから、ずっと気になっていた本。著者の方もいらっしゃるし、大変にいい機会。更に、物差し持参で、とりあえず何かをはかってみるという、馬鹿馬鹿しいことこの上ない企画。こういう馬鹿馬鹿しい事を真剣にやってみる人達が、私は大好きです。

まず、ざっくりと趣旨の説明があり、その後、恵比寿の街に繰り出します。普段、何気なく見ている風景も、定規を二本(30センチと50センチ)持って街に繰り出すと、少し、不思議な気分になります。漫画のぼのぼのに出てくる、しまっちゃうおじさんも、こうやってしまっちゃうターゲットをさがしているのだろうか?そんな気分になります。(ぼのぼのが全く分からない方はすみません)

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はかったものの一部です。

自分でも薄々思っていましたが、この「はかっちゃうおじさん」、はた目から見たらかなり怪しい。案の定というべきか、お巡りさんの職務質問をうける事に。まあ、幸い優しい方達だったので、説明をしたらきちんと理解してくれましたので、おいしいネタになりましたが…。

もどったあとに、食事をしながらみなさんの「はかったもの」を見る会に。お店のご主人(女性ですが)、の手作りの料理でもてなしていただき、まるでホームパーティーにいるようで、なごやかながらも、慣れなくて、ほんの少しだけ、お尻がむずむずするような気分にも。最後には、工藤あゆみさんの著書に、僕の「はかったもの」からインスピレーションされたイラストと、サインをいただきました。一生ものの宝物が一つできました。(もしかしたら、イラストは別の機会にアップするかもしれません)


同時期に、工藤さんの原画展がやっていたので、都立大学駅にある、絵本のお店にちらっと顔を出すことに。そのあと、予定が立て込んでいたので、それほど滞在できませんでしたが、こちらも楽しませてもらいました。

はかれないものをはかる

はかれないものをはかる

だいたい読書日記22(時々映画やお芝居の話も)

イベント等に参加するための予習やら、個人的な勉強やらで読みたい本がそれなりにあったのですが、円丈師匠の「師匠、御乱心!」を手に取ったのが運のツキ。最初はパラパラと本をめくっていたのですが、気がついたら止まらなくなり、他の本そっちのけで読んでしまう事に。この本、円丈さんが真打ちに昇進して早々に、師匠の圓生が中心になって起こした、落語協会脱退騒動に巻き込まれていくさまを、円丈さんの目線から描いた話です。巻き込まれた当事者はたまらなかったと思いますし、あくまでも1つの視点から見た「真実」なのでしょうけど、不謹慎かもしれませんが、何が「真実」なのかという事が大したことだとは思えなくなってしまう位、面白い。まず、登場人物一人一人のキャラが見事な位、立っていて、目に見えてくる。そして、一枚岩だったはずの一門の師匠や兄弟弟子がお互いに信じられなくなり、見事なまでにバラバラになっていく様、その間の円丈さんの心の動きが、かなりリアルに描かれています。

30年近く前に書かれた本の、文庫化復刊という事で、この本に出てきた当事者は大部分亡くなっていますし、巻末に新しく収録されている円丈師匠、小遊三師匠、圓楽師匠(事件当時は楽太郎さんだった方)の対談を読んでいると、「真実」という言葉のあやふやさを改めて感じてしまいます。

師匠、御乱心! (小学館文庫)

師匠、御乱心! (小学館文庫)

この本については、読書会等でも語りたい、と思っているので、事件の事実関係だけは、もうちょうと、詳しく勉強しておきたいと思っているが、さてどういう切り口で、と思っていた時に、ちょうど読んでいたのが、西寺郷太さんの「伝わるノートマジック」西寺さんの実際に使ったノートがひたすら掲載されているのですが、とにかくこれが一つの作品集のように素晴らしい。これが自分の理想のノートだ、と思ったのですが、この本、細かい説明はほとんどないので、とにかくどうやって取っ掛かったらいいのかが、全くわからない。

伝わるノートマジック

伝わるノートマジック

と、思っていたら、先週の木曜に、下北のB&Bさんでトークイベントがあり、座席を増やしてくれたおかげで、まだぎりぎり間に合う上に、対談相手が水道橋博士!こりゃあ、行くしかないと思ってすぐに申し込みましたよ、仕事半分そっちのけで。


結果、博士の若い頃のノートが見れたり、ノートが作られた経緯や、どういう考え方でノートが作られたのか、貴重な話しが聞けましたし、とても楽しい時間でした。今回の「ノートマジック」がこのような形式になった背景としては、まずは、ノートを見てもらいたかったというのがあった事。そして、売れたら、「深めるノートメソッド」(仮)を出そうという意図があったそう(笑)次回作が楽しみですが、出る前に、どこかで、自分のノートが作られたな、と思っています。

だいたい読書日記21(時々映画やお芝居の話も)

9月なのに、日中はまだまだ暑いのですが、夜になると、日によっては過ごしやすくなってきました。そうなると、暑いときには鈍感だった身体の感覚が戻ってくる。その分、溜まっていた疲れもどっと押し寄せてくるのですが、それも含めて漸く、秋がやってきそうな予感がします。と、思っていたら、いきなり、台風が直撃したりするので油断できないのですが……。

そんな、先週の月曜の夜、ジュンク堂池袋店で行われた、松永直樹さんのイベントに行ってきました。松永さんは「戦略と情熱でしごとをつくる」の著者で、自分の好きなボードゲームを紹介したり、依頼があって開発したりする、日本で唯一の「ボードゲームソムリエ」の方。前半は、本の内容に基づいたトークショー。自分の好きな事を仕事に出来るなんて、何て羨ましいんだ、少しだけ思っていましたが、5000人に出会うために打った膨大なメールの話や、有名人に100人連絡すれば、1人には出逢えますと、事もなさげに言えてしまえる所は、やっぱりそんなに甘くないし、圧倒的な行動力を支える、覚悟の差が違うんだなあ、と思いました。まずは、本に書かれている事をヒントに、自分のオンリーワンを見つける所からですね。

トークの後は「ハゲタカのえじき」をルール説明を受けながら、実際にプレイ。私のところのテーブルは、通常プレイしていてもなかなか起こらないケースが何故か次々と起こり、予想以上に盛り上がりました。

ハゲタカのえじき (Hol's der Geier) 日本語版 カードゲーム

ハゲタカのえじき (Hol's der Geier) 日本語版 カードゲーム


その前日は、読書会。今回は、人数が少なかったのですが、その分一人一人の話しがじっくり聞けて、面白かったです。自分が、紹介したのは、山下和美さんの名作、「不思議な少年」。実は、この本を読むきっかけに、なったのが、10数年前に行った、井上雄彦さんのトークショー。井上さんが、漫画家のタイプを大きく分けると、コマでみせるタイプと、ストーリーで見せるタイプとがいる、という趣旨のお話をされていて、自分は前者で、後者のタイプの中で、自分には絶対に書けない作品として、「不思議な少年」を上げていました。井上さんにそこまでいわしめる作品ってどんなものなのだろうかと、興味を持って手に取り、嵌まってしまった、いうのがきっかけです。確か、トークショーの中のやり取りについては、スイッチパブリッシングから出ている、「漫画がはじまる」に書かれていたはずです。

漫画がはじまる

漫画がはじまる

だいたい読書日記20(時々映画やお芝居の話も)

先月に引き続き、週末に六本木の「文喫」さんのワークショップにお邪魔させていただきました。今回は、「選書」ワークショップ。書店さんのフェアって、一体どんな切り口で作られているのか、常々興味があったので、楽しみです。まずは、始めて来店された方のために、お店のコンセプトの説明や、簡単な店内ツアーをしてから、ワークの開始です。

まずは、お題のイメージ(今回は時間)を広げるワーク。所定の用紙の覧に、50秒間で思いついたキーワードなり絵なりを書き、10秒間インターバル。これを、何回か(今回は8回)繰り返していきます。僕個人は普段のインプロのエクササイズと重なる部分があったので、割りと苦もなく進められましたが、馴れていない人には千本ノックのように感じられて、少しキツかったかもしれません。


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僕のシートです。

次に、二人一組になり、お互いに見せ合いながらどういう発想の広がりがあったか、お互いに発表して共有しあいます。それぞれ、発想のアプローチも出てきたものもかなり違っていて、個人的には、これが一番面白かったかも。みなさんのを見たかったですね。

そして、それを叩き台に、店内を自由に回って、本を4冊前後選びます。

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自分が選んだ本です。

そして、それに選書した理由を記入した栞を鋏みこんで、それをフェア台に並べて、棚をつくっていきます。

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今回は、既に店頭に在庫のある書籍からの選書でしたが、在庫のないものからどうやって選書するのか?プロセスだけでもいいので、どこかで学べる機会があると、ありがたいですね。


棚は9月末まで、そのまま陳列していただけるそうなので、もし、本喫にお立ち寄りされる場合は、見ていただけるとありがたいです。

だいたい読書日記19(時々映画やお芝居の話も)

読書会や友人に奨められて、巻数にビビりながらも、おそるおそる「宇宙兄弟」の1巻を手に取ったのが、大体2ヶ月前。そして、漸く追い付いたタイミングで発売されたのが、最新の36巻。嬉しいです。登場人物の過去を掘り下げて、その人物や周囲との関係を深く描いていく手法は、海外ドラマの描きかたにすごく近いなあと思います。一気に読めたのは、そうした理由もあるかもしれません。

宇宙兄弟(1) (モーニングコミックス)

宇宙兄弟(1) (モーニングコミックス)

宇宙兄弟(36) (モーニング KC)

宇宙兄弟(36) (モーニング KC)

いろいろな方に奨められて読んだシリーズもので、面白かったといえば、今村翔吾さんの「火喰鳥」。羽州ぼろ鳶組シリーズの最初の巻で、一癖も二癖もある個性的なキャラクターと、火事のシーンの臨場感とで、途中からページをめくる手が止まらなくなりました。そして、エンタメとして面白いだけでなく、緩急のつけ方や説明の入れ方に代表されるように、文章そのものが、かなり上手い!2巻目の「夜哭烏」以降も楽しみです。ゴールデンウィーク前後から、しぶとく読み進めている、銀河英雄伝説も漸く、7巻まで来ました。

火喰鳥 羽州ぼろ鳶組 (祥伝社文庫)

火喰鳥 羽州ぼろ鳶組 (祥伝社文庫)

銀河英雄伝説〈7〉怒涛篇 (創元SF文庫)

銀河英雄伝説〈7〉怒涛篇 (創元SF文庫)



まあ、ほとんどの方がそうだとは思いますが、特にシリーズものの書籍は、読みたい本が全てが順調に読めている訳ではないです。もしそんな方がいらっしゃて、それが速読以外の方法でしたら、お金を払ってでも、教えてもらいに行きたい(笑)

途中で挫折してしまい、今度こそは最期まで読みきろうと思っていた、「ローマ人の物語」と「デルフィニア戦記」が途中で読書ペースが、ピタリと止まってしまう事に。特に、「ローマ人」はカエサルルビコン川を渡ろうとしている時に、進軍が……。ここからが面白いのに、我ながらアホです。

ローマ人の物語〈10〉ユリウス・カエサル ルビコン以前(下) (新潮文庫)

ローマ人の物語〈10〉ユリウス・カエサル ルビコン以前(下) (新潮文庫)

動乱の序章〈2〉―デルフィニア戦記 第3部 (中公文庫)

動乱の序章〈2〉―デルフィニア戦記 第3部 (中公文庫)


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以前、秋葉原の書泉さんに行ったときに見つけた、デルフィニア戦記のパネル。すみません、頑張って、早く前線に復活できるように、頑張ります!!

だいたい読書日記18(時々映画やお芝居の話も)

一週間くらいまえに、ツィッターを始めました。と、言っても、厳密ないい方をすれば、「再開した」というのが正解ですが……。文章の練習をしている、という理由も多分にあるので、内容や質うんぬん以前に、まずは、何かを書く機会を増やしていきたい。そんな意図で再開する事にしました。暑くて何かをする気力が沸かなかったとはいえ、あまりにも、ブログの間隔が開きすぎてしまった、という反省もありますし。

先日、田中泰延さんの「読みたいことを、書けばいい」を読み終えて、耳が痛いけど大変にためになったなあ、と思いつつ、じゃあ自分にとって、何が楽しくて、どんなものが読みたいものなのかが、良くわからないという事態にぶち当たる事に。何をもって「楽しい」とするかという問題は、考え出すと、意外と難しい。とはいえ、一つ確実に言えるのは、

「振らなきゃ、ボールには一生当たらない」

という現実。ひびったり、考えすぎたりして、何もやらないよりは、まずは、何かを発信してみる、動いて振り回してみる。そういう事の積み重ねが大切なんだろうと思います。

読みたいことを、書けばいい。 人生が変わるシンプルな文章術

読みたいことを、書けばいい。 人生が変わるシンプルな文章術


ツイッターを使い始めて早々、大変にラッキーだったのが、先週の火曜日に青山ブックセンターの店内ツアーの案内のツイートを見つけた事。仕事のスケジュールも調整できたので、早速、お邪魔させていただきました。

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青山ブックセンターさん

集合時間になって集まってみると、予想以上の盛況で、30人弱の人間がゾロゾロと店内を移動する事に。いや~、嫌な顔ひとつせずきちんと対応してくれる書店さんや、突然の事でびっくりしたと思われるのに、きちんと通路を空けてくれる心優しいお客さんに、ただただ感謝です。その後、ジャンルごとのお店の売り上げの傾向や、どういった点に注力して売り場を作っているのか、かなり突っ込んだ所まで、お話を聞けました。理屈ではわかっているつもりだったのですが、折角、陳列している商品を、目の前でアマゾンに注文されてしまう事が当たり前の時代に、商品を売ることの難しさを改めて痛感。だからこそ、書店員さんとわれわれお客とのコミュニケーションや、今までおこなっていたことに対して疑問を持って仕事に取り組むことの大切さを感じました。今回は、店長さんが一人で案内してくれましましたが、他のジャンル担当の方のお話をおうかがいできると、うれしいですね。