まだ雨は降っていますが、昨日の悪夢のようなものとは明らかに様子が違います。風が無くなり、文字通り普通の「雨」に。
本当はその「雨」が止むまでは家に居たかったのですが、そうも言っていられず、薬をもらいに病院に行きます。
自分が着いた段階では空いていたのですが、雨が弱くなってから、急に人が増えてかなりの混み具合に。ここは骨惜しみしなくて正解でした。
そういう訳で、見込みよりもかなり早く病院を出れたので、朝食を取った後、吉祥寺方面に。まとまった空き時間が出来たのですが、次の予定を考えると三鷹・吉祥寺方面からあまり遠くへ行く事は出来ない。なかなか難しい所ではあります。
出来ることなら西武鉄道の謎解きをしたいのですが、そこまでの余裕はなさそうです。なので、とりあえず井の頭線で吉祥寺方面に向かい、あとは気の向くままに歩いてみる事に。たまには、こういうのもいいかもしれません。
まずは、都内完全制覇のためにはぜひ行ってみたかった、浜田山にあるブックオフさんへ。コミックやゲームやライトノベル、参考書など、他の店よりも若い層を意識した店作りになっています。
この辺は、学校が多い上に、吉祥寺、下北沢、渋谷をつないでいる、井の頭線の特性と密接な関係があるのでしょうか?
公営競馬の大レジェンドの的場文男騎手のサイン本やブックトークの本。以前読んだ町田康さんの「ギケイキ」の文庫などを購入。
これからそれなりに歩く予定なのですが、こんなに鞄を重たくして大丈夫なのでしょうか?普通なら買う前に気がつかないといけない疑問に今更気がつく、浅はかな自分。
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的場文男騎手のサイン本(多分)
吉祥寺で降りても良かったのですが、差し当たり急ぐ訳ではないので、あえて井の頭公園駅から降りて歩いてみる事に。余裕があったら、先日クリアした武蔵野市の周遊謎解きでもチラッと触れられていた、彫刻館に行ってみようかなと思います。
ゆるゆると歩いていたのですが、池の回りを移動するというのは、基本楽しいです。思っていたよりも、適度なアップダウンがある上に、キレイに整備されていないのが、逆に面白いです。場所を上手く選べばカップルがあまりいない、というのも個人的にはプラスです(笑)
所々に、ボランティアの方が作った、パネルやチラシがあり、公園の事を理解する助けになっているのもありがたいです。段々と楽しくなってきました(笑)
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神田川の源流
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自然に囲まれた公園の中では異様に目立つ、井の頭弁財天
調子に乗ってその勢いで彫刻館に行こうと思ったのですが、入り口を間違える初歩的なミス。動物園と同じ入り口から入らないといけなかったのに、彫刻館のみの入場口があると勘違いしてました。
だから、井の頭、「自然」、「文化」、園って言うんですね。そんな小学生でも分かる事に、いままで気づかなんざ(汗)
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彫刻館の前に来たのてすが……。
もう一度、自然文化園の入り口に戻るのも一手だったのですが、そちらの方はまたの機会に。そのまま三鷹方面に進んで、山本有三記念館を目指す事に。
玉川上水に遮られてなかなか左折できず。信号を渡ったあと、150メートルほど吉祥寺方面に戻りましたが、何とか到着です。こここそ、こういうついででもないと、なかなか来れない場所です。
施設は建物と庭園に分かれており、庭園は無料です。井の頭公園を歩いた後ですと、手入れの行き届いた庭が新鮮に感じます。落ち着いていてこれはこれでなかなかいいです。
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建物が記念館。外の公園は入場無料。
館内が山本有三がかつて住んでいた住居で記念館になっています。2階建ての洋館でなかなかいい雰囲気です。周りの自然も豊かですし、住んで執筆を生業にするには、かなりいい環境です。
恥ずかしながら、今まで山本有三さんの作品を読んだ事のない自分。だから、今まで訪れなかったというのもあるのですが、これを機に何か読めたらいいなあ、と思います。
ただ、そうした作家さんをかなり抱えているので、いつ実現するのか、メドは全く立ちませんが……。
山本有三記念館を出たあとは、そのまま歩いて三鷹芸術文化センターへ。結局、ほぼハイキングになってしまいました(笑)
三鷹や武蔵野は、住んでる方の民度は高いですし、観光資源として魅力的な場所は多いのですが、交通の便が悪い所が多いのが珠に瑕です。
特に三鷹の場合は、ジブリ美術館を除いては、都市計画や区画整理そのものに問題があるような気が。歩いていると、曲がりたい所に道がなく、遠回りしたり引き返す破目になる事があります。
最近はかなり頑張っていますが、それまでは、太宰治という文芸界の大スターを、全く上手く活かしきれていませんでしたし……。
そんな風に、三鷹の自治体を心の中でディスりながら歩いていると、次の目的地の三鷹芸術文化センターへ。午後からは、ここの星のホールで観劇です。
作品は劇団普通さんの「風景」。茨城のとある家族の祖父の葬式。そこから見える人間模様、その後の家族のあり様の変化について描かれています。
物語は大きく、祖父の葬式の日の前後を扱った前半と、後日の家族の顛末を描いた後半に分かれます。
全体的にそこで起こった出来事ややり取りが丁寧に描かれていていますが、それにも関わらず、個人的には前半は観ていてかなりしんどかったです。
地方の親族が、祖父や祖母の死をきっかけに疎遠になったり、バラバラになったりする。それを表現するために茨城弁を利用する。ここまでは文句なく素晴らしい発想だと思います。
ただ、それがまるで教科書で覚えたかのような画一的な話し方の茨城弁というのは、流石にちょっと……。
イントネーションだけでなく、テンポやことばの強弱までどの役者さんもほぼ一緒なので、会話が一本調子かつとても不自然に聴こえてしまいます。特に、多人数の時には、それが顕著。
あまりのしんどさに聴いているとそのまま劇場から出ようかと、何回も思ってしまいました。あえて、狙ってやっているようにも感じましたが。
しんどかった前半とは対照的に、後半はお見事のひとこと。何となく一つになっていた一族が、バラバラになり、やがて他人になっている変化が鮮やかに描かれています。
多分、この家族以外にもたくさんの家族が似たような経験を経て、核家族と呼ばれている形態に変化していったんだろうという事を、この作品を観ていると想像してしまいます。
家族の単位が小さくなった事で、1シーンごとの登場人物が少なくなり、会話のキモチ悪さを前半ほど感じなくなるのが、何とも皮肉です。
舞台が終わった後は、山内ケンジさんとのアフタートークが見たい気持ちをグッとこらえて、バスで三鷹に戻り、いつもお世話になっている、荻窪のボードゲーム会にお邪魔しました。
午前中は、目一杯体力を使ったのですが、こちらでは、脳ミソをフル回転させる事に。タイプは違いますが、やりごたえのあるゲームが多かったです。
お陰で、心底疲れましたが(笑)、個人的には、始めてドミニオンをプレイできたのが嬉しかったです。
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イッツアワンダフルワールド。序盤のカード運が最高だったので、もう少しで勝てそうだったのですが、甘くありませんでした。