いよいよ国立演芸場も今月限りでしばらくお休み。この劇場で落語を聴けるのもあと少しです。
本日は、以前こちらのワークショップでもお世話になった、日本演芸家連合さんの公演。旧国立演芸場の公演にお邪魔出来るのも、あと2回になってきました。
それなのに~、それなのに~。
こんな時に限って、電車が遅れるなんて!
そもそもがギリギリに出た自分にも問題がありますし、何か言った所で電車が早くなる訳でもなし。文句の一つも言えないです。まるで、落語の「天災」のようなシチュエーション(泣)
それでも、運転手さんの死物狂いとも思える努力で、遅れを3分詰めてくれたのと、奇跡的な接続の良さのお陰で、本当に駆け込みですが、開演に間に合いました。
まだ、完全にツキに見放された訳では無さそうです。
連合の副会長の小さん師匠やロケット団の倉本さんを筆頭に、各協会でも役員を努める方達ばかり。必ずしも、協会で偉い=面白い、という訳ではありませんが、みなさん、それぞれの協会の顔でもあります。少なくても、それに相応しい芸の持ち主ばかりです。
ロケット団のお二人の漫才は、とんがりつつも抜群の安定感。この日のような寄席のつなぎ役でも、独演会の主役でも、外れ知らずなのが凄いです。
講談からは琴調先生。主役がなかなか登場しない大岡忠相もの(笑)軽妙な入りで観客を引き込んで、重厚なクライマックに持っていく手並の鮮やかさは、さすがのひと事です。
浪曲の協会からは、三楽先生。ドスと色気の絶妙な塩梅の語り口。先生の演じるイケメンキャラは、通常の演者さんよりも2~3割位イケメン度が増したように感じます。
トリは、落語芸術協会副会長の柳橋師匠。ご自身の得意ネタにも上げていらっしゃいますが、噺家さんの神経が噺の隅々に行き届いた、とても聴き応えのある一席です。
茨城出身の面白い噺家さんだとはいう認識だったのですが、ここまでしっかりとした江戸前の落語もできる方だとは……。完全に自分の勉強不足でした。けど、こういう予想外の事が起こるから、寄席って面白いなあって、つくづく思います。
そんな柳橋師匠の一席以上に、ある意味衝撃を受けたのが、その前に登場したボンボンブラザーズの繁次郎先生。
濃ゆい容貌と、あまりの高座での喋らなさから、ナイツの塙さんに「インド人かパキスタン人」呼ばわりされています。ただ、今日は、最前列の少年に帽子を投げてかぶる芸を熱血指導。
なんと、日本語で!!
いやあ~、ホントにビックリしました(笑)
まだ最後の公演の千秋楽にもご出演されるようですが、お二人もいろいろと思うところがあったようです。
柳橋師匠と三人(一組+一人)には、とてもいいお土産を頂きました。ここに来月からはしばらく来れないと思うと、じわじわと寂しくなってきます。
(演目)
・口上(小さん、夢太朗、ロケット団・倉本)
・春風亭昇ちく 「子ほめ」(開口一番)
・ロケット団 漫才
・柳家小さん 「太鼓腹」
・宝井琴調 「匙加減~大岡政談~」
~仲入り~
・東家三楽 「源太しぐれ」
曲師=伊丹秀敏
・ボンボンブラザース 曲芸
・春風亭柳橋 「妾馬」
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受付で合言葉をいうといただけた、小風呂敷
公演が終わった後は、半蔵門から清澄白河へ。雨が降ってきましたが、構わず、歩いて森下方面に向かいます。
目的地は江東区のスタンプラリーのポイントにもなっている、田河水泡のらくろ館。少しずつ雨が強くなってきたので、森下商店街のお店の軒下を、少しだけお借りしながら進んでいく事に。
途中、あまりにも懐かしすぎる10円ゲームがあったので、感動のあまりついついやってしまう事に。あとひと息までいったのですが、惜しくもアウト!
ここで、もう10円突っ込むよりも、のらくろ館を目指す方を選ぶあたりが、昔よりも成長したという事でしょうか?
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あまりにも懐かしすぎる10円ゲーム。左の「キヤッチボール」に挑戦。
商店街を抜けると、森下文化センターへ。その建物の1Fに、目的の田河水泡のらくろ館は入っています。
かつての田河先生のお住いや年表や、再現された書斎等だけでなく、直筆原稿や愛用品等の貴重な展示も。コンパクトですけど、なかなか良くまとまった資料館だと思います。
企画展では、山岸涼子さんの漫画の展示も。会期ギリギリでしたし、これはラッキーでした。
少し雨が落ち着いたのを見計らって、清澄白河駅へ戻る事に。帰りは商店街ではなく、ルートを変えて川沿いを進んでいきます。
雨に弱い所はありますが、歩いていると、いろいろな顔が見えてくるのが、とても魅力的な街だなあと思います。
風情のある西深川橋と、入り口のシーラカンスの像とのギャップが凄すぎます。
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西深川橋
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帰りは、大江戸線で中野坂上駅まで出て、荻窪駅に。北斗の拳スタンプラリーのケンシロウにリベンジしてやりました。これで、あとは銀座のゴールに向かうだけです。