本日の午前中は三鷹で読書会。いつもギリギリになってしまうのですが、今日は根性で早めに出掛けます。
昨日、泣けなしの体力と脳ミソを酷使したツケで全身がダルい事この上ありませんが、今回だけは遅れる訳にはいきません。
というのも、後から気づいたのですが、前回参加したときに、少し遅れてしまい、そのまま参加費を踏み倒してしまっていたんですよねえ。
なので、二回分の参加費を払って、この申し訳なさと、後ろめたさから、早く抜け出したいのです。
たとえ人間が小さいと言われようが、これが自分の性分ですし、人との約束を平気で破ったり、お金を踏み倒すくらいなら、私は小心者のままでいる事を選びます(笑)
かなり前置きが長くなりましたが、今回の課題の本は、前回の「我輩は猫である」に引き続き漱石の作品で「坊ちゃん」。
何を食べたのかというプライベートまで曝されるひどさや辛さは、今のSNSの時代だから、逆に共感できる部分が多いなと思います。
もしかしたら、イギリス時代に漱石が引きこもった実体験に基づいた部分もあるのかも知れません。常に人に監視されているという恐怖に苛まれていたそうですし。
そんな風に無神経で、人のプライバシーに土足に踏み込み、野暮の骨頂として描かれる、漱石の松山の人達に対するディスり具合は、国民的作家とは思えない容赦のなさ。ひどい言われようです。
それでもいろいろなものに「坊ちゃん」という名前をつけ、最大の観光資源の一つとして大切にする松山の人達。一見すると人が良すぎるように見えて、転んでもただでは起きない、逞しさや強かさを感じます。
改めて読み返して個人的に感じたのは、赤シャツは確かにイヤな奴ではありますが、果たして天誅されるほどの外道なのだろうかという疑問。
成功すればきちんと報酬もくれますし、交渉や取引きが成立しない坊ちゃんより、ある意味話しは分かるし、付き合いやすい気さえします。
マドンナの件だって、どちらかと言えば、やさしいけど物足りないうらなり君から、頭が良くて弁も立つ赤シャツに乗り替えた、ビ○チなマドンナ自身の側により多くの問題があるように、見えなくもありません。
そんな事を話していたら、電車の時間が近づいてきたので、途中で抜けさせてもらう事に。オレンジ色の電車に乗って四ッ谷まで行き、南北線に乗り替え、急いで王子に移動します。昼からは北とぴあの舞台ワークショップに参加します。
去年に引き続きの参加ですが、今年は実際の劇場のスケールで、泉鏡花の作品の舞台模型を作るのが最終目的地。なかなかハードルの高いワークショップです。
まずは、先生の鈴木健介さんのプロフィールと、映画美術と比較した時の舞台美術の定義についての講義を座学で聴く事に。
去年は、具体と抽象についてと、観客にどう見てもらうかを意識しながら模型を作っていきました。それに対して今年のテーマは「見立て」。
講義を聴いた後は「見立て」を意識しながら、早速作品を作っていきます。ですが今週はあくまでも模型を作る感覚を身につけるための練習のワーク。本番は来週の2回目のワークになります。
なので、今回は泉鏡花の作品ではなく、昔話の「桃太郎」が題材に桃が流れてくるシーンの舞台模型を作っていきます。
僕は、山と川にアクティングエリアを二分して、同じ時間の違う場所をそれぞれが演じている、というプランで模型を作ってみる事に。
みなさんと比べて致命的に絵心はないので、どうしても抽象的な方に振りきらざるを得ない自分(笑)
それだからこそ、具体的に作り込んでいる方達の作品を見ていると、いろいろと勉強になります。ここ2日間全く違った頭の使い方をしつつ、フル回転させているので、最後の方は結構しんどくはありましたが、とてもいい刺激をもらう事も出来ました。
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自分が作った「桃太郎」の舞台模型。
青空文庫でも読めるのですが、帰りは書店さんに寄って、夜叉ヶ池と天守物語の収録された文庫を買ってみる事に。雰囲気が掴めたら、材料探しにダイソーにも行ってみようかと思っています。