調布で映画を3本観る予定。いずれも毎年開催されている、調布シネマフェスティバルでの上映作品です。
映画と映画の合間が結構空くので、そこの時間をどう使おうかと考えながら出掛けたら、最初の映画の上演開始時間を30分遅く間違えるというチョンボで、いきなり焦る破目に。
映画祭の他の日が10時半スタートだったからという理由で、確認を怠っていました。まあ、何を言っても言い訳になるのですが。
思い込みって、怖い!
それでも、10分弱の遅れで会場に着き、本日の一本目「すみっコぐらし 青い月夜の魔法のコ」を観賞。
よくお見かけする割りには、すみっコたちが何者なのかをほとんど存じ上げなかったわたくし。そんな自分のような親御さんやすみっコぐらしの世界に始めて触れるお子さまにも、きちんと分かるように作られている所は、なかなか大したものです。
分かりやすということは、完全に子供向けの映画なのだろうか。そう甘く見ていたら、かなりしっかりと作られていて、いい意味で予想を裏切られました。
カドが取れたいいナレーションだなあと思っていたら、井ノ原快彦さんと本上まなみさんだそう。なるほど、納得です。ほのぼのとして温かな作品の世界にぴったりとハマっています。
普段のリーマン生活で汚れきった心が、少しだけキレイになったよう気がした映画でした。
↑
親子連れに大人気だったパネル。
↑
絵コンテ
1本目と2本目の映画との間隔が少し空いたので、ギャラリーやロビーの展示を見る事に。実際に作中で使われた衣装や小道具や、俳優さんのサイン。更には、貴重な台本やキャスト表など。かなり見応えのあるラインナップ。
撮影所が近くにある立地上のメリットと、観光資源の目玉として映画に力を入れている調布市の権力。その二つをフルに活用しています。
↑
上映だけでなく、トークショーや展示など、映画祭らしいイベントも充実しています。
↑
「燃えよ剣」で使われた衣装
↑
「キングダム2」で使われた衣装。
関連イベントの一つとして、綴れ織り作家の鬼原美希さんの作品展も行われているので、こちらも覗いてみる事に。
今回のフェスティバルに合わせて、「カメラを止めるな」かインスパイアされて作られた新作も展示されています。渦巻き状になっていて、映画のフィルムのようにストーリーになっています。
その他の作品で特に面白いなと感じたのが、鬼原さんがいろいろな旅先で制作した作品の数々。現地で見つけた糸や材料を使っていて、自然とその場所の風土がうっすらと感じられるのが、とてもいいです。
↑
「カメラを止めるな」から着想を得た新作。
2本目は「総理の夫」。以前から観てみたいと思っていた作品です。田中圭さんと中谷美紀さんという二人を真ん中に据えた段階で、つまらない映画になる心配はない。そう言ってもいい位の見事なハマり役です。
田中さんの嫌みのないお坊ちゃん役ももちろんですが、とにかく中谷さんが、これ以上ないくらいカッコ良くていい女。こんな総理が本当にいたらなあと思った人は、少なくないはずです。
キャスティングの妙だけでなく、空間や衣装だけでなく小道具にまでこだわり、リアリティのある空間を作っているのが、この作品の大きな魅力。
限られた時間やコロナ下という制限の中、様々な要素を丁寧に積み上げていった、監督以外スタッフの情熱が伝わってきます。
↑
終演後のトークショー。河合勇人監督と橋本憲一プロデューサー。
↑
作中で使われた日和の日記帳と色鉛筆。
本日のフェスティバルの最後の作品は「シン・ウルトラマン」。前2作とは違い、あちこちに特撮ファンと思われる濃いお客さんたちが。終演後に樋口監督が登場するのも大きな理由かと思われます。
1960~70年代の特撮を今の技術でやったらこうなる、という部分を前面に出しながら、当時を知らない人達でも楽しめるように再構成されていて、誰にでも楽しめるエンターテイメント作品になっています。
アフタートークで樋口監督もおっしゃっていましたが、CGに押されて古いと言われていたかつての特撮。それが、1周回って手間とお金はかかるけども、CGよりも面白い映像を撮れるツールになっている所が何とも面白いです。
個人的には、斎藤工さん演じるウルトラマンと、山本耕史さん演じる外星人メフィラスが、居酒屋で飲んでるシーンがツボ。「割り勘でいいか……」のセリフ一つで、二人の関係性やらメフィラスの思惑やら、いろいろなものを想像してしまいます。
↑
樋口真嗣監督
↑
作中で使用された、滝隊員のマグカップやメフィラスの名刺も。
#映画 #アート